受賞者インタビュー金賞

兵神装備 ビジュアルとコピーの巧みな組み合わせで
製品の機能・性能をわかりやすくアピール

渡邉 誠 氏

渡邉 誠
兵神装備株式会社
企画・管理部
SP企画グループ
グループ長

河井 今回のシリーズ広告「子どものつぶやき×ヘイシン モーノポンプ」の金賞受賞により、本賞の前身である日経BP広告賞を含め、7回目の受賞となりました。雑誌媒体、しかも専門誌に継続して力のある広告を出稿し続けるということは、容易なことではないと思います。まずは、受賞のご感想をお聞かせください。

渡邉 私どもには賞を取るための広告を制作する余裕はありませんから(笑)、一つひとつ懸命に作り上げていくというスタンスで取り組んでいます。結果としてそれを評価していただいているわけですが、とてもありがたいことですね。

入り口のハードルを下げ
製品への興味を喚起

河井 保博

河井 保博
日経BP
技術メディアユニット長

河井 今回の広告の狙いを教えてください。

渡邉 世の中にあるたくさんのポンプの中から、兵神装備のモーノポンプを選んでいただくために、モーノポンプの魅力や機能・性能をできるだけわかりやすく知ってもらうことを狙いとしています。モーノポンプに興味を持っていただくために、いかに入り口のハードルを下げるか、広告表現はそこに特化しています。

河井 特に技術系の製品の場合、機能や性能をアピールしようとすると、スペックの細かいところまで説明したくなるというのはよくあるパターンです。でも、それでは専門用語などが多くなってしまい、なかなか読者に伝わりにくい。その点、今回の広告はかなり絞り込んだメッセージにしているなという印象ですが、そこは相当意識されたのでしょうか。

渡邉 確かに、1つの広告にたくさんの要素を詰め込んでいるものもありますね。弊社は今回、シリーズ広告として4つのクリエーティブを制作しましたが、「脈動なく定量移送できる」「高粘度液を移送できる」「8.5m下から吸い上げられる」「吐出量を自在にコントロールできる」といった特長をそれぞれの広告で1つずつ訴求していきました。広告を制作する際の方針は以前から一貫しており、「1つの広告で言えることは、1つしかない」という考えで制作しています。

河井 1つの広告に1つの要素というのは、非常にわかりやすいですね。しかも、子どものつぶやきと製品の特性を説明するコピーが絶妙に関連付けられていて、とても巧みな広告だなと思いました。

渡邉 そこは、クリエーターの方々のおかげですね。長い間一緒に広告づくりに取り組んでいるので、私どもの意図を理解してくださっているのだと思います。

河井 今回の広告では子どものビジュアル、しかも笑顔ではなく意外性のあるシリアスな表情の写真が目を引きました。そもそも、どのような経緯で子どもの写真を使用することになったのでしょうか。

渡邉 広告を制作するにあたり、モーノポンプの性能理解へのハードルを下げるような広告にしたいとクリエーターの方々に伝えたところ、それを踏まえた広告案が多数上がってきました。その中の一つが子どものつぶやきシリーズで、モーノポンプの特長と一番しっくり結びつくなと感じました。子どもの写真だからというより、ハードルを下げるための武器は何かという観点で選びました。

河井 今回、広告接触率の調査でも読者の評価が高く、「子どもの表情が最高」「子どもの写真と意味深い内容が面白い」「堅いイメージをなくすと同時に製品の性能の高さをわかりやすく伝えている」など、広告に好感を持った読者からのコメントが多数寄せられました。このような評価について、どのようにお考えですか。

渡邉 総じて厳しい目をお持ちの日経ものづくりの読者の方々にほめていただいたということで、当初のハードルを下げるという狙いどおりの成果が得られたのではないかと考えています。

クオリティー=ストーリーを鉄則とし
新たな武器を使いこなす

河井 コロナ禍で世の中の状況が変わっていますが、マーケティング活動にどのような変化がありましたか。

渡邉 雑誌の広告活動という面では、さほど変化はないように感じています。コロナ禍で最も制約を受けているのは、リアルな商談の場である展示会です。多くの企業がやっているように、弊社でも滋賀県長浜市にあるショールーム「プロダクトスクエア」をWeb上で体験できるバーチャル製品ショールームを作りました。お客様に滋賀までご足労いただかなくていいというメリットはありますが、これでリアルを代替できるかというと、それは難しい気がしています。Web上に展示会のブースを再現するだけでなく、例えば我々とお客様がそれぞれWeb上にアバターを置き、それらを介してじかに接している感覚でコミュニケーションできるようにするなど双方向性を高めていくことが必要なのではないかと考えています。リアルな展示会で生まれる出会いと発見、それをWeb上や雑誌広告などでどう作っていくのか。それが、これからの課題といえます。

河井 最後に今後の広告展開についてお聞かせください。

渡邉 制約のあるコロナ禍で、例えばウェビナーなど新しい武器が増えていると思います。それらを使いこなすのは簡単ではありませんが、やる以上はクオリティーを求めないと意味がありません。クオリティーとは、つまりストーリーのこと。ストーリーのないものを矢継ぎ早に投げても、誰にも何も伝わりません。ですから、ウェビナーを活用するにしても、それを踏まえた企画を展開したいと考えています。また、御社のデジタルメディアである日経クロステックとタッグを組んで、プロモーション企画を一緒に作るといったことも検討していきたいですね。

※所属・肩書はインタビュー時点

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