コージェネ7つの疑問

Q7 コージェネはどこで使われている?

Q7 コージェネはどこで使われている?
2026年3月25日(水)公開
 

 コージェネは、高効率で優れた省エネ性や経済性、レジリエンスなどの観点から、これまで様々な場所で普及が進んできました。

 昨今では、オンサイトでの分散型電源としてエネルギーセキュリティへの貢献についても高く評価されてきていて、先進的な導入事例や取り組みも数多く実現しています。 近年の優れたコージェネ活用事例をご紹介します。

 

 

民生用

■ 事例1 麻布台ヒルズへの導入事例(東京都港区)

 虎ノ門麻布台地区(麻布台ヒルズ)において、高い環境性能と非常時における事業継続性に優れたシステムをコンセプトとしたエネルギー供給プラントを整備した。本プラントは、大型コージェネ(以下、CGS)を核とし、CGS排熱を有効利用するシステム、大規模温度成層型水蓄熱槽、そしてAI技術を活用したCGS・熱源の最適運転制御システム(以下、AI活用EMS)を導入している。

 また、特長として、コージェネ-リチウムイオンバッテリー- ディーゼルエンジン発電機(以下、CGS-LiB-DG)連系という先例のない自立分散電源システムを構築し、レジリエンス機能の強化を図った。これにより、平常時の高い省エネ性能と経済性に加え、災害時における電力・熱の供給において安定した100%供給能力を確保している。

・強靭なレジリエンス性能を実現するCGS-LiB-DG連系
・AI活用EMSと徹底した排熱利用による高効率化
・エリア全体での省エネと電力系統への貢献

麻布台ヒルズへの導入事例(東京都港区)

麻布台ヒルズへの導入事例(東京都港区)

※コージェネが供給できる電力・熱を商用系統から給電・熱源機から熱供給した場合と比較した時のエネルギー削減率
 

【参考】
⼀般財団法⼈コージェネレーション・エネルギー⾼度利⽤センターのウェブサイト
「導⼊事例検索」

https://www.ace.or.jp/web/introductory/DocFile/Org/20260218132403_70_jiGazou2.pdf#view=Fit

 

 

民生用

■ 事例2 新さっぽろエネルギーセンターへの導入事例(北海道札幌市)

 札幌市の副都心構想に基づき開発された新さっぽろ駅周辺地区において、新さっぽろエネルギーセンター(以下、EC)は2022年6月より運用を開始し、街区内の病院、商業施設、ホテル、タワーマンションの計7施設に電力、冷温水、蒸気を一括供給している。

 本ECでは、エネルギー供給の中核として定格出力1,271kWの高効率コージェネを2台導入しており、発電効率43.1%、総合効率83.8%を実現(寒冷地特性を活かした融雪用ロードヒーティングへの排熱利用により、2024年2月には総合効率88.0%を達成)し、街区年間電力需要の74.1%を賄う主力電源として機能している。

 また、地域エネルギーマネジメントシステムを導入し、製造設備の最適運転計画に加え、蓄熱槽や需要家側の空調まで踏み込んだ調整を実施することで、地域の省エネおよび低炭素化を推進するとともに、逆潮流可能なコージェネとの連携により、街区外の再生可能エネルギー電源の出力変動の調整にも寄与する。

 災害による停電発生時においては、コージェネがブラックアウトスタート機能を有しているため、計画時の街区ピーク電力の約60%および熱需要の100%を供給可能であり、レジリエンスの強化が図られている。燃料は耐震性の高い中圧ガス導管から供給され、災害時のエネルギー自立性を強化している。

新さっぽろエネルギーセンターへの導入事例(北海道札幌市)

新さっぽろエネルギーセンターへの導入事例(北海道札幌市)

※コージェネが供給できる電力・熱を商用系統から給電・熱源機から熱供給した場合と比較した時のエネルギー削減率
 

【参考】
⼀般財団法⼈コージェネレーション・エネルギー⾼度利⽤センターのウェブサイト
「導⼊事例検索」

https://www.ace.or.jp/web/introductory/DocFile/Org/20260218132259_61_jiGazou2.pdf#view=Fit

