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それでは実際にコンテナターミナルの拡張工事の現場に向かってみましょう。この港の工事を請け負っているのが、日本の東洋建設です。港湾技術を活かして、急ピッチで施工を行っています。2011年から業務にかかわっている同社の金子正登さんにご案内いただきました。

池上

ただいま、船に乗って、港の沖から工事現場に向かっています。作業船からものすごい勢いで真っ白な砂が吹き出されて、どんどん積もっていますね。何の作業をやっているのですか?

金子

あれは湾内からインド洋に出て沖合の海底から砂を採取してきて、その砂を使い、コンテナターミナル予定地の埋め立てを行っているところです。現場付近の海底地盤は柔らかい粘土層が堆積しているため、ある高さまで埋め立てが進んだ段階で日本が得意とするPVDという地盤改良工法を使って水分の排出を早め、地盤の圧密を促進していく計画です。これでしっかりした埋立地ができます。2016年までに35ヘクタールのコンテナターミナルを完成する予定です。

池上

新設するターミナルの処理能力はどの程度のものですか?

金子

本工事で建設しているコンテナバースNO.20、NO21の処理能力は、年間で45万TEUほどになります。これで、モンバサの荷裁き能力は格段に向上します。

モンバサでは今、日本の技術を導入してこのように港の能力を向上させようとしています。

池上

隣では中国もコンテナバースを建設していますね。

金子

コンテナバースNO.19はもうすぐ完成しますが中国企業が施工しています。当然、施工、技術面で比較されるでしょうから、今回私たちが請け負っている工事の注目度も非常に高い、と認識しています。品質のよい設備を工期内にできるだけ早く完成させ、ケニアと東アフリカ経済の発展に貢献するのが目標です。

池上

港湾周辺の道路開発なども予定されているとか。

金子

はい。今後、モンバサ港周辺の道路開発、それから経済特区開発、さらにさまざまなインフラ事業が計画されているそうです。私たちが得意とする港湾建設技術を核に、それぞれの事業に貢献したいと思っています。

池上

ケニアで工事現場を請け負っていて、どんな点に留意していますか?

金子

ケニアでは、ここまで大規模な港湾事業の施工は数十年ぶりだそうです。このためケニア国内には、発注者をはじめ港湾工事の施工経験のあるエンジニアがほとんどいません。

池上

それは大変ですね。日本の技術移転力が問われそうです。

金子

その通りです。今回の工事を通じて地元の人たちに日本の技術を習得してもらい、ケニアに港湾工事技術の移転ができれば、と考えています。

池上

ほかにどんな苦労が?

金子

私たちは港湾設備の拡充を請け負っていますが、工事に際して、まさに現在の港湾物流の限界に直面しております。この工事で使用する資材、作業船、重機などは、ケニア国内では調達が難しいため、日本からはもちろん、シンガポールなど第三国からの輸入に頼らざるを得ません。

が、さきほどのJICAの野田さんの話にもありましたように、資材や重機を載せた船がモンバサ港に到着しても、コンテナバースやヤードが慢性的に満杯なので、すぐに荷揚げができず、貨物を引き取るために相当の日数がかかり、工程の進行とコスト管理に影響が出ています。身を以て、本事業の意義と重要性を再認識していますね。

池上

開発は端緒についたばかりですが、モンバサは地政学的に有利な場所であるうえに、海外からの熱い注目も集めています。大航海時代の中世から500年経った今、インド洋に面した新興国が世界経済を引っ張ろうという時代に、モンバサは再び歴史の表舞台に立つことになりそうです。

SUPPORTED by JICA
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