コージェネ7つの疑問

Q5 コージェネはカーボンニュートラルに貢献できる?

Q5 コージェネはカーボンニュートラルに貢献できる?
2024年11月27日(水)公開
 

コージェネもカーボンニュートラルの時代へ

 コージェネの燃料は現在は天然ガス等の化石燃料が主流ですが、水素・アンモニア・合成燃料(e-methane)バイオマス等の脱炭素燃料へと移行していくことで、カーボンニュートラル社会においても継続して使用していくことができます。

コージェネもカーボンニュートラルの時代へ

 

 

脱炭素燃料とは?

■ 水素

 2017年12月に策定された「水素基本戦略」の中で、水素は様々な領域で究極的な低炭素化が可能であること、コージェネシステム等における水素混焼も含め導入拡大を図っていくことが示されました。

 2023年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」では、アンモニアと合わせて水素は、発電・運輸・産業など幅広い分野で活用が期待され、自給率の向上や再生可能エネルギーの出力変動対応にも貢献することから安定供給にも資する、カーボンニュートラルに向けた突破口となるエネルギーの一つである、と位置づけられています。水素は燃焼してもCO2を発生しないのでカーボンフリーな燃料と言えます。

 一般に、化石燃料から製造した水素は製造時にCO2を発生することから「グレー水素」と呼ばれますが、発生したCO2を回収し貯留や利用する技術と組み合わせた水素は「ブルー水素」、再生可能エネルギーを利用して水電解で製造した水素は「グリーン水素」と呼ばれます。

水素

出典:経済産業省資料を基にコージェネ財団にて作成
 

■ アンモニア

 「水素基本戦略」においてアンモニアは水素キャリアの一つとして位置づけられる一方、発電や船舶等への展開が図られています。

 経済産業省「燃料アンモニア導入官民協議会」の“中間取りまとめ”(2021.2)では、発電用途のみならず工業炉用途やコージェネでの技術確立も視野に入れた開発を行うことが目標とされています。

 2023年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」でも、水素と合わせてアンモニアは、カーボンニュートラルに向けた突破口となるエネルギーの一つである、と位置づけられました。水素と同じく燃焼してもCO2を発生しないカーボンフリーな燃料と言えます。

 アンモニアは単位質量当たりの発熱量が水素や炭化水素より小さく、燃焼速度も遅いため燃えにくい性質があり、発電向けでは石炭火力への混焼や大型ガスタービンでのアンモニア分解燃焼での利用が検討されている一方、コージェネ適用の観点では中小型ガスタービンでのアンモニア直接燃焼の研究開発が進められています。

アンモニア

出典:経済産業省資料を基にコージェネ財団にて作成
 

■ 合成燃料

 経済産業省「合成燃料研究会」の“中間取りまとめ”(2021.4)では、合成燃料とは、CO2(二酸化炭素)とH2(水素)を合成して製造される燃料と定義されています。

 製造から利用までの全プロセスにおいてトータルでCO2排出がゼロの燃料はカーボンニュートラルな燃料となります。メタネーションにより製造される合成メタン(e-メタン)等は気体合成燃料であり、フィッシャー・トロプシュ(FT)合成反応により製造される液体合成燃料では、再エネ由来の水素を用いる場合e-fuelと呼ばれます。

 合成メタンは、経済産業省グリーン成長戦略にて2050年の都市ガスカーボンニュートラル化に向け、2030年に既存インフラに1%注入、2050年には90%注入を目指すことが目標に掲げられています。

 またe-fuelは、現在使われているガソリンや軽油等の代替燃料として、またそれら化石燃料へ混合し利用することで低炭素化に貢献できるものです。

 いずれもコージェネ向け内燃機関や燃料電池にも適用可能なカーボンニュートラル燃料になると考えられます。

合成燃料

出典:経済産業省資料を基にコージェネ財団にて作成
 

■ バイオマス燃料

 生物資源(バイオマス)を原料とした燃料で、燃焼で発生するCO2は植物が吸収し生物資源を再生産するため全体でみるとカーボンニュートラルな燃料です。

 バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称でバイオ《生物》とマス《量》を合わせた造語です。

 活用方法として、下水汚泥・食品廃棄物・畜産廃棄物・農業廃棄物等を生物化学的変換(嫌気性発酵等)、熱化学的変換(熱分解ガス化)によってメタンガス化しガスタービン、ガスエンジンや燃料電池で熱電供給する方法、木質廃材・廃棄物・林地残材のチップ、ペレットや製紙黒液をボイラにて直接燃焼し蒸気を生産し蒸気タービンによって電力を得る方法、そして廃食用油等を原料とした液体のバイオ燃料をディーゼルコージェネに利用する方法等があります。

 近年都市部では、食品廃棄物から発生させたバイオガスを燃料として利用し、廃棄物の有効活用と発電・熱利用による省エネ性向上を両立させたコージェネの導入事例が増加しています。

バイオマス燃料

出典:経済産業省資料を基にコージェネ財団にて作成
 

 

【参考】
一般財団法人 コージェネレーション・エネルギー高度利用センターのウェブサイト
「脱炭素燃料について」

水素

アンモニア

合成燃料

バイオマス燃料