 

産業用

■ 事例3 味の素九州事業所での改善事例(佐賀県佐賀市)

 味の素グループは、気候変動への対応を重要課題の一つとして捉え、2030年度に温室効果ガス排出量(スコープ1・2の合計)を2018年度比で50%削減することに取り組んでいます。さらに、2050年度までに温室効果ガス排出量を正味ゼロ(ネットゼロ)とするカーボンニュートラルを目標として設定しています。

 ネットゼロに向けた活動として、既設のボイラータービン発電の老朽更新とC重油から都市ガスへの燃料転換のため、ガスタービンコージェネを新規導入しました。

 工場への電力供給は、新設ガスタービンからの発電で賄い不足分は系統より買電します。高効率運用を実現するには、年間を通じてガスタービンを高負荷に保つことが必要である一方、ボイラー伝熱可変システムを採用し部分負荷時でも高効率運転を実現しました。

 また、環境負荷の観点からNOx排出量の少ないかつ将来に向けて水素混焼へ改造可能なガスタービンを選定しました。排熱ボイラーは事業所の蒸気負荷に応じて40t/hと設定し、高効率ガスタービンの導入により、年間平均総合効率93.4%を実現し、CO2排出量は31%削減しました。

 カーボンニュートラルに向けたトランジション期におけるコージェネの1 つの在り方を具現化しました。

味の素九州事業所での改善事例(佐賀県佐賀市)

味の素九州事業所での改善事例(佐賀県佐賀市)

※コージェネが供給できる電力・熱を商用系統から給電・熱源機から熱供給した場合と比較した時のエネルギー削減率
 

【参考】
⼀般財団法⼈コージェネレーション・エネルギー⾼度利⽤センターのウェブサイト
「導⼊事例検索」

https://www.ace.or.jp/web/introductory/DocFile/Org/20250227172029_65_jiGazou2.pdf#view=Fit

 

 

産業用

■ 事例4 日清オイリオグループ横浜磯子事業場における事例(神奈川県横浜市)

 日清オイリオグループは、国内に4つの製造拠点を有しており、2030年に目指す姿として「日清オイリオグループビジョン2030」を制定し、Scope1、2におけるCO₂排出量50%削減の達成に向け活動を進めている。

 横浜磯子事業場はマザーファクトリーと位置付けられているエネルギー使用量が最大の製造拠点である。従来より8MW級ガスタービンコージェネ1台を運用し省エネを推進していたが、工場単独での個別最適では効果が限定的となることから、全社レベルでエネルギー供給体制の見直しを行った。4つの製造拠点のうち熱需要が大きい横浜磯子事業場および名古屋工場に8MW級ガスタービンコージェネを1台ずつ新増設し、それらの拠点間および他拠点(堺工場、水島事業場)へ電力を融通する仕組みを構築した。電力融通を実施することで、蒸気需要が一定以上あれば電力需要によらず高負荷率で連続的に発電することができ、効率的かつ安定的な設備運用が可能となった。これにより、エネルギーの全体最適を実現し、全社で17%のCO2削減を達成した。

 さらに、水素Ready(水素インフラが整備され次第水素利用が可能な状態)の早期確立を目指し、横浜磯子事業場の既設ガスタービンコージェネを水素混焼対応型ガスタービンコージェネへと更新した。ガスタービンと燃焼器だけでなく、補機類の容量や盤配置等も含め水素混焼率30vol%に対応可能な仕様とし、将来の更なる混焼率向上(最大60vol%)にも配慮した計画としている。

日清オイリオグループ横浜磯子事業場における事例(神奈川県横浜市)

日清オイリオグループ横浜磯子事業場における事例(神奈川県横浜市)

※コージェネが供給できる電力・熱を商用系統から給電・熱源機から熱供給した場合と比較した時のエネルギー削減率
 

【参考】
⼀般財団法⼈コージェネレーション・エネルギー⾼度利⽤センターのウェブサイト
「導⼊事例検索」

https://www.ace.or.jp/web/introductory/DocFile/Org/20260218131820_12_jiGazou2.pdf#view=Fit