ティッセンクルップ

Carbon2Chem:ティッセンクルップ脱炭素テクノロジーのライトハウス工場、製鉄などのCO2削減が困難な産業の排出ガスを貴重で持続可能な化学物質に変換する革新的なコラボレーションアプローチ

セティン・ナジッコル博士 ティッセンクルップ チーフ・ストラテジー・オフィサー ディカーボン・テクノロジーズ
チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー兼アジア・太平洋・アフリカ地域プラットホームCEO

2023年10月に行われた新セグメントである脱炭素テクノロジー(DT)の設立は、持続可能性に焦点を当てて急進化する産業において、ティッセンクルップが革新とリーダーシップの戦略的重要性を認識した事実を証明するものであり、グリーントランスフォーメーションの可能性を活用し、価値創造型の成長を促進することを目的としています。

この新セグメントはグリーン電子の生成、グリーン水素・化学品の製造及び温室効果ガスの産業部門からの排出の回収に関連する脱炭素化技術の包括的ポートフォリオにより、産業顧客が気候変動目標への取り組みを進めることを可能にする事業群です。

2018年以来、ドイツで稼働しているCarbon2Chemのパイロットプラントは、世界的な気候変動対策と連携しながら産業成長を支援する革新的で持続可能な技術ソリューションを開発しており、DTの使命を体現するものです。当プロジェクトは、フラウンホーファー環境・安全・エネルギー技術研究所、ティッセンクルップAG、マックス・プランク化学エネルギー変換研究所が共同で調整し、ドイツ連邦教育研究省からの資金援助を受けています。

このプラントは、地域の製鉄所から排出されるCO2(コークス炉ガス、溶鉱炉ガス、転炉ガス等)を回収・浄化し、アルカリ水電解プロセスで生産されるグリーン水素と組み合わせて、メタノール(及びアンモニア)のような貴重な化学物質を合成します。

このDTのライトハウスプロジェクトは、炭素回収利用(CCU)ソリューションが、パリ協定で定められた目標のような国内及び国際的な気候変動目標の達成を支援しながら、いかに業界に新たな収入源をもたらし、経済成長に貢献することができるかを示しています。

Carbon 2 Chemはまた、総合的な脱炭素技術ソリューションを提供する上で、業界を超えて協力する必要性を強調しています。異なる産業(例えば鉄鋼と化学)が協力することで互いの技術や副産物を相互に活用することが可能となるのです。このような相互に結びついたエコシステム・アプローチは、資源効率を最大化し、環境への影響を最小化します。

Carbon2Chemで開発された技術やプロセスは、セメント産業など他の炭素集約型産業で用いるための拡張と転用が可能であり、世界的にCO2排出量の大幅な削減に寄与する可能性があります。

Carbon2Chemはさらに、脱炭素技術の研究開発を推進するための、学術界、産業界、政府機関の相互協力の必要性を示す一例であるとも言えます。このパートナーシップモデルにより、効果的な気候技術ソリューションの発見と導入が加速されます。

Carbon2Chemのような注目度の高いプロジェクトは、CCU技術のポテンシャルについての一般的認識を高め、脱炭素化イニシアチブに対してより支援的な政策展開に拍車をかけられます。

まとめると、Carbon2Chemは、産業におけるCO2排出量を削減し、経済的及び環境的な持続可能性を促進し、世界的な気候目標を支援するための包括的なアプローチであり、極めて重要な役割を果たしています。

Carbon2Chemのコンセプトは、特に本州に多数の工業地帯があることを考慮すると、日本に非常に適しています。多様な産業が近接しており、共通のインフラを通じて廃棄炭素ガスを共有し、さらに活用可能な化学物質を生産できる可能性があります。日本とドイツが技術的に緊密に協力し、現地の要件に合わせて仕様を適応させることで、最終的には環境に利益をもたらすことができると言えます。

セティン・ナジッコル博士
セティン・ナジッコル博士
ティッセンクルップ チーフ・ストラテジー・オフィサー ディカーボン・テクノロジーズ
チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー兼アジア・太平洋・アフリカ地域プラットホームCEO

ナジッコル博士は、20年以上に渡り卓越したリーダーシップと変革的な視点をティッセンクルップにもたらしました。1996年の入社以来、変革へのコミットメントと卓越した運営に寄与してきました。

2010年、ナジッコル博士はティッセンクルップエレベーターの副社長に就任し、グローバルなサービス事業の強化を目的とした戦略的イニシアチブを主導。2013年からはティッセンクルップ AG及びティッセンクルップインダストリアルソリューションズのトルコ、中東、アフリカ、アジア太平洋地域のCEOに転向し、多様な市場で持続可能な成長を推進。2020年以降、ティッセンクルップのアジア、太平洋、アフリカ地域のCEOを務める。

また、2023年8月には、アジア太平洋地域担当に加え、ティッセンクルップの世界的パフォーマンスプログラムである『APEX』を監督するチーフトランスフォーメーションオフィサーにも任命される。2023年10月には、ティッセンクルップの脱炭素技術部門における取締役(最高戦略責任者)に就任した。

ドイツのミュンスター大学で化学のディプロマと博士号を取得。さらにオランダのホーヘスホール・ゼーラントで経営学のエグゼクティブ・マスターを取得している

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