アナクア

なぜLIXILはアナクアの知財管理システムを導入したか
知的財産部門のPMI推進に
ハード・ソフトの両面で寄与

住まいの水回り製品と建材製品の大手メーカーであるLIXILは、グローバルにまたがる知的財産の管理のため、アナクアの「AQXプラットフォーム」を導入した。世界で2万件を超える特許・商標のポートフォリオを有する同社が目指した姿とは。知的財産統括部リーダーの片岡将己氏に聞いた。

ソニーグループの知的財産センターで約12年間勤務してきた片岡将己氏が、LIXIL知的財産部門の責任者に就いたのは2018年。入社当時、「ここでの変革は大きなチャレンジになる」と感じたと振り返る。

片岡氏が感じたのは、グローバル企業としての歴史と知財に対する体制の違いだ。戦後まもなく創業し70年超の歴史を有するソニーに対し、LIXILは国内の主要な建材・設備機器メーカー5社が統合し、2011年に誕生した。その後、2013年に北米で水回り製品の製造・販売を手掛けるアメリカンスタンダード社、2015年に欧州で最大規模を誇る水栓金具のグローエ社を子会社化した。

LIXIL
知的財産統括部リーダー
弁理士
片岡将己氏

「LIXILはグローバルカンパニーとしては非常に若い会社です。私が入社した当時は、まさにPMI(M&A成立後の経営統合プロセス)が課題となっていました。知財部門に目を向けると、ハード面では業務インフラの統合が不十分で、ソフト面ではグローバルの知財部門がワンチームになりきれていないと感じました」

片岡氏は、ハード面のPMIとして、知財管理システムの導入検討を開始した。国内外に研究開発拠点がある場合、各拠点で生まれた発明などの知財はその国で管理されることが多い。海外のローカルデータベースに入っていると日本の知財部門から直接情報を確認できず、やり取りに手間が生じる。逆もまたしかりだ。

●LIXILのグローバル知的財産戦略

「グループ全体の特許の数や内容さえ、なかなかすぐに確認することができない。簡単なことのようですが、多くの企業が似たような課題を抱えていると思います。まずは、各拠点で管理している知財をすべて同じテーブルに乗せ、グループ全体の状況を可視化すること。それが知財部門におけるPMIの一丁目一番地でした」

システムの導入に際しては、約半年をかけてソリューションを比較検討した。最終的に採用したのがアナクアの「AQXプラットフォーム」だ。どのような選定基準をもとに選んだのか。

システムに対する投資を
継続的に行う姿勢が決め手に

「LIXILは、日本・米国・ドイツ・中国などに研究開発拠点を構えます。選定の大前提として、これらの国々からアクセスできるクラウドベースのシステムであること。そのほか、グローバルに使えるユーザーインターフェースであること、サポート拠点が充実していること、システムが古くならず時代に合わせた発展性があることなどが基準となりました。アナクアを選んだ決め手は、システムに対する投資を継続的に行う姿勢です。ユーザー同士のコミュニティも重要視しており、そこで上がった要望に応えようとする姿からも発展性に期待が持てると感じました」

システム導入によりグローバルの知財情報が可視化され、現状把握や分析の即時性が大きく改善された。当初の目的通りの成果を得たわけだが、片岡氏はもう一つ、別の効果を狙っていた。それは冒頭で挙げたソフト面の課題、グローバルの知財部門がワンチームになりきれていない状況を変えることだ。

「2019年の採用決定後、3年間かけてグローバルの拠点でシステムを導入していきました。日本の本社チームと各拠点のチームが一緒にプロジェクトを推進することで、互いに理解を深めることができるに違いないと思っていました。狙い通り、プロジェクトを通じて知財部門の結束が高まり、知財を取り巻くグローバルな課題の解決を図りやすくなりました」

経営者の理解なくして
知財戦略の進化はなしえない

LIXIL知財部門のミッションは、「経営戦略の実行を強化する知的財産権の取得・活用・リスクマネジメントを支援し、持続的な競争力に貢献する」ことにある。

片岡氏はLIXIL入社以来、「知財部門を管理屋から戦略屋へ」というキャッチコピーを組織内で打ち出し、他の事業部門にも浸透させていった。それができたのは、LIXILの経営陣も同じ考えを持っているからだ。

「常日頃、瀬戸(代表執行役社長 兼CEO)はイノベーションとデザイン、ブランドの重要性を強調しています。経営の競争力を獲得・維持する上で知財は極めて重要である。トップがそれを理解していることは、知財部門の変革を任された私にとって力強い後押しになります」と片岡氏は語る。経営者の理解なくして知財戦略の進化はなしえない。多くの日本企業にとって、LIXILは示唆に富むモデルケースと言えそうだ。

世界のベストプラクティスを提供し、日本企業の知財活用に貢献

アナクア日本法人
代表取締役社長兼
ゼネラルマネージャー
徳永信二氏

――フォードやナイキ、コカ・コーラといったグローバル企業も採用する「AQXプラットフォーム」の特長は?

「AQXプラットフォーム」は知財ライフサイクル管理のすべてを網羅します。その機能は、運用の自動化や情報の一元管理にとどまりません。情報ダッシュボードや分析・レポートツール、ポートフォリオ管理、費用管理モジュールなどの機能は、市場環境における自社の立ち位置の理解に貢献します。そこで得られる洞察は、将来のビジネス成長のためのストーリー設計に役立てることができます。もちろん、それらは国内拠点だけではなく、グローバルにまたがる拠点で実行することが可能です。

――LIXILではシステム投資の姿勢が採用の決め手になった。投資方針の決め方は?

クライアント様で構成されるクライアント委員会やワーキンググループを通じて、製品に対するニーズを話し合ったり、運用事例を共有したりする場を提供しています。そこで得られたフィードバックは、ソリューション開発ロードマップに反映します。研究開発の投資を絶えず続けており、定期的にシステムアップグレードやバージョンアップを行うため、アナクアのソリューションが時代遅れになったり陳腐化したりすることはありません。現在では、AIを活用して迅速に特許分類を行う機能、明細書作成をサポートする機能、特許侵害を特定する機能などの開発を計画しています。

――日本におけるアナクアのビジネス戦略は?

アナクアは、世界の特許出願数でも上位を占め続ける日本を知財分野における重要な市場と捉えています。日本市場のニーズに対応するため、日本特許庁とのシステム連携や、パナソニックの特許調査支援サービス「PatentSQUARE」とのシステム提携など、日本特有の機能も追加しています。アナクアは技術そしてプラットフォーム全体の強化を目的として、2015年以降、9社の買収統合を行ってきました。今後は日本国内でも統合プラットフォーム戦略を積極的に進める方針です。世界のベストプラクティスを提供し、日本企業が競争力のある知財資産を活用するための支援をこれからも提供していきます。

お問い合わせ

株式会社アナクア

Email:ContactJapan@anaqua.com

URL:https://www.anaqua.com/ja/

Contents