シクロ・ハイジア/トリニティ
無形資産を軸に、未来をデザイン
「知財×デザイン」が今、実現する
事業創出スパイラルで企業価値向上
知財とデザイン。一見すると異なる2つの分野を組み合わせて行うコンサルティングがある。知財・無形資産に強いシクロ・ハイジアと、デザインに強いトリニティによる「新商品・新規ビジネス開発プログラム」だ。既に多くの企業で成果が出ているサービスの概要や特徴、具体例などを紹介する。
シクロ・ハイジアは、知財・無形資産を切り口とした経営・事業戦略のコンサルティングファームである。代表取締役CEOの小林誠氏は、大学教授や複数省庁の有識者委員として公的な役割も担う。小林氏は2018年、特許庁「産業競争力とデザインを考える研究会」に委員として参加。これを契機にトリニティ代表取締役の湯浅保有美氏と出会う。トリニティは狭義の意味でのデザインではなく、全体設計・構想に関わる「広いデザイン概念」で活動する日本では数少ないコンサルティングファームだ。
先の見えない今、従来手法だけでは経営のハンドリングが難しい。企業価値の向上には、競争力の源泉となる無形資産の活用がカギを握る。知財もデザインも、イノベーションを起動させ、新たな有形資産を生むために欠かせない無形資産の重要なファクターだ。本質的には近しいはずの知財とデザインが、これまで別々に扱われてきたことに両社は課題を感じ、融合してサービスを提供しようと考えた。
小林氏は「両社がタッグを組むことでお客様に新しい価値を提供できると確信し、協業に至りました」と語る。
(左)シクロ・ハイジア 代表取締役CEO 小林誠 氏
(右)トリニティ 代表取締役 湯浅保有美 氏
「知財×デザイン」で
B to Bに提案力を
湯浅氏はこれを受けて続ける。「デザインには、まだ言語化されていない相手の期待値や潜在的な欲求を探り、同時に未来からのバックキャストのアプローチでそれを見える化し、サイロ化された専門性を超えて協働するフォースとしての機能があります。それによって真の課題を引き出して皆が納得できる解決シナリオを明示することができます。ブランドやイノベーションをさらに活性化させるために、経産省や特許庁が『デザイン経営』の推進を宣言していますが、経営にデザインの力を活用しようという民間企業も増え始めました」。
知財部門の主要業務は従来、権利化に向けた文書化、手続きおよび管理とされ、ユーザーや提供価値への意識は弱かった。昨今は経営に資する知財が求められ、マインドセットの転換に課題がある。
一方で経営サイドは、データを積み上げて考えるロジカルシンキングが主流だが、小林氏は「この分野はAIによる代替が進み、創造性が失われてきています。データが多いほど、むしろ当たり前の答えしか出てこない」と語る。
そこで役に立つのが、ユーザーのニーズを見極めて課題解決を図る「デザイン思考」だ。両社はこれをベースに、コンサルティングや人材育成など、各々の専門性を生かして協力する。
湯浅氏はその効果を「知財とデザイン双方の知識が得られると、思考の枠を広げられます。未来からバックキャストしたり、アイデアを知財の無形資産としてアセットに変えていったりという戦略的な思考にもなります。未来を見据えて顧客視点でものを見れば、B to Bビジネスにおいても顧客への提案力や訴求力が一段と増しますね」と述べる。
新規事業が、次々と生まれる
日本の産業を元気に
両社協業事例の1つに、大手鉄道会社(A社)への新規事業開発コンサルティングがある。
自社の強みや今あるニーズからの発想から行き詰まっていたA社に対し、両社はまず、いかなる価値を提供したいか、そのコンセプトから検討することを提案した。「デザイナーの視点から市場や顧客を観察し、データを組み合わせ分析することで、顧客価値のインサイトが得られます。既存の市場調査より深く、潜在的なニーズを捉え、戦略を立てるとともに実行計画を作成していきました」(小林氏)。
新規事業の創出までは、トリニティのデザイン思考ノウハウが生きる。その具体化を進める次のフェーズで、今度はシクロ・ハイジアの強みが生きる。ビジネスモデルの実現計画を詳細に設計し、事業化への道筋をつけてきた。
両社のコンサルティングは伴走型だ。共に取り組む中でA社メンバーは、両社の知見やノウハウを学べる。人材育成が進み、次の新規事業を自社で検討できる力が備わる。
両社は毎年テーマを変えながら、A社の新規事業開発プロジェクトに関わり続けている。新規事業開発は経営企画など特定部署だけで検討するケースが多いが、A社はグループ会社を巻き込んだり、成果発表会を開催して新たな人材やテーマを募集したりと、全社的な取り組みを積極的に展開。まさに組織変革が実現したのだ。
これまでの実績をベースに、両社は改めてサービスの内容を整理。新たに知財×デザインによる「新商品・新規ビジネス開発プログラム」としてパッケージ化した。
●知財×デザインによる「新商品・新規ビジネス開発プログラム」シクロ・ハイジアとトリニティは互いの知見を生かし、「真の顧客ニーズ充足」と「自社保有資産を活用した差別化」の両面を満たす新規の事業や商品、サービスの開発プログラムを提案する(出所:トリニティの資料を基に作成)
※詳細はこちら→https://trinitydesign.jp/2025/06/27/知財経営戦略/
最後に小林氏は「我々は日本の産業が元気になること、国際競争力の強化を目指しています。知財×デザインで、無形資産による組織変革のロールモデルをつくりたい。そのために一つひとつのコンサルティングと、仲間と共に考えるコンソーシアム(詳細下記)の両輪で取り組んでいきます」と語った。
今、注目のムーブメント!
「デザイン経営推進機構」
今春、組織や個人による「デザイン経営」の実践を通じた“企業価値の向上”を実現すべくデザイン経営推進機構が創設された。経済界や投資家との対話も推進し、日本経済を活性させて「価値デザイン社会を実現する」狙い。
東京ビッグサイトで開催される「知財・情報フェア」にて9月12日、小林氏をはじめ企業の経営層である機構の理事らがトークセッションを行う予定。この機会をお見逃しなく。
■一般社団法人デザイン経営推進機構
Email:info@jidd.or.jp9月12日、小林氏も登壇 2025知財・情報フェア
開催概要はこちらから





