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Questel

グローバルの知見と日本人チームの「いいとこ取り」

世界の“AI弁理士”を操り
特許出願競争を勝ち抜く

特許は出願の早い者が権利を取得する。出願スピードと質を劇的に変えるのがAIだ。知財分野の技術リーダーQuestel(クエステル)は「AIラボ」を設立。最先端の研究を重ね、実務に役立つAIを自社製品・サービスに搭載する。導入を支援するのは、実績豊富な同社の日本人チーム。まさに隙のない体制だ。

「欧州に出願した特許の拒絶理由に対し、反論や修正を行う応答案を書いてほしい」。依頼先は、人間ではない。世界各国の言語を操る“AIエージェント”だ。開発したのは、知的財産分野において、エンドツーエンドで利用できるモジュール型ソリューションを統合的に提供するグローバルリーダー企業Questel。同社の知財AIは、経験豊富な法務アドバイザー、専門性の高い知財調査アシスタント、あるいは技術開発の専門家など、人格や役割、応答トーンなどを細かく定義。ユーザーが入力するプロンプトの前に、開発元によるシステムプロンプトが設定され、信頼感や親しみやすさを醸成する。

「あなたは欧州の特許分野に精通した敏腕弁理士です」。同社のAIエージェントに役割を命じると、提供された文書に含まれるデータと情報のみに基づいてそれにふさわしい人格、知識、情報、応答トーンなども自動的に指示される。「知財特化の磨き抜かれたシステムプロンプトとエージェント型AIワークフロー、そして優れたIPデータと統合IPサービスは、他社との差別化要因となっています。現在は日本語版のインターフェースができており、2026年中に日本向けの機能もさらに追加される予定です」とQuestel Subject Matter Expertの中井将人氏は話す。

著名なAIチャットボットよりも早く、Questelは提供する特許・商標業務向けAIアシスタント「Qthena」にシステムプロンプトを採用。24年に日本市場リリース以来、大手製造業をはじめ導入企業が相次ぐ。「他社と比べて優れた回答が返ってくることで効率化に加え、自分が考える時間を持てるとの評価をいただきました」(中井氏)

(写真左から)Questel 日本統括マーケティングマネージャー ガルシア・イネス 氏、Subject Matter Expert 中井将人 氏、代表取締役社長 長谷川恵 氏

「AIラボ」で研究・検証
実用的な知財AI活用をけん引

■図1 Questelのソリューションデータ基盤、専門家人材、知財AI、ワークフロー自動化など、知財業務に関するソリューションを包括的に所有、開発し提供する

QuestelはAIの登場以前から、知財分野における技術リーダーとしての地位を確立していた。同社は特許や非特許文献(科学データなど)、商標・意匠に関する構造化及び整理されたデータへの即時アクセスを提供するとともに、統合された知財管理システムや、国際出願から年金までを網羅する知財サポートサービスも開発。「知財検索、分析、管理、更新など知財のライフサイクル全体を支援するソフトウエアとサービスを提供する、世界最大規模のソリューションプロバイダーです(図1)」と代表取締役社長の長谷川恵氏は話し、付け加える。

「知財業務にはAIや自動化の得意領域が多くあります。当社は社内に『AIラボ』を設立し、その可能性の研究・検証にいち早く着手しました。AIラボでは研究者が常に市場に存在するAIを検証し、当社ツールへの搭載可否を判断しています。26年には、当社製品群に共通搭載しているAI検索エージェント『Sophia』を新しいAIモデル『QaECTER』で強化。これでユーザーは、キーワードの完全一致だけでなく、関連する技術情報も取得できるセマンティック検索を実行可能になりました。またAI特許検索モデルのパフォーマンスを評価すべく、長年蓄積したデータを基に大規模ベンチマークを開発しました」

企業が知財AIを独自開発するのは容易ではない。Questelは調査、ウオッチング、管理、国際出願、翻訳、権利移転登録など、知財業務に合わせてAIを組み込んだソフトウエアを提供。導入企業は、機密性が保たれた環境の下ですぐに利用しメリットを享受でき、トレーニングを受けられる。運用開始後も伴走型でサポート。各ツールを1つのプラットフォームで使えることも同社のアドバンテージだ。

「運用効率化、窓口一本化、コスト抑制に加え、システム連携でさらなる効率化も実現できます。例えば知財管理システムで案件登録されると、自動で年金管理へ連携され、登録・更新・支払いがスムーズに行えます。各業務のAIエージェントが連携することで自動化領域の拡大も図れます」(中井氏)

82%がAI活用を拡大予定
経験豊かな日本法人が支援

■図2 知財分野におけるAI活用状況65%の企業が既にAIを活用と回答。今後も利用予定はないと回答した企業はわずか2%にとどまる

■図3 2026年の知財AI利用の見通し8割超の企業が利用を増加、さらに過半数は「大幅に」増加する見通しだ

■図4 知財業務に求められるAIエージェント人の手が介在しない完全自律型よりも、専門家による監督の下で挙動するAIエージェントが必要とされる

国内外企業は知財AIにどう取り組んでいるか。Questelがグローバルで実施した『IP Industry Outlook 2026』※1について、同社日本統括マーケティングマネージャーのガルシア・イネス氏は言及する。

「調査の結果、知財AIの導入や需要の水準が一段と高まっていました。具体的には65%が社内でAIツールを利用し、ポジティブな影響を受けています(図2)。また82%が26年に知財分野でのAI活用を拡大する予定で、かつ『大幅に』拡大予定との回答は半数に及びました(図3)」。また「ヒューマン・エキスパート・イン・ザ・ループ」※2への支持が集まったことも印象的だ(図4)。知財分野において、人とAIの融合がさらに求められている。

■図2 知財分野におけるAI活用状況65%の企業が既にAIを活用と回答。今後も利用予定はないと回答した企業はわずか2%にとどまる

■図3 2026年の知財AI利用の見通し8割超の企業が利用を増加、さらに過半数は「大幅に」増加する見通しだ

■図4 知財業務に求められるAIエージェント人の手が介在しない完全自律型よりも、専門家による監督の下で挙動するAIエージェントが必要とされる

世界を相手に特許出願競争を勝ち抜くために、グローバル知財管理パートナーと組む意義は大きい。一方、国内企業の実情や文化を踏まえた知財戦略がグローバルにおける優位性ともなる。「Questel日本法人の母体は、国内特許サービスをリードしてきたNRIサイバーパテントです。コンサルティングからシステムの立ち上げ、運用、機能拡張、ヘルプデスクまで日本人チームがサポート。スムーズな構築、安心の運用、質問やご要望に対するレスポンスも迅速です。業界の世界的技術リーダーと、国内企業を知り尽くした日本法人が連携し、AI時代の知財戦略を支援していきます」(長谷川氏)

※1 2026年1月から3月にかけて世界各国の500人以上の知財担当者を対象に実施した調査リポート。 
※2 完全自律型ではなく、専門職の判断をAIと組み合わせて自動化を実現する仕組み。

Contents

総論

知財で「最優秀賞」受賞、アシックスに訊く知財部門と事業部門
日常的コミュニケーションの真価

IP Bridge

大学の知財戦略が変われば、産学連携のあり方が変わる研究成果を世界へ展開
日本の大学が新たに挑む

アナクア

「IPトランスフォーメーション」で日本に再び競争力を日本の強みは「質」にあり
知財AIを突破口とせよ

Questel

グローバルの知見と日本人チームの「いいとこ取り」世界の“AI弁理士”を操り
特許出願競争を勝ち抜く

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