

デジタル技術を活用してビジネスや組織を変革する。DXの推進は重要な経営アジェンダだが、成果が上がらないという企業は少なくない。
原因の1つがIT人材不足だ。経済産業省の「DXレポート」によれば、国内のIT人材は2030年に約45万人不足するという。「また、日本のIT人材は7割がベンダー企業に所属しているため、多くの企業がベンダー依存の状態にあります。その結果、ウォーターフォール型開発による遅延やコスト増を避けられずにいるのです」とドリーム・アーツの佐々木 侑佳氏は指摘する。
どのようにすれば、外部への依存度を下げて「DXの内製化」を推進できるのか。カギを握るのが、業務部門が主体となってデジタル化を進める「デジタルの民主化」である。
「DXの内製化を実現するためには、業務部門が主体となって課題解決や価値創出に取り組める環境を整えることが重要です。IT部門や外部ベンダーに依存するのではなく、現場自らが業務改善を進め、その成果を継続的に拡大していく。そうしたデジタルの民主化を実現することが、持続的なDX推進の基盤になります」と佐々木氏は述べる。
そして、その取り組みを加速させるのがAIである。AIを一部の部門や担当者だけでなく組織全体で活用することで、現場主導の継続的な改善と価値創出が可能になる。
ドリーム・アーツは、業務部門の主導によって組織的AI活用を実現するためのソリューションを提供している。それが「SmartDB Practical AI」(以下、Practical AI)だ。
その名の通り、実務的・実践的・実用的なAIを、誰でも使える簡単さで現場に提供する。AI利用に不可欠なガバナンスやコンプライアンスを担保しつつ、企業独自のルールや組織知を活用したAI環境を実現。「これにより、業務データや業務プロセスにAIを“溶け込ませる”運用が可能です」と佐々木氏は言う。
このPractical AIの力を最大限生かすための基盤が、大企業の業務デジタル化クラウド「SmartDB」だ。SmartDBではWebデータベース、業務プロセスに加え、大企業に求められるユーザーや組織のマスタ管理などもノーコードで実装できる。この基盤の中にAIが自然に溶け込むのだ(図1)。
図1 堅ろうな業務デジタル化基盤 SmartDBとAIの融合
データ・業務フロー・権限管理を備えたSmartDBで、安全なAI活用を実現
なお、Practical AIは「プロンプトデータベース」という、独自のルールや組織知をAIプロンプトとして事前に定義しておける機能を有している。これを使えば、現場がAIを使うたびにプロンプトを書く必要はなくなるという。
「企業固有の業務プロセスの中で、AIが自然に機能する状態を実現できます。AIで利用するプロンプトは、業務を深く理解した社内のプロンプトデザイナーが定義し、継続的に改善します。ユーザーはプロンプトを意識する必要はなく、日常業務の中で自然にAIの支援を受けることが可能。これにより、個人のプロンプト作成スキルに依存することなく、組織全体で安定した品質のAI活用を実現できます」(佐々木氏)
活用シーンの1例が、稟議書や契約書などの作成・承認だ(図2)。書類作成者向けには入力補助や記載内容の抜け・漏れチェック、承認者向けには専門家視点のコメントや確認すべき観点のサジェストなど、それぞれに必要なサポートをAIが提供する。まずはDXの内製化により業務のデジタル化を推進し、その上でPractical AIを活用することで、意思決定の高速化を実現する。また、Practical AIは非IT人材でも育成・改善できるため、現場主導で継続的にAIを進化させることが可能だ。
図2 書類の作成・承認プロセスにおけるPractical AI活用例
顧客企業の独自ルールや組織知を事前に定義したAIプロンプトデータベースを基に、起案者/承認者それぞれの作業を様々な角度からAIがサポートする
加えて、ビジネス現場でAIを活用する際に気になるのがセキュリティーである。Practical AIは、SmartDBの緻密な権限管理やアクセス制御をそのまま適用できるため、利用者の権限を越えてAIが情報へアクセスすることはない。企業のガバナンスを維持しながら、安全なAI活用を実現可能だ。また、トークン利用量の管理や利用状況のモニタリング機能も備えており、AI利用に伴うコストを可視化・管理できる。
「AIの利用状況を可視化し、組織全体の活用傾向の把握や利用料の予測にも活用できます。AIを組織的に運用するためのガバナンス強化やコスト管理に役立ちます」と佐々木氏は付け加える。
AIの効果を最大化するには、そもそも土台となるデータの質が重要なため、「構造化データ」を整備することが欠かせない。AIは、ばらばらの文書や属人的な情報よりも、項目やルールが統一された構造化データを利用するほうが、より精度の高い回答や判断支援が可能になるからだ。
SmartDBがその基盤になる。業務をノーコードでデジタル化する過程で、入力情報は標準化され、業務データとして蓄積される。同時に、申請・承認などの業務プロセスもデジタル化されるため、AIはデータだけでなく、業務の流れやルールを踏まえた支援を行える。
既に多くの企業がSmartDBを使ってビジネス価値を得ている。その1社がKDDIだ。
「KDDIでは、全社1万人以上が利用する稟議書システムをSmartDBで刷新しました。業務部門の担当者が主体となって構築したもので、まさに『デジタルの民主化』を体現した事例です。また、申請データを構造化して蓄積することで、AIが活用しやすい基盤づくりも進めています」と佐々木氏は紹介する。
DX内製化を実現するには、業務のデジタル化だけでなく、AIを組織全体で活用できる仕組みづくりが欠かせない。SmartDBとPractical AIは、その両方を支える基盤となる。
局所的なAI活用から組織全体へ広げるなら、ドリーム・アーツの提案が大いに参考になるはずだ。
