

ヒューマンリソシアは、派遣・転職・人材紹介を手掛ける総合人材カンパニーだ。「なりたい自分を思い描き、道筋をつけて、進んでいく」、そのために活動する人材を応援することで、求職者と企業に貢献している。
同社の中核ビジネスである人材派遣事業は、1万人を超える派遣スタッフを常時抱えている。「毎月、一定数の入退社が発生するため、年間では延べ数万人にも上るスタッフの労務管理業務の効率化が大きな課題でした」と同社執行役員の井元 道由氏は振り返る。さらに、就業時間や残業時間の算出方法は派遣先ごとに異なる。1社でさえ大変な労務管理業務を、派遣先の企業数だけ合わせて対応する負担は大きく、本来の業務の妨げとなっていた。
もちろん、労務管理のためにスクラッチ開発した基幹システムはあったのだが、その周りにはシステムの処理対応外となる業務が多く、結局は人手で紙の帳票やExcelを使い処理していたという。
「複雑な業務を人手で処理するため、ミスや差戻しが多発していました。また、法改正や社内制度の変更の都度、基幹システムの改修が発生するため、多くの時間とコストがムダになっていました」と井元氏は言う。
そこでヒューマンリソシアは、更改に莫大なコストを要する基幹システムには手を加えず、周辺の非効率な手作業をクラウドサービスに集約してシステム化するという、組み合わせの形を決断した。
サービス選定に当たっては約30ものクラウドサービスを比較し、大きく4つの観点から絞り込みを行った。最終的に選択したのが「クラウドハウス」だ。
選定観点の1つ目は「システムの柔軟性」だ。標準の申請以外に、ヒューマンリソシア独自の営業担当者が起点となる申請など、多様な業務に対応できることが不可欠だった。「クラウドの導入では、自社の業務を標準形に合わせるFit to Standardが重要だといわれます。しかし、当社の場合は派遣先の業務に合わせる必要があるため、業務の多様性を確保できることが必須要件でした。クラウドハウスだけは、これまで紙で処理せざるを得なかった標準以外の業務までシステム化できると確認できたのが最大のポイントです」と井元氏は強調する。

これについて、Techouse 執行役員の中川 拓也氏は次のように語る。
「業務の違いは各社の競争優位性の源泉でもあります。クラウドハウスはクラウドサービスでありながら、サービス標準を押し付けることなく、お客様特有の申請に柔軟に対応するバランスを大切にしています」
観点2つ目は「データ連携が容易」なことだ。既存の基幹システムを生かしつつ、周辺課題をクラウドサービスで解決するためには連携が不可欠である。
「新規のご相談の中には、せっかくクラウド化したのにデータ連携できず、クラウドで回収したデータを基幹システムにわざわざ手作業で移しているといったお悩みもあります」(中川氏)
ヒューマンリソシアでは、データ自体は基幹システムに集約する構成にすることで、将来的なデータ利活用まで見据えているという。
3つ目は「サポート体制」だ。「ほかのクラウドサービスは、『マニュアルを見て自分で構築してください』というスタンスでしたが、クラウドハウスだけは専任のカスタマーサクセスが、構築プロジェクトをリードすることまでサービスに含まれていました」(井元氏)。基幹システムとの連携まで支援するなど、実効性のあるサービス内容が魅力的だった。
最後に4つ目、「トータルコスト」である。リリース後の法改正への対応や、自社都合の制度変更に伴う対応まで基本価格に含まれているため、トータルコストを大きく抑えられると評価した。
(導入前)様々な申請が、それぞれ異なる手段で事務担当者の元に送られてくるため、その処理に多くの工数がかかっている。(導入後)窓口をクラウドハウスに一本化するとともに、申請を従業員のセルフサービス型にすることで、事務担当者の工数を大きく削減できる
実際に、基幹システムで対応できず負担となっていた業務がシステム化された例を1つ紹介しよう。
「外国籍スタッフの入社申請」では、最初に管理者がシステム上で対象者に向けて必要な情報の入力やアンケートの提出の依頼操作を行う。依頼操作はメニューからテンプレートや項目を選ぶだけで済む。
外国籍スタッフは、依頼が届くと、スマートフォンから回答入力を行う。在留カードやヒューマンリソシア独自の誓約書もシステムに添付できるようにし、紙の手続きを排除した。さらに日本語以外の言語にも対応、これはクラウドハウスの柔軟性が生きたポイントといえるだろう。
「書類の準備や回収に要する時間が50%も削減されました。特にシステム連携により、紙の書類を回収して情報を手入力する時間と手間を削減できたことは大きいです」と井元氏は満足感を示す。
今回の導入成功を受け、ヒューマンリソシアはクラウドハウスの適用範囲をさらに拡大する計画だ。社内に残る100種類以上の帳票・申請がターゲットだという。
「人材サービス業界は人材の争奪戦が激化しています。デジタルネイティブ世代に魅力的な会社だと感じてもらうためにも、デジタル化された効率的な業務環境の整備が急務、一層のDX推進を図っていきます」(井元氏)。クラウドハウスが新たなDXプラットフォームとなり、取り組みを強力に支えていく。
承認プロセスの追加・変更、業種・職種特有の資格情報の登録、アンケート作成など、ユーザーごとのニーズに対応できる点はクラウドハウスの特徴だ。人材派遣業界特有の申請にクラウドハウスだけが対応することができた
