URLフィルタリングやサンドボックスといった既存のセキュリティー対策は、ネットワークに流れるデータの内容を判別して脅威を止めるもの。そのため、ブラウザ上で起きていること自体を捉えることはできない。
この点を突いた攻撃も登場している。例えばHTMLスマグリングという手法では、ファイルをダウンロードさせるのではなく、ファイルをバラバラにしてWebページに隠し、ブラウザ上で動的にファイルを生成することでマルウエアをエンドポイントデバイスに送り込む。ネットワーク上では異変が起こらないため、既存の対策で検知することは難しいという。
「セキュリティー対策をネットワークからブラウザにシフトすることが求められています。ブラウザで実際にどのようなデータが生成され、実行されているのかを捉えることで、脅威がデバイスに悪さをする前に対処するのです」と寺田氏は言う。
そのためのソリューションとして、Menlo Security が提供するのが「セキュアエンタープライズブラウザ」だ(図2)。Google ChromeやMicrosoft Edgeなどのローカルブラウザでの操作を、同社が提供するセキュアクラウドブラウザ経由で実行する。このセキュアクラウドブラウザの状況を一元的に可視化することで、インターネット経由の攻撃からユーザー、アプリケーション、データを保護するものである。
最大の特徴は「分離(アイソレーション)」を基本としたアーキテクチャにある。あらゆるコンテンツのダウンロードと実行・処理を、エンドポイントデバイスと分離されたセキュアクラウドブラウザ上で行うため、たとえ攻撃が実行されてもデバイスが被害にあうことはない。
デバイスに専用ブラウザをインストールするタイプのブラウザセキュリティー製品は、汎用ブラウザをエンジンに採用していることが多くある。そのため、それらのブラウザ自体に脆弱性が見つかると、保護は不十分なものになってしまうという。「我々のアーキテクチャであれば、そのようなことは起こりません。非常に強力なブラウザセキュリティーの手法だと自負しています」と寺田氏は説明する。