ツールによるストレートコンバージョンは
品質に問題
大手ベンダーが相次いでメインフレーム撤退を表明し、メインフレームの保守コストも年々アップしている。レガシー言語を扱えるエンジニアも退職や高齢化でますます希少になった。このままレガシーシステムを維持することは、もはや限界に近づきつつあるといえるだろう。
こうした「レガシー問題」を先延ばして我慢していると、事態はさらに深刻になる。「我慢の限界に達すれば、雪崩を打った『移行パニック』を招いてしまいます。そうなると需要の急増に供給が追い付かず、モダナイゼーションしたくてもできなくなる可能性すらあります。一刻も早く手を打つべきです」とソフトロードの大橋 順二氏は警鐘を鳴らす。
レガシーのままではデジタルトランスフォーメーション(DX)も進まない。メインフレームやオフコンの世界に閉じ込められたシステムは、デジタル技術やクラウドネイティブ技術との連携が難しい。パフォーマンスやセキュリティー、保守性、拡張性の点でも問題がある。
そのモダナイゼーションはインフラだけでなく、システムのオープン化まで考える必要がある。「モダナイゼーションの目的は、単にレガシーを脱却するだけではありません。業務を変革し、新しいデジタル技術に対応して付加価値向上を図ることです」と大橋氏は訴える。
システムのモダナイゼーションはツールを使って行う手法が主流だ。中でもストレートコンバージョンツールは広く使われている。しかし、そこには課題もあるという。例えば、COBOLからJavaへのコンバージョンを行った場合、COBOL文法などのレガシー要素が多く残されてしまい、Java化したのにCOBOLの知識もないと理解できない。COBOL機能を無理にJava化するため、Java技術者にも分かりにくい。データ構造はほぼレガシーのままで、データ分析も難解だ。
「ストレートコンバージョンは、レガシーを改悪した『JaBOL』になります。COBOLとJavaの両方が分かる技術者が必要になってしまうのです。性能、保守性、可用性も元のCOBOLより劣ります」と大橋氏は指摘する。何とか使い続けても、次の更新時期には「JaBOLという怪物」を対峙してくれるベンダーはいない。お手上げになるのは、時間の問題だ。
変換ツールだけに問題があるわけではない。テストは、画面やJOBを1/3以下しか行わず、顧客から提供されたデータの範囲のみ。さらに困難な総合テストは顧客や保守ベンダー任せでどうしても粗くなり、性能問題も残ってしまう。(図1)。「品質コントロールを十分に行えないことも大きな問題です」と大橋氏は続ける。
知識注入型AIによる
言語変換やテストを自動化
高品質で安全かつ効率的なモダナイゼーションを実践するには、どうすべきか。この実現に向けてソフトロードが提供するのが「システムリフォーム」である(図2)。
図2 システムリフォームの概要
変換条件を整備する「分析ツール」、COBOLやPL/ブラックボックス化したシステムから必要資産のみ移行する。新技術の導入や機能の追加・改善も可能。レガシー資産をモダナイズし、DXの推進を支える先端IT基盤へと進化させる
「最大の特徴は、AIによってシステムを構築することです」と大橋氏は語る。まずこれまでの実績によりレガシーの言語やDB文法などがAIに知識注入されている。これにより、処理内容を把握するわけだ。
次に顧客の要望や移行ルールを学習させる。高保守性のソース変換、RDB、CSVへの構造変換、指定フレームワーク変換、性能改善など多様なルールを注入することが可能だ。これを基に、AIが変換していく。
レガシー系およびオープン系の主要な言語、OS、DBをカバーし、多様な変換パターンに対応。特殊言語/DBの移行、データのRDB化、フレームワーク変換など、難しいと言われている移行も可能だ。
「既存システムをAIで再構築することで、人手による移行作業に比べ、格段に高品質・低コストで、リスクの少ないモダナイゼーションを実現できます」と大橋氏は強みを述べる。属人性を排除できるため、保守性も向上するという。
多彩なテストツールで、変換後の新旧比較テストや本番の再現比較テストを行い、数百から数千に及ぶ技術ポイントに基準値以上テストを行う。「テスト工数を大幅に削減できる上、高い業務機能品質を実現できます」と大橋氏は続ける。
さらに新技術の導入や機能追加・改善なども対応ができ、運用に必要な仕様書の再生も可能。また移行前の既存システムの資産をツール分析し、不足資産、不要資産、重複資産、正味資産が把握できる、棚卸し・スリム化も単独サービスとして利用可能だ。
もちろんパブリッククラウドへの移行も可能でAWSとモダナイゼーション・パートナーシップを締結している。これによりレガシーインフラからAWSへの移行を、よりシームレスかつ安全に行える。クラウド環境はAWS以外にもMicrosoft Azure、Google Cloud Platformへの移行ニーズにも対応可能だ。
生産計画システム、販売システム、業務管理システム、SCM基幹システム、工事積算システムなど基幹システムのクラウドへの移行実績も豊富にある。
通常のシステム開発より
はるかに高品質で低コスト
システムリフォームの品質の高さは、数字が如実に物語る。JUAS(日本情報システムユーザー協会)が定義する納品後バグ密度の標準目標は0.25だが、システムリフォームの過去実績はすべてこれを下回り、ほとんどが0.10.05以下かゼロ。開発コストもJUASの新規開発平均であるKL(キロライン)当たり86万8000円を大きく下回り、その多くが20万円以下だ。
こうした高品質・低コストを支えているのが、充実した研究開発体制とサポート体制だ。約40人の専任研究者が日夜AI技術を駆使してツールの開発と機能強化に取り組んでいる。ユーザーのサポートは460人を超えるプロパー専門技術者のほか、約1700人ものパートナー企業のエンジニアがきめ細かく対応する。
2001年の設立から800プロジェクト以上の開発実績を有し、出光興産、日産自動車、日本航空、ソフトバンク、京セラ、TOTOなど日本企業トップ200社中、60社以上で採用されているという。
老朽化システムのモダナイゼーションにはスクラッチ開発という方法もあるが、ブラックボックスを解析したり、膨大なロジックを人が設計・開発したりしなければならず、高コスト・高リスクで開発も長期化する。この課題解決にシステムリフォームを採用する企業も多い。
「システムリフォームを活用すれば、お客様は業務機能改善、DXの検討・推進、自己研鑽など本来やるベきことに注力できます」と大橋氏は力を込める。実際、繊維メーカー大手のユニチカは業務フローを可視化したことで、新技術の連携がスムーズに行えるようになり、基幹システム上でRPAを活用・管理する仕組みを実現。業務のデジタル化を加速させている。また、住宅設備機器大手のTOTOは再構築資産を分析し、資産規模を82%以上削減。再構築コストを大幅に圧縮し、資産の見える化により保守性も大きく向上した。
レガシー問題を脱却するためには、モダナイゼーションが不可欠である。しかし、真の価値はその先にある。ソフトロードはAIによるシステム構築イノベーションをリードし、失敗しないモダナイゼーションとDX推進基盤の両立を強力に支援していく。
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