ローコード/ノーコードソフトウエア開発
Claris International
スモールスタートが成功の秘けつ
ローコードでアプリ内製化を加速
岐阜車体工業では車両製造の作業教育を支援する「電子要領書」などの業務アプリの作成にClarisのローコード開発プラットフォーム「Claris FileMaker」を活用している。プログラミング経験のない担当者がスモールスタートでプロトタイプをつくり、ユーザーと二人三脚でカスタムアプリの内製化を加速することで、現場主導のDXを推進している。
岐阜車体工業株式会社
ものづくり推進部
担当員
冨田 紀良 氏
日本を代表する自動車メーカー、トヨタの車体製造を担う岐阜車体工業も、人手不足や高齢化という日本の製造業が直面する課題と無縁ではなかった。特に、車両の製造工程での技術伝承に課題を感じていた。そのような時にものづくり推進部の冨田紀良氏はFileMakerと出合い、体験版をダウンロードしてアプリ開発に挑戦した。「私はプログラミングの経験もありません。プロトタイプを作成したところ、製造現場の評価も高かったため本格的にFileMakerでのカスタムアプリ開発を始めました。このプロトタイプが技術伝承を簡単にできる人づくりツール『電子要領書』でした」。電子要領書は、製造現場でタブレット端末を用いて作業のポイントを確認できるというもので、音声や動画も使ってスタッフの作業教育を支援する。
「電子要領書」に続き、カイゼンを促進する「棚能力アプリ」、製造品質のDXとなる「車両検査指摘システム」などを相次いで開発した。製造現場の声を聞きながら機能追加を行うことで、カスタムアプリはより使いやすいものへと進化している。
例えば部品を収納する棚の能力を改善する「棚能力アプリ」の場合、社内の開発者が現場を視察し、ユーザーが気付かない改善点などを見つけ、ユーザーが要求する以上の機能を盛り込んだカスタムアプリの内製化を実現した。「内製開発だからこそ、ユーザーの要求が分かり、変更内容についてもお互い簡単に確認できます。その結果、わずか数日でアプリができました。現場を知らない外部のベンダーではこうはいきません」と、冨田氏は自社でのローコード開発の利点を強調する。
開発者とユーザーの二人三脚で
業務アプリをつくりDXを推進
業務のDX化を進めたいが、何から手を付ければいいのか分からないという声も聞かれる。冨田氏は次のように助言する。「スモールスタートすることです。開発側も活用側も何がベストなシステムなのか初めは具体的に分かりません。そこで、FileMakerを使ってプロトタイプをつくり、ユーザーに使ってもらいながら現場の意見を取り入れて機能を改良します。つまり開発側とユーザー側の二人三脚で業務アプリをつくっていくイメージです」。これにより、現場を巻き込みながら自主的なデジタル活用が広がり、現場主導のDXを推進できる。
岐阜車体工業では複数の部門でカスタムアプリを活用するようになり、一般の社員の間でも「自分たちでアプリを開発したい」という声も上がっている。そこで冨田氏が社内で説明会を開催したり、社外の体験セミナーに参加する社員が出てきたりするようになったという。
また、アプリのユーザーが画面レイアウトやボタン配置などの画面設計を行い、開発者がスクリプトなどを作成するハイブリッド開発が実現すれば、もっと簡単により良いカスタムアプリをつくれ、人材育成にも役立つとみている。FileMakerを活用したカスタムアプリの内製化により、DXを推進する岐阜車体工業の取り組みが注目されている。
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