




アフリカが経済成長する上で絶対に欠かせない条件は主食となる穀類が自給できる農業革命の実現、です。
理由は3つ!
1 食料=主食の自給体制は、文明国家の必要条件
ヨーロッパ文明も、中国文明も、穀類の大量生産が可能な巨大農業の発達が土台となって成立しました。その恩恵を受けたアメリカや日本も同様です。主食となる穀類=米、小麦、トウモロコシ、大豆などの自給体制は、文明化する上での必要条件なのです。

2 主食の自給が安定しないと、物価が高いままで国際競争力を持てない
アフリカの多くの国では、主食となる穀類の多くを輸入に頼っています。このためアフリカの人々は高い食費に喘いでいます。結果、人々の賃金は安いのに、物価が相対的に高いため、工場を誘致しようとしても主食の自給率が高いアジアや南米などに比べてコスト競争力がありません。主食の自給率向上は、アフリカの経済競争力に直結するのです。
3 これから人口爆発するのはアフリカ。アフリカ大陸の食料生産が向上しなければ、世界的な飢饉に?
21世紀、人口が爆発的に増えるのは、若年層が多く、大きな経済成長が見込まれるアフリカ大陸です。そのアフリカの食料生産力が今のままでは、世界の胃袋を満たすことができなくなります。アフリカの農業革命は、世界の願いでもあるのです。
アフリカ大陸の主食自給率向上に、日本はどんな手助けができるのでしょうか? アメリカは得意の遺伝子工学などを活用しアフリカに適した「種子」と「品種」を移入しようとしています。中国はコスト競争力を活かし、アフリカの荒地を次々と耕作地に転換しようとし、また自国で成果を挙げた改良品種の導入を試みています。
日本はといえば、世界でもダントツの力を持つきめ細かな農業技術の伝搬です。
持続可能な農業が実現できるように、日本の農業の知恵がいま、アフリカの大地に根付こうとしています。

いま、世界中で穀物が不足している!
2008年には世界的な穀物の価格高騰が起き、買い占めや暴動が多発!
このまま行くと世界は慢性的な穀物不足に襲われる!
![4つの理由 [1] アフリカを筆頭に世界人口が増加 [2] バイオエタノールなど穀物がエネルギー分野でも利用 [3] 地球温暖化の影響で干ばつなど異常気象が多発 [4] ところが穀物の生産量が追いついていない そこで、アフリカを、一大穀類生産の場に! すでにアフリカの穀物生産に熱い視線が世界中から注がれる。 アメリカ→ 種子ビジネスの展開などでアフリカに適した品種を普及、ビジネスの後押し 中国→ 自国の農業革命をそのままアフリカで展開](img/index_step2_img1.jpg)
![では、日本に何ができる? 農業技術の伝授で持続可能な農業を実現 [1] アフリカ各国で、ポテンシャルを活かしきれていないコメの生産を定着させ、合理的稲作の推進を入り口として農業の再活性化を図る。 [2] 東南アジアやブラジルなど他国で成功した農業指導を、アフリカでも行う](img/index_step2_img2.jpg)

モザンビークでは、いま、日本とブラジルがタッグを組んで、一大農業革命が実現しようとしています。
その名は「プロサバンナ」。舞台は、北部の街リシンガ市とインド洋に面したナカラ港を結ぶナカラ回廊沿いの平原地帯です。

地域の主食であるトウモロコシやキャッサバを大規模に生産して安定供給できるようにしよう。
大豆などの商業作物をたくさんつくって、農家が現金収入を得られるようにしよう。
この地域を一大穀倉地帯に育て上げ、貧困の解消と食料の安全保障を果たそう。
「プロサバンナ」は以上の目的を果たすための農業改革プロジェクトです。では、そこでなぜ、日本とブラジルとがモザンビークの農業改革のお手伝いを?
実は1970年代からの日本の国際協力で、ブラジルの「不毛の地」とされたセラード地帯が一大農業生産地地帯に変わり、ブラジルがアメリカと並ぶ世界最大の穀物輸出国になった経緯があるのです。セラードでは、穀物以外にも、コーヒー、棉、果樹・野菜、サトウキビなど多様な作物を生産しています。
プロサバンナは、ブラジル・セラード地帯での経験と教訓を参考に、モザンビークの開発に貢献しようという事業です。幸いなことに、ブラジルとモザンビークは母国語がポルトガル語で意思の疎通も不自由しません。ブラジルの専門家がモザンビークの農業関係者や農民を指導するのにうってつけです。
モザンビークが一大農業国になれば、国民は食に関する心配がなくなり、物価が下がって経済競争力が生まれます。穀物をはじめ商品作物を増産することで、いずれ農業を輸出産業にすることも可能となります。
今後50年、世界人口が最も増加する地域はアフリカ大陸です。主食を自給し、将来的には輸出できる体制をとろうとするモザンビークの農業の現場は、アフリカが豊かになるための先進事例。その現場を、取材しました。

アフリカの赤道直下の国ケニア。みなさんのイメージは、ライオンやゾウやキリンが闊歩する、典型的なアフリカ、でしょう。
ところがそのケニアでは、コメの生産に力を入れているのです。
ケニアの稲作の歴史はとても古い。なんと16世紀からスタートしています。
そんなケニアで、いま日本がコメ作りのお手伝いをしています。
首都ナイロビから北に110キロ、標高約1,200メートルの涼しいムエア地域では、日本の技術協力で一大稲作地帯ができあがりました。ケニアのコメの国内生産の6割以上をこのムエア地域が占めています。
とはいうものの、ケニアのコメの自給率は20%を切っています。コメだけではありません。穀物の自給率が低いままだと、国内の食のコストがかさみます。
結果として人件費が高くなってしまうため、ケニアのようにこれから海外から産業を誘致しようと考えている途上国にとっては、大きなハンデとなります。
また、食料安全保障の観点からも、主食となる穀物の自給率を上げるのは、国家として必須課題。2007年から2008年、世界規模で穀物価格が高騰したときは、アフリカをはじめ世界各地で食料不足を原因とする暴動や争乱が起きました。
日本はケニアをはじめアフリカ諸国でコメの生産量を倍増させるプロジェクトを立ち上げました。
コメの自給体制が、ケニアの明日をつくる。
田んぼから、農家、農業組合、精米所、販売店、ショッピングモール、そしてご家庭の食卓まで、私がルポを行いました。
ごらんください。