デンネマイヤー
94年間蓄積された、現場の「当たり前」は財産だ!
「秘伝のタレ」を、価値に変換
ブリヂストンが攻め続けられる理由
1931年創業、日本発のグローバル企業であるブリヂストン。94年間で無数の知財を培ってきた。特許技術のように明文化されたものだけではない。現場に息づくナレッジや、ノウハウといった暗黙知も多い。それらすべてが同社の宝だ。暗黙知の可視化・共通化に取り組む同社の知財戦略に迫る。
ブリヂストンは2020年、「第三の創業(Bridgestone 3.0)」を掲げた。グローバル化にかじを切った「第二の創業」に続き、ソリューションカンパニーへの進化を目指す。一方で企業理念の使命である「最高の品質で社会に貢献」は、創業以来変わらない同社の魂だ。
「その思いは知財分野でも変わることはありません」と、同社知的財産部門の部門長を務める荒木充氏は語る。
同社の技術における強みは「接地を極める」「ゴムを極める」「モノづくりを極める」の3つ。これらをベースに知財戦略を立案し、実際の活動に落とし込む。特許件数だけでも相当な数になる。
「94年間で蓄積されたナレッジやノウハウは、さらに膨大です。最も効率的かつ価値を提供できる調達や生産・流通方法は何かといった知見を含む知財群と、それらを持続的に生み続けるR&Dの伝統が当社の『秘伝のタレ』です」(荒木氏)
「第三の創業」におけるソリューション事業展開では、現場の匠の技となっている「リアル」の知財と、先進的なDXを活用した「デジタル」の知財を融合させて社会価値・顧客価値を創出する。例えばトラックや航空機、鉱山で使われるタイヤに関するビッグデータを、ブリヂストンの持つデータと組み合わせ、タイヤの摩耗や耐久を予測するアルゴリズムでタイヤ交換時期を精度高く確認できるようになった。タイヤを扱う顧客の生産性向上、ダウンタイム削減に貢献する。
こうした独自の予測アルゴリズムを含むビジネスモデル特許や、ビッグデータのノイズを除去するデータクレンジングの手法といった知財の塊を一つのモジュールとして扱い、様々なモビリティー領域に応用展開する。知財が事業価値につながるよう戦略的に組み合わせるこの考え方を、同社は独自の「知財ミックス」というコンセプトに掲げる。
(左)ブリヂストン 知的財産部門 部門長 荒木充 氏
(右)デンネマイヤー 営業本部 キーアカウントマネージャー 酒井麻子 氏
現場の「暗黙知」を
知財化せよ!
知財ミックスを十全に機能させ、価値につなげる「攻めの知財」。その実現には事業全体で知財を理解し、機能させる必要がある。バリューチェーン全体で議論できるよう、知財の可視化に取り組む。
最も難しい作業の1つが、ナレッジやノウハウの可視化だ。現場にとって、それらの多くは当たり前の「暗黙知」。それが知財であるという意識が希薄ゆえ、知財化が難しい。
「開発や工場はもちろん物流・販売の現場まで知財メンバーが出向き、現場の何気ない『すごいこと』を抽出。可視化・共通化してシステマチックに拡大させることが、知財部門の重要な役割です。ただし難度は高く、我々だけでは限度があります。現場の知財に対する意識を一層高め、現場自らが可視化できるようにしたい」(荒木氏)。
ブリヂストンの知財戦略はユニークで奥深い。その心強いパートナーが、グローバル知財総合サービスを提供するデンネマイヤーだ。荒木氏は、「デンネマイヤーは信頼性が高く、行き届いたサービスを提供します。世界中の知財の現場を熟知し、当社の事業や弱点も把握したうえで、困りごとが生じる前に手を差し伸べてくれます。当社が攻めの知財の先鋭化を試みられるのは、特許年金管理をはじめとした『守りの知財』が盤石だから。守りにおいては特に、助けられています」と評価する。
●知財・無形資産を社会価値に変換―ブリヂストンの知財戦略知財が社会価値・事業価値に変換されるメカニズムを可視化するため、ブリヂストンは「知財ミックスコンセプト」「知財インフルエンスダイアグラム」の2つを考案。知財部門が現場に入り込み、上図をベースに事業部門と知財戦略を策定・実行していく(出所:ブリヂストンの資料を基に作成)
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特許年金は期日までに支払わなければ権利が失効するため、確実な管理が求められる。「自社とデンネマイヤーの管理が一致するよう連携を取ってくれる。権利を持つ国の特許年金が値上げする前に、いち早く支払いを勧奨してもらえる。とても助かっています。AI活用やコンサルティングなど、攻めの領域にも積極的に取り組む発展性も頼もしいですね」(荒木氏)。
アフリカ、南米にも拠点
知財は守りから攻めへ
ブリヂストンはアフリカや南米などにも拠点を持ち、事業を行う。「世界各地にダイレクト拠点を持つデンネマイヤーは、優れたパートナーです」(荒木氏)。
知財制度は各国で大きく異なる。生の情報は知財戦略に直結する。グローバルのダイレクト拠点から一気通貫でサポートを受けられるのは非常に大きいという。
ブリヂストンは2025年4月、産業財産権制度の普及・発展に貢献したとして「内閣総理大臣感謝状」の贈呈を受けた。同社を担当するデンネマイヤー営業本部キーアカウントマネージャーの酒井麻子氏は、「緻密な戦略を実行し社会に貢献されているので、受賞は当然のことでしょう」と祝し、続ける。
「ブリヂストンは最新技術を活用し、モノからコトへの変革を成功させています。それを支える社内バリューチェーン全てにおける知財価値の可視化と知財ミックスの形成により、全社員が主人公となり自社の財産を守っている。多くの企業の手本になると思います。知財管理の効果検証もKPIを設けて数値化し、それもここ5年で倍増しています」
ブリヂストンが現在注力するのがオープンイノベーションだ。複雑化した社会課題は一社で解決できない。既にリサイクルや自動運転の領域でパートナーシップを結ぶ。
「互いの強みをつなげ、いかに社会課題を解決するか。その際に知財管理はどうあるべきか。『攻め』の課題は山積しています。だからこそ『守り』の充実をもたらすデンネマイヤーには感謝しかありません」(荒木氏)






