愛媛県
企画振興部長
DXの推進に向けては、チームを束ねるリーダー、現場で手を動かすエンジニア・プログラマーなど、様々な経験・スキルを持つ人材を獲得・育成することが必要になる。人手不足が加速する現在、これを実現することは容易ではない。現状の課題について、愛媛県 企画振興部長の山名 富士氏は次のように話す。
「これまで地方自治体が抱えてきたIT人材はセキュリティー領域の専門家が多く、DXで求められる“攻め”のデジタル活用の経験が浅いことが多いです。このような人材の偏りは、私たちにとって大きな課題です」。採用を進めたくても、特に小さな基礎自治体では各領域のデジタル人材を個別に採用する余裕はない。そこで、都道府県や他自治体とも柔軟に連携しながら、人材の共同活用を検討することがカギになるという。
経済産業省
サイバーセキュリティ・情報化審議官
「また、自治体組織は予算や人の配置が厳密に決まっているため、スピード感を持って新しいことを始めるためには外部人材とのコラボレーションが重要になるでしょう。既存人材と外部人材の両方が、気持ちよく働ける環境を構築することが大切だと思います」と経済産業省の上村 昌博氏は続ける。愛媛県も、この外部人材とのコラボレーションは積極的に進めているという。
また、日本のDXの障壁になる課題として「人材の流動性の低さ」を挙げたのはYOUTRUSTの岩崎 由夏氏だ。
「欧米のデジタル人材は様々な会社に点在しており、人材の流動性も高いです。一方、日本のデジタル人材はIT企業に集中しており、流動性も低い。この差が、欧米と日本の経済成長の差を生む1つの要因になっていると当社は考えています」
株式会社YOUTRUST
代表取締役CEO
デジタル人材の中には、今、手がけている仕事以外にも様々な領域で活躍したいと考える人材が少なくない。そのような人材のモチベーションや経験・スキルをうまく取り入れることができれば、自治体のDXは大きく加速できるはずだ。
「実際、私の知り合いにも『副業/兼業で自分のスキルが生かせるならぜひ挑戦したい』という人が大勢います。転職を強いるのではなく、副業/兼業というスタイルを柔軟に取り入れることで、自治体がDX人材の不足を補うことも容易になるはずです」と岩崎氏は強調する。