SUSTAINABLE SOCIETY & SOLUTION SUMMIT

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「脱炭素化をビジネス成長の好機に」
タイでのGX支援を強力に推進
アビームコンサルティングはアジア全域でビジネスを展開しているが、中でもタイは最も注力している市場だ。特に強化しているのがGX(グリーントランスフォーメーション)で、2024年3月に住友商事と設立したGX専門のコンサルティング会社「GXコンシェルジュ」によるサービスもタイで展開していく。アビームコンサルティングのタイにおけるGXビジネスについて、堀江啓二マネージング・ダイレクターと豊嶋修平執行役員・プリンシパルが講演した。

 アビームコンサルティング(以下、アビーム)のタイ法人は2025年で設立から20周年を迎える。社員数は約500人で、「当社の東南アジアの拠点で最大規模だ」(堀江氏)。タイにおいては、日本で培った技術やノウハウを生かしてカーボンニュートラル実現に向けた支援に取り組んでいる。

 堀江氏はタイの特徴として農地面積の広さを挙げ、「太陽光発電のポテンシャルが高い」と説明した。一方で、「雨季があるため、そこにどう対応するかが大きな課題になる」(堀江氏)。

 この課題を解決する技術として、日本が開発に注力しているペロブスカイト太陽電池を紹介した。ペロブスカイト太陽電池は軽量で輸送や設置がしやすいこと、製造コストが低いことに加え、「曇りでも効率的に発電ができるため、雨季があるタイでも利用しやすい」(堀江氏)。

 現在、タイで利用されている再生可能エネルギーのほとんどは、バイオマス発電によるものだという。多くの国が太陽光や風力による発電に取り組む中、農業国であることを生かしてバイオマス発電に取り組むタイは「非常にユニークなケースだ」(堀江氏)。

アビームコンサルティング タイ マネージング・ダイレクター 堀江啓二氏
アビームコンサルティング タイ
マネージング・ダイレクター
堀江啓二 氏

 タイが豊富に持っているバイオマス燃料には大きなポテンシャルがあるという。例えば、日本とタイを含む東南アジアの国々との脱炭素の連携枠組み「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」において、「将来は、タイが車両や航空機、船舶などに使うバイオマス燃料の供給元になる可能性がある」(堀江氏)。

 タイの太陽光発電についても堀江氏は、「現状では取り組みは少ないが、見方を変えれば伸びしろがまだまだあるといえる」と指摘した。

 アビームはエネルギーの供給サイド向けの支援、需要化サイド向けの支援、新たなビジネスモデル創設の支援、という3つのカテゴリーでタイでのサービスを展開していく考えだ。堀江氏は「足元の取り組みだけではなく、中長期的に支援をしていきたい」と、その意欲をアピールした。

GX専門に総合的なサービスを提供する会社を設立

 アビームは2024年3月、住友商事との合弁で「GXコンシェルジュ」を設立した。同社はGXに特化し総合的なサービスを提供する会社で、堀江氏は「強みであるグローバルネットワークや、先端技術をキャッチアップする力などを生かし、企業の脱炭素経営を支援していきたい」と話す。

 提供するサービスは大きく2つ。1つ目はGX実現のための戦略策定と、その実行支援だ。もう1つが、脱炭素に関連した新しいビジネスを開始する企業に対する支援である。

 GXコンシェルジュは元々、アビームと住友商事が2022年4月にリリースした脱炭素支援サービスのサービス名だった。今回新たに会社を設立し、よりサービスを強化した形だ。

 アビームの豊嶋氏はGXコンシェルジュの代表取締役副社長も兼務している。豊嶋氏は企業がGXを進める上で大切になる考え方を紹介した。

アビームコンサルティング株式会社 サプライチェーン変革戦略ユニット 執行役員 プリンシパル 豊嶋修平氏
アビームコンサルティング株式会社
サプライチェーン変革戦略ユニット
執行役員 プリンシパル
豊嶋修平 氏

 GXの目的は温室効果ガスの排出削減だが、「その過程で必要になるのは、各企業のバリューチェーンにおけるプロセスマネジメントだ」(豊嶋氏)。それぞれの社員がどういった業務を行っており、そこでどれだけの温室効果ガスが排出されているかを一つひとつチェックしていくことになる。

 この取り組みについて豊嶋氏は、「実は過去にIoT(Internet of Things)やAI(人工知能)を活用する際に取り組んだことと同じだ」と指摘した。これらのテクノロジーは、デジタルを使ってプロセスマネジメントを行うことで、生産性の向上や設備の稼働率向上を実現する。豊嶋氏は「プロセスマネジメントの目的を温室効果ガスの排出削減にまで広げるというだけなので、本質的に同じ取り組みだ」と説明した。

 そのため脱炭素化について豊嶋氏は「ただコストがかかるだけのものという認識を改める必要がある」とし、「デジタルを使って自社のプロセスを変革し、ビジネスの成果を高める機会だと捉えることが大切だ」と強調した。

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