エンタープライズDX
サイボウズ
AI活用に向けたデータ基盤の整備に
貢献するノーコードツール
企業には、生成AI(人工知能)の活用を踏まえたDX戦略の練り直しが求められている。そこで重要なテーマとなるのが、AI活用を可能にする“AIレディ”なデータ基盤の整備である。その取り組みにおいて有効な手立てとなるのが、サイボウズが提供するノーコード・ローコードツール「kintone(キントーン)」の活用だ。すでに多くの企業がkintoneを利用してAI活用を加速させている。
サイボウズ株式会社
製品戦略室
兼 エンタープライズ事業本部
テクニカルエバンジェリスト
山下 竜 氏
これまで企業ではDXに向けた投資を積極的に行ってきた。しかし、実現されているのはせいぜい業務プロセスの電子化による効率性の向上などにとどまっており、組織横断のデータ連携など本質的なトランスフォーメーション(変革)につながる成果には至っていないというケースも少なくない。「生成AIの登場によりDXが転換点を迎えており、AIの活用でトランスフォーメーションを実現すべきタイミングに来ています」とサイボウズの山下竜氏は指摘する。企業には、生成AIの活用を踏まえたDX戦略の練り直しが求められている。
AIエージェントの年と言われている2025年、企業の生成AI利用は業務データを組み合わせた活用に向かっている。AI活用には構造化されたデータが必要であり、その成否のカギは信頼できるデータを整備できるかどうかにかかっている。「例えば業務で多用されている表計算ツールは自由度の高さもあってデータの『型』が崩れやすく、非構造化データになりがちです。具体的には、“2025年10月16日”といった日付を意図した項目に、“10月中旬”といった文字列で入力できてしまったりします」と山下氏は説明する。
そこで有効な手立てとなるのが、ローコード・ノーコードツールといった、いわゆる市民開発ツールの導入だ。要はそうしたツールを利用して、そもそものデータ入力時点からデータ型を含めた構造化を行う仕組みを用意し、データを論理的に整理するメダリオンアーキテクチャーなどにのっとって最終的にAIに提供する“AIレディ”なデータを整えるのだ。
サイロ化は“悪”か?
個別最適でのスピード感は大切
「ここでポイントとなるのが、やりたいことが複雑化、大規模化しないように留意しながら、サイロ化を恐れることなく、プロジェクト単位の個別最適で取り組みを進めていくことです」と山下氏は強調する。AI活用をめぐるスピード感と柔軟性を求める上では、垂直統合や個別最適、サイロ化を必ずしも悪と捉えるべきではないということだ。個別最適で作ったものを時間が経つのに任せて放置し、全体として拡張性や、連携性を失って、置き去りになってしまっている状態こそが、悪手と捉えるべきサイロ化であり、そこは運用の中で随時解消していけばよい。
サイボウズが提供する「kintone」は、あらかじめ定めたデータの型をバリデーションする仕組みによって、入力時点からのデータ品質と構造化を担保できる市民開発ツールだ。実際に企業のデータ戦略の中でkintoneを使って社内に散在するデータを収集し、ETL(多様な形式のデータを変換し統合管理する仕組み)による加工も行いながら、品質が担保されたデータ基盤の構築に役立てている事例も出てきている。
「このお客様のケースでは、従業員の間にデータ品質の重要性に対する意識が醸成される副次的効果も得られていて、『データリテラシーの向上に向けた良い教科書になっている』とのご評価もいただいています」と山下氏は紹介する。
最近では、純正のAI機能が搭載されるなど、AI活用に向けたデータ基盤整備の領域で、kintoneへの期待が高まっている。

