石崎 徹
専修大学 教授/日本広告学会 会長
第9回「日経BP Marketing Awards」の審査会に臨んだ。今回の審査も昨年に引き続き、評価の高いものから「グランプリ」「金賞」「銀賞」となった。今回も選りすぐりのエントリー作品ばかりで、純広、Web、タイアップ、多メディア展開など多様な展開方法が取られていた。個々の作品は丹念に作り込まれていて、内容も濃く、高いマーケティング効果を発揮している。一方で、デザイン性、インパクトは純広が強みを発揮し、企画力、理解度となると企画ものの評価が高くなる。どちらを取るか悩みどころであるが、「いいものはいい」というスタンスで審査を行った。
グランプリに輝いたのは、日経ものづくりに掲載された新東工業の「できる、ロボットへ」の純広である。豆腐を手にして包丁で切るのは、子どもの頃から母や祖母や、もちろん豆腐屋さんがささっとやっていたのを覚えている。よく手を切らないなと感心した。このビジュアルは、人が豆腐を手にして包丁を持ったロボットが的確に豆腐を切っている様を表現している。人間の手による繊細な力加減をまだまだロボットは再現できない中で、同社の6軸力覚センサーが、人間の力を得られることを見事に表現した作品である。さらにはボディコピーで「ロボットを進化させ、人手不足解消へ。」と社会的課題解決もうたっている点も心憎い。純広としての訴求力、クリエイティブ力、社会性を備えたバランスの良い作品と言えよう。








