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SX/DX/GX Summit Review
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パネルディスカッション 東京大学大学院×メルカリ

生成AIなどの先進技術を駆使した
データ活用のさらなる加速がGXのカギ

企業の間で生成AIの業務活用が加速している。一方、GX推進の観点からは、Scope3のCO2排出量についての情報開示が求められるなど、企業は難問に直面している。この状況について、日経BP総合研究所の杉山俊幸をモデレータに、東京大学大学院の越塚登氏とメルカリの石川佑樹氏が語り合った。

越塚 登 氏
東京大学大学院
情報学環
教授
越塚 登
石川 佑樹 氏
元株式会社メルカリ
執行役員 VP of Generative AI / LLM
石川 佑樹

 日本最大のフリマサービスの提供で知られるメルカリでは2023年5月に生成AI/LLM専任チームを発足。「ビルディング(Building)」と「エネブリング(Enabling)」という2つ局面でこれら技術のビジネス活用を推進しているところだ。

 まずBuildingは、プロダクトを構築することによる顧客価値創出を目指したもので、手始めとしてSEOにかかわる効率化に着手。「メルカリの検索結果画面のタイトル情報をLLMで生成して、SEOのスコアを向上させていくという取り組みで成果を上げています」とメルカリの石川佑樹氏は紹介する。

 また「メルカリAIアシスト」と呼ばれる機能の提供も進めている。「こちらは、メルカリ上に蓄積された過去の履歴をAIが分析して、出品者に対してよりよく商品を売れるようにするための商品名や商品説明の提案をしてくれるというものです」と石川氏は言う。

 また一方のEnablingは、メルカリの従業員全員が生成AI/LLMの技術を使いこなせるようにする取り組みだ。業務情報を入力可能な環境を整備したうえで、GPT-4やGoogle Gemini、Anthropic Claude 3のモデルを利用できるような仕組みも整備している。

 「ハロウィンの時期に渋谷のスクランブル交差点で流す広告クリエイティブ(動画)を、生成AIを活用して製作するという試みも実施しています。人が作ったものに比べて、より高いコンバージョンレートが得られるという成果も上がっています」と石川氏は言う。

業界内、業界横断のかたちで
データ交換を担うインフラ整備が進む

 メルカリのフリマサービス自体、製品のリサイクルに貢献するという意味でサステナブルな取り組みだが、こうしたデータ活用が企業におけるGXの推進の根幹をなすものとなることは、ぜひ認識しておく必要がある。

 東京大学大学院の越塚登氏は「すでに時代は、サプライチェーンを通じたScope3のCO2排出量にかかわる情報開示が求められる段階ですが、上流から下流までの全プロセスを通じてのデータ交換をベースに複雑な計算をしていく必要があります」と説明する。

 例えば環境関連の規制が進む欧州においては、自動車業界の「Catena-X」に代表されるような、業界内あるいは業界をまたがるかたちでの標準データ基盤の整備が加速している。同様のデータスペースを構築していこうとする取り組みは、すでに日本でも着手されている。例えば越塚氏が会長を務める一般社団法人 データ社会推進協議会(DSA)が進める「DATA-EX」や、経済産業省が牽引する「Ouranos Ecosystem(ウラノス・エコシステム)」がよく知られている。

 「いずれのプロジェクトも分野や業界を超えて、安心してデータ交換が行える仕組みを目指しており、Scope3にかかわるCO2排出量の積算や欧州において強化が進む各種規制に対応していく上でも役立てていけるものとなっています」と越塚氏は語る。こうしたGX推進にかかわるデータインフラの整備は、今後の企業の活動により大きなインパクトを与えることになるだろう。

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