テラル
作業環境改善で人材確保を! 省エネ、省コストで実現
“暑い工場”は経営リスク
気流改革がもたらす三つの価値
2025年6月より職場の熱中症対策が義務化。熱中症から従業員の命を守ることは、経営責任を伴う事項となった。職場の中でもリスクが高いのが工場だ。空気制御のプロフェッショナル、テラルは気流で熱気と湿気を運び出す。施工性に優れ、すぐに効果を期待できることから導入企業が増えている。
熱中症はなぜ起こるのか。「高温多湿、風が弱い環境で、発汗による体温調節が機能せず体内に熱がこもることが要因です。発症リスクの高い職場が工場。空調のない工場も多く、熱を発する機械が密集してリスクをさらに高めています」と、テラルソリューション統括部ソリューション技術1部東日本空間技術課課長で、熱中症予防指導士の肩書を持つ竹内宏臣氏は警鐘を鳴らす。
テラル ソリューション統括部 ソリューション技術1部 東日本空間技術課 課長 竹内宏臣 氏
2025年6月から、熱中症対策は企業の努力目標から罰則付き法的義務に変わった。内容は体制整備、緊急時の手順書作成、関係者への周知など、熱中症の重篤化防止に焦点が当たる。しかし熱中症発症要因の回避こそが本質的課題であることに変わりはない。
2025年夏(6月~8月)の国内平均気温は、気象庁による1898年の統計開始以降で過去最高記録となった。注意すべきは気温だけではない。「熱中症予防目的の指標は気温に加え、湿度、輻射熱(日射等)の3要素から算出するWBGT(暑さ指数)です。熱中症対策義務化では、WBGT28度以上が対象となります。同じ気温でも湿度の違いでリスクは変わります」(竹内氏)
工場の熱中症予防は、暑熱対策との因果関係が大きい。大規模な工場内の高温多湿環境を改善するには、換気効率を上げることが重要だ。課題は、工場の壁面に設置された有圧換気扇だけでは中央に滞留した熱気を動かせないことだ。
引き合い件数が4倍増加
気流で熱気と湿気を搬送
「従来は熱気が出ている箇所に空気を搬送する管(ダクト)を配置し対応していましたが、コストが高く設置や保守が難しいことが課題でした。常識を覆したのが、当社の誘引ファンです。高速で空気を吹き出すことで周囲の空気を誘引し、気流を創出。気流により大量の風をまっすぐ送ることで熱気、湿気を有圧換気扇まで運びます。ダクトレスの誘引ファンは小型軽量で施工性に優れ、コストも抑制できます」(竹内氏)
熱気は上昇し、冷気は下降する。この自然原理を利用した暑熱対策をテラルは提案している。「人がいない天井付近の冷却は消費電力に無駄が生じます。誘引ファンで熱気を有圧換気扇まで届けて排出することで、工場のエアコンは人が作業するエリアを効率的に冷却できます(図1)」(竹内氏)
●図1 導入事例①「コンプレッサー室」誘引ファンの効果でコンプレッサーから生じる熱気を外へ排出。導入前は40~45℃の室内気温が32~37℃まで下がった
テラルでは、この10年で誘引ファンによる暑熱対策工事引き合い件数が4倍以上に増加。造船工場、車体製造工場、電力装置工場など製造業の幅広い分野で導入が進む。人材確保の観点から暑熱対策への企業ニーズも高まる。その効果は日本を代表するスポーツ施設で導入され、実証済みだ。「100台以上の誘引ファン※を設置し、風の通り道をつくりました。100年以上にわたり培った空気の制御技術が生かされています」
※同事例では「気流創出ファン」の名称で納入
井戸水による冷風システム
コスト削減、脱炭素に貢献
テラルの誘引ファンは、気流解析によるシミュレーションや、効果を確かめながらの部分導入など、設置がゴールではなく課題解決を重視。「お客様の声に真摯に耳を傾けることを、社内へ徹底しています」(竹内氏)
●図2 「水熱源温調システム」概要図年間通して安定した温度を保つ井戸水を活用した暑熱対策として提供。水の熱を空気に熱交換し、冷風を出す仕組み
熱中症対策では、スポット的に冷風を送り作業者の体感温度を下げることも効果的だ。テラルは井戸水を利用する「水熱源温調システム」(図2)を開発し提供。竹内氏は背景や仕組みを説明する。
●図2 「水熱源温調システム」概要図年間通して安定した温度を保つ井戸水を活用した暑熱対策として提供。水の熱を空気に熱交換し、冷風を出す仕組み
「工場において、融雪、トイレ、洗浄など、様々な用途で井戸水が利用されています。新たな用途として注目を集めているのが、井戸水を利用したスポット的な冷風システム。配管内を井戸水が流れ、外の暖気と井戸水で熱交換して冷風を供給。熱中症予防におけるエアコン以外の新しい選択肢です。水熱源温調システムは、エアコンに比べ消費電力を約1/3に抑えられ、ランニングコスト削減、脱炭素に貢献します」
誘引ファンと組み合わせれば、さらに効率的な暑熱対策を実現できる。「ある化学薬品製造工場では、誘引ファンと有圧換気扇により熱気を排出する一期工事を行い、改善効果が出ました。生産機械密集箇所の二期工事で、井戸水が余っているという情報を受けて提案したのが、水熱源温調システムとの併用でした。冷却空気を作業員に送風し、体感温度の低減を図りました(図3)」(竹内氏)
●図3 導入事例②「化学薬品製造工場」誘引ファンと有圧換気扇で熱気を排出。工場内には水熱源温調システムから冷風を発し、夏季は工場内温度が約50℃程度まで上昇する環境を省エネで改善した
2026年の夏も、猛暑多湿になると予測される。暑熱対策は今取り組むべき経営課題だ。「誘引ファンは既存建物を改修する必要なく、短期間で導入可能。すぐに効果を享受できます。また水熱源温調システムはもとより、外気を活用する外気処理空調システムなどお客様のニーズに対し最適な組み合わせを提案します」
テラルは気流で工場の熱中症要因を取り除き、企業の人材確保、人的資本経営に貢献していく。
卓越したエンジニアリング力 きめ細かな提案活動を展開▶ 改善のヒントを得る






