• なぜ、物流インフラがアフリカの 発展にとって最大の必要条件なのか?
  • アフリカの物流インフラづくりに 日本が協力できること
  • モザンビーク・ナカラ回廊をつくる!
  • ケニアのモンバサ港が東アフリカの 「シンガポール」になるとき
  • 日本の知恵と技術と金が、 アフリカの物流を変える!
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池上

モンバサは、ケニアにおいてどんな位置づけの都市ですか?

野田

モンバサは、ケニア第二の都市ですが、ケニアはもちろんアフリカ東海岸でも最大の国際貿易港です。近隣の内陸国ウガンダ、ルワンダ、ブルンジへつながる北部回廊の玄関口で重要な貿易拠点です。東アフリカ地域全体の経済発展を支える存在ですね。ところが、近年のケニアや東アフリカ地域の経済成長に伴い、深刻な問題が起きています。

池上

港湾の能力を上回る貨物が押し寄せるようになったのでは?

野田

その通りです。空港から港までわずか数キロしかないのに、車での移動にずいぶん時間がかかりませんでしたか? 港湾で荷揚げされたコンテナを運ぶトレーラーが市中を埋め尽くし、渋滞が慢性化しているからです。

池上

コンテナ・トレーラー車の路上駐車も目立ちましたね。

野田

コンテナが港に押し寄せ、荷さばきできる能力をオーバーしています。今日モンバサ港に貨物船が着いても、港が満杯状態なので1週間近く港の沖合に停泊して、荷揚げスペースが空くのを待たなければなりません。通関業務も電子化が進んでおらず、全行程が終わるのに1ヵ月くらいかかる場合があります。

しかも、そのあとには渋滞が待っている。結局、港にコンテナがついてからケニア、内陸国の目的地に到着するまでに1ヵ月半かかることも珍しくありません。場合によっては、海外の港からモンバサに到着する時間よりもモンバサから目的地まで移送する時間のほうが長くなってしまうこともあります。

池上

それでは、国際港としての機能はおろかケニア国内の物流需要も満たせませんね。

野田

しかも物流コストが非常に高くなってしまいます。物価を下げ、ケニア、内陸国の経済を安定させるためにも、コンテナ取扱能力の増強は必須です。

2011年時点でモンバサのコンテナ取扱量は年間77万TEU(=20フィートのコンテナに換算して77万個)でしたが、今のケニアや周辺国の経済成長を勘案すると、2015年には115万TEUまで増加すると見込まれています。でも、現在のモンバサ港の取扱能力はというと45万TEUに過ぎません。

池上

だからコンテナが港の内外にあふれかえっているわけですね。どう対応するつもりなんですか?

野田

日本の円借款事業として、モンバサ港のコンテナターミナルを大幅に拡充する工事がスタートしています。現在あるモンバサ港のコンテナヤードの西側に新たなコンテナターミナルをつくり、引き込み道路と鉄道とを延伸して、モンバサ港の物流処理能力を一気に高めます。工事は2012年3月にスタートし、2016年2月に完了予定です。

新ターミナルの完成の暁には、約2.7倍の120万TEUの取扱能力を持つ港となります。ケニア政府も2030年までに中進国となることを目標とした中長期戦略「Vision2030」において、運輸セクターを重視、この事業を国家プロジェクトと位置づけています。

この流れを受けて、日本は、港のコンテナ取扱能力の増強だけでなく、周辺道路の開発事業も円借款を利用して進めようとしています。

池上

船上から対岸のものすごい数の人が見えます。なぜ、対岸の港にあれだけの人が集まっているんですか?

野田

カーフェリーで対岸のモンバサの市街に渡ろうという人たちです。モンバサは、中心街がインド洋に面した島内に位置していますが、人口増加に伴い、島外、南の本土対岸にも住居などが広がっています。モンバサは、リアス式海岸のように非常に複雑な形をしており、内陸部に海が入り組んでいます。海峡を横断する道路がないため、海峡を挟んで両岸が連絡船で結ばれています。つまり船で移動するしかないんですね。

池上

移動がカーフェリー、というのはいささかまどろっこしいですね。自動車などはいっぺんに乗れる台数も限られているでしょうし。

野田

正確にいうと、陸路を通じて、島内や南対岸を往来することも可能なのですが、湾をなぞり非常に大回りになってしまいます。1時間に1本のカーフェリーを利用するしかないのが実情です。そこで、円借款により新たにモンバサ周辺の道路、橋の敷設も行おうとしています。

池上

コンテナターミナルと道路が拡充されて物流インフラが充実すると、もともとロケーションとしては絶好の場所にあるモンバサ、大きく飛躍するチャンスですね。

野田

道路や橋梁が開通すると、首都ナイロビからウガンダに抜ける北部回廊が、ケニアの南に隣接するタンザニアとも繋がることになります。

池上

モンバサをハブにして、ケニア国内はもちろん、西はウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、南はタンザニアまでを結ぶ経済ネットワークができる、というわけですね。気宇壮大な構想です。

野田

その発展を見越して、モンバサ港の南対岸、ドンゴ・クンドゥ地区を自由貿易港に指定、ケニア政府より新たに経済特区を開発する構想が打ち出されています。ケニア政府の中期目標「Vision2030」においても、経済特区構想は、まさにフラッグシップとなるプロジェクトになっています。

池上

構想全体ではどんな開発を行うのですか?

野田

自由貿易港、工業団地、科学技術・ICT産業集積地区を合わせたもので、経済特区内には更に石油ターミナル、石炭、LNGなどのエネルギー関連施設の建設も予定されています。ケニア政府は日本をパートナーとして開発したいと表明しています。

池上

ケニア政府も日本を頼りとしているんですね。

野田

そこでJICAでは、電力、上下水・排水、通信、港湾、交通等のインフラ整備、経済特区内で活躍する産業人材育成、投資環境、税制優遇措置、通関業務支援などの法制度整備の面での協力支援を検討しています。

池上

日本の国際協力は、このモンバサにおいていつから始まったのですか?

野田

実は40年の歴史があり、1970年代から円借款などを通じて、JICAではモンバサのインフラ整備事業に対して集中的に支援を実施してきました。現在進められているモンバサ港のコンテナターミナルの拡充、道路、橋梁などはもちろん、モンバサの国際空港も日本の支援で完成したものですし、ディーゼル発電プラントもそうです。

池上

日本の国際協力で発展しようというモンバサに、今度は経済特区ができる、というわけですね。

野田

今後、経済特区が開発されることで、海外からの直接投資を呼び込むことが可能となります。そうなると、モンバサを拠点に、ケニアはもちろん近隣諸国全体の経済と社会のさらなる発展が見込めます。

池上

この経済特区では、どんな産業の誘致が考えられますか? 別項で紹介しますが、モンバサには日本のトヨタ、三菱ふそう、いすゞの自動車を組み立てる工場がすでにありました。たとえば自動車関連はどうでしょう?

野田

ケニアおよび東アフリカ地域の経済が発展していくと、日本車に対する需要はさらに大きくなると考えられます。部品をモンバサで荷揚げし、こちらで組み立てることで、価格を抑え、地域の自動車需要に応えることができます。自動車関連産業の誘致は大いに期待できますね。また、食品加工、アパレル関係の工場誘致も想定されます。こちらはケニア国内向けと海外輸出向け、双方の需要を見込めます。

池上

こうした構想もまず、港湾インフラの充実が第一歩ということになりそうですね。

野田

その通りです。

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