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JX金属

半導体金属材料の総合メーカーへ

生成AIで飛躍的に進化する世界を
高純度な金属材料で支える

半導体ウェハーの配線形成に欠かせないスパッタリングターゲットで世界トップシェアを誇るJX金属。半導体製造に欠かせない「材料」に強みを持つ日本企業として世界各地に生産拠点を持ち、近年は幅広いラインナップの次世代半導体材料の開発にも力を入れる。

半導体のチップは、ウェハーの表面にナノレベルの薄膜を重ね、微細かつ複雑な配線パターンを構築することで作られる。この薄膜の形成手法のひとつがスパッタリング法※1であり、そのために用いるのが高純度の金属でできた円板状の「スパッタリングターゲット」だ。スパッタリングターゲットには極めて高い品質が求められる。膜の厚みが均一でなかったり、不純物や異物が混入したりすると設計通りの正確な配線を形成できず、製造不良に直結するためだ。

※1 スパッタリング法…薄膜を形成するプロセスの一種で、真空状態の装置内でスパッタリングターゲットにアルゴンイオンを衝突させ、放出したターゲット原子/分子をシリコンウェハーやガラス等の基盤上に付着させることで、薄膜を形成する技術

1905年創業のJX金属は、日立鉱山での銅鉱石の採掘からスタートした。現在では、最先端の材料の製造を、鉱物資源の確保から一貫して行っている。長年培ってきたその技術力は高く、99.9999%と極めて高純度の銅材料をはじめとして、様々な高純度の金属材料を安定的に供給できる。

同社副社長の菅原静郎氏は「不純物を徹底的に排し、均一性をとことん追求した当社の高品質なスパッタリングターゲットは、半導体の歩留まりをよくすると多くのお客様に評価されています」と語る。

JX金属 取締役 副社長執行役員 技術本部長 プロジェクト推進本部長 菅原静郎氏

JX金属 取締役 副社長執行役員 技術本部長 プロジェクト推進本部長 菅原静郎氏

半導体材料として銅が注目されたのは2000年頃のこと。半導体の微細化が進む中、従来材料のアルミニウムでは通電時の発熱に耐えられなくなっていた。しかし、銅は熱に強く導電率も高い一方で、成分がシリコンに染み出しやすいという致命的な弱点があった。しかしながら、当時最先端を行く米国半導体メーカーが、安定性に優れたレアメタルであるタンタルを銅とシリコンの間に挟むことで、銅成分の染み出しをバリアする技術を確立。以来、半導体の配線の多くは銅とタンタルがセットで利用され、同社はいずれも鉱山から加工まで一貫して携わる。

JX金属グループが生産する各種半導体材料

JX金属グループが生産する各種半導体材料半導体チップにおいては積層化の進む「多層配線層」と、より微細な「トランジスタ層」の両方を支える材料をカバーするとともに、データ演算需要の飛躍的な増加とともに注目が集まるパッケージング工程に用いられる材料を網羅的に扱う

高度な技術で成膜材料の
いかなるニーズにも応える

米国アリゾナ州の新工場

米国アリゾナ州の新工場。2024年より試運転を開始している

スパッタリングターゲットは、マザー工場である磯原工場(茨城県北茨城市)で生産するが、最終的な機械加工は、米台韓の各拠点でも行う。「お客様の近接地に供給拠点を持つことで、迅速な納入やサポートを実現しています」(菅原氏)。JX金属は磯原工場を補完する日立北工場や新たなマザー工場であるひたちなか工場を新設中のほか、米アリゾナ州の新工場も試運転を開始している。

「生成AIの爆発的な普及で生成AI用チップのニーズが高まっています。現在はまだサーバー用が主流ですが、2024年後半以降、徐々にスマートフォンなどのデバイスへの普及も予想され、今はそれに応える体制を整えています」(菅原氏)

半導体は微細化とともに多層化も進む。最先端のロジック半導体は20層にもおよぶ。世界中で熾烈な開発競争が展開される中、こうした最先端半導体の配線でも、広く利用されるのはやはりコスト面で有利なスパッタリングターゲットだ。一方で、微細化と多層化の進展により、どうしてもスパッタリングでの形成ができない、細く深い箇所の配線も増える。このような箇所にはCVD※2・ALD※3というプロセスが強みを発揮する。半導体の成膜プロセスは、スパッタリングとCVD・ALDを組み合わせて品質とコストが最適化されている。JX金属はスパッタリングターゲットとCVD・ALD向けの材料を併せて総合的に提案・供給できる体制の構築を進めている。

※2 CVD(Chemical Vapor Deposition)…化学気相成長法の略。化学反応を活用して薄膜を形成するプロセス
※3 ALD(Atomic Layer Deposition)…原子層積層法の略。原子層レベルで膜厚を制御して薄膜を形成するプロセス

「スパッタリングターゲットの事業で培ってきた高純度化の技術や品質管理の手法が、CVD・ALD向けの材料にも活きてくると考えています」(菅原氏)

JX金属の材料が用いられる半導体の成膜方法

JX金属の材料が用いられる半導体の成膜方法先端半導体では複数の成膜方法の組み合わせにより、品質とコストの最適化が図られる。JX金属は、スパッタリング、CVD・ALDそれぞれに用いられる高純度な金属材料の供給を行う

半導体の「黒子」が今
日本経済の一翼を担う

生成AIは、その学習で求められる処理量とスピードが桁外れに大きく、データセンターの内部で、大量の先端半導体が格納されたサーバー同士が、膨大なデータを瞬時に連携し合うことで実現される。そこで、電気信号による伝統的なネットワーク技術に代わって光通信技術が注目されている。大陸間の海底ケーブルなどに用いられてきたこの技術をデータセンター内部でも利用する動きが加速している。そこで必要となるのが、光と電気を変換する受発光素子だが、ここにはインジウムリン(InP)という化合物半導体が用いられる。JX金属はInPの研究を1980年代から行ってきた。近年急激に需要が伸び、年率約20%の成長を続けているという。

「日本には半導体関連材料や装置に強みを持つ企業がたくさんあります。当社もそのうちの一社だと自負していますが、これまではあまり表舞台には立たずに、どちらかといえば黒子に徹してきました。しかしながら今は、競争力を持つ産業を担う一員として、私たちの姿を幅広い方々に伝え理解してもらいながら、挑戦をし続け成長を遂げていくことで、半導体関連産業、ひいては日本経済の持続的な成長に貢献してまいりたいと考えています」(菅原氏)

銅、どう?
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Contents

総論

真に必要なのは、半導体業界の「外」を知る人材「周回遅れ」からの起死回生へ
社会変革を担う人材は九州で育つ

野村マイクロ・サイエンス

「水」の利用が絶えることはない卓越した超純水技術で
半導体の洗浄工程を革新

高砂熱学工業

クリーンとCO₂削減を両立し、半導体工場に導入拡大先進空調技術と自然原理を融合
時代が求めた空調システム

JX金属

半導体金属材料の総合メーカーへ生成AIで飛躍的に進化する世界を
高純度な金属材料で支える

新菱冷熱工業

ナノレベルの汚染物質を分析し可視化たゆまぬ技術開発で
除去率99.9%を目指す

オムロン

息づくベンチャー精神で世に先駆けた「顧客ニーズ」を実現進化を続ける半導体チップの
「高速・高精度検査」の両立に挑む

新日本空調

映像の直感性と独自画像処理技術による定量性に強み「100万分の1」の微粒子可視化へ
クリーンルームの清浄度を追求