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東京エレクトロンデバイス

半導体需要拡大をウエハー検査装置で支える

「メーカー×技術商社」で
顧客起点の開発を徹底する

2ナノ(ナノは10億分の1)メートル半導体、3次元積層などの技術開発が進む。最先端半導体製造で基盤となるウエハーには、より高い品質が求められる。メーカーと技術商社、2つの機能を有する東京エレクトロンデバイスは検査精度とスループット(生産性)の高い半導体ウエハー検査装置で業界を支える。

半導体ウエハーは、シリコンなどの単結晶を薄くスライスした円盤状の基板だ。平坦で傷やひび割れがなく、異物の付着が無い表面に微細な電子回路を形成し切り分け、個々の半導体チップとなる。その平坦さ、クリーン度について、東京エレクトロンデバイス コーポレートオフィサー執行役員副社長の篠田一樹氏は次のように例える。

「12インチのウエハーは、仮に東京ドームの面積と同じ倍率に広げても平坦なままです。当社のウエハー検査装置に求められているのは、0.3ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリメートル)サイズのパーティクル(微細な塵や異物)を検知すること。東京ドームで蚊の足1本の足跡を見つけるのと等しい難度と言えます」

東京エレクトロンデバイス コーポレートオフィサー 執行役員副社長 篠田一樹 氏

東京エレクトロンデバイスは、半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンの商社部門であった半導体・電子デバイス事業と、コンピュータシステム関連事業が分離・独立した会社だ。両事業の商社ビジネスを基盤にプライベートブランド事業を展開する。

同社の設計開発センター開設は40年前。開発スタンスについて篠田氏は言及する。

「営業とエンジニアが一緒に顧客にヒアリングし、技術商社として培ってきた知見から困りごとを解決していくスタイルです。当社のメーカー機能は、複数の顧客から寄せられた共通の要望に応える半導体チップを開発したことが始まりでした。その後、電子基板、システムや装置の開発と、プライベートブランドを広げていきました」

ウエハー検査装置に
標準製品はない

プライベートブランドの注力事業として、半導体ウエハー検査装置は撮像センサー技術からスタートし、ニーズで市場を開拓してきた。2015年、センサー技術を生かした新規事業として、スマートフォンガラスの目視検査を自動化する装置の開発に挑戦したことがその原点。ここで培った技術を生かした別事業を模索する中で、化合物系ウエハー検査に着目。これは半導体市場拡大を背景に事業に結び付く。ここでまた壁にぶつかる。さらなる成長に向けては、市場の大きいシリコンウエハー検査に取り組む必要がある。しかし当時、同社の技術だけでは実現が困難だった。

風向きが変わったのは2023年。同社は日本エレクトロセンサリデバイスから、ウエハー検査装置事業を譲り受ける。生成AIの急発展に伴う半導体需要の爆発的増加が、事業拡大の追い風となった。2ナノ(ナノは10億分の1)メートル半導体の量産化競争も激しさを増す。最先端半導体で利用されるシリコンウエハーには、極めて高い品質が求められる。

篠田氏は同社のウエハー検査装置の仕組み(図1)を説明する。「対象物に光を照射し、その反射光情報から、ソフトウエア処理で表面状態の変化を捉えます。ポイントは、サブミクロンレベルで欠陥やパーティクルを発見できること。光の照射角度など試行錯誤を繰り返し、欠陥が見えた時は感動します。シリコン原子の結晶構造の乱れに起因する微細な欠陥や不具合の兆候を、可視化して検出する技術も有しています」

■図1 半導体ウエハー検査装置の独自技術東京エレクトロンデバイスはミクロンからオングストローム(1000万分の1ミリ)のレベルで起きる極小の欠陥も見逃さない検査装置を有する

ウエハー検査装置に標準製品はないと篠田氏は指摘する。「ウエハーメーカーによって求める精度や検査項目は異なります。ウエハーメーカーのみならず、その先の半導体メーカーの事業戦略や強みなども関わるからです。当社は顧客が見たいものを見ることができるようチューニングした専用機を提供します」

技術や市場トレンドの変化により新たな検査項目も必要となる。集積度を高めるために、半導体ウエハーやチップを垂直方向に3次元積層する技術が進展。同社では2枚のウエハーを貼り合わせた工程後の品質や形状の検査ニーズに応えるべく装置開発を進めている。またEV(電気自動車)化に伴いパワー半導体も進化。SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)といった次世代材料の採用が急速に進む中、同社の化合物系半導体ウエハー検査技術への関心が高まっている。

メーカーと商社の力を融合
設計・量産受託を支援

グローバルトップクラスのウエハーメーカーも同社製品を採用したという。「検査精度、スループット(生産性)に加え、装置の複合化、フットプリント(設置面積)の小スペース化など総合的観点が評価されたと思います。半導体ウエハー検査装置は専門技術を要し、世界でもプレーヤーの数は多くありません。半導体開発プロセスの高度化に合わせ、検査装置も進化が必要です。顧客が見たいものも変わります。顧客起点で開発する当社の姿勢は変わりません」(篠田氏)

■図2 中期経営計画 VISION2030AIの進展に代表される、あらゆる市場を巻き込む課題が2030年までに数多く発生することを想定し、東京エレクトロンデバイスはグループ全体でメーカー機能と技術商社機能の両面から課題解決を追求することを中期経営計画で改めて掲げる

同社は検査装置事業に加え、医療機器、半導体製造装置分野においてFPGA(現場で書き換え可能な集積回路)や電子基板の設計・量産受託をワンストップで支援する。「当社の開発力やエンジニアリソースは長年の実績において高い評価と信頼を得ています。また社内に半導体商社部門を有し、個々の半導体デバイスに精通したアプリケーションエンジニアが多数在籍していることも当社の強みです。顧客の仕様検討段階から参画し、最適なデバイス選定や様々な技術提案を行い、顧客の競争力強化に貢献します」(篠田氏)

今後の展望を篠田氏は話す。「プライベートブランド事業は半導体ウエハー検査領域の成長に向けて、研究開発投資を強化していきます。複数拠点に分かれていた技術開発スタッフを1つに集結し、組織体制の強化も図りました。また新規事業開発、および非連続な成長のための活動に定常的に取り組むことを目的にコーポレートイノベーション部も新設しました。メーカーと技術商社の力で潜在的な社会課題解決に取り組んでいきます(図2)」

半導体業界における技術革新のスピードに対応し、その発展に寄与する。

期待を超える解決策を提供 強い決意に変わりなし
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Contents

総論

政投銀調査から見る産業集積の現状と拡張可能性半導体産業は地域経済の
救世主となり得るか?

東京エレクトロンデバイス

半導体需要拡大をウエハー検査装置で支える「メーカー×技術商社」で
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