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日経デジタルフォーラム デジタル立国ジャパン2024 Review
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YOUTRUST

SNSで転職潜在層に
アクセスし
デジタル人材不足を解決

デジタル人材の不足が深刻化する中、大きなポテンシャルを秘めた「転職潜在層」が注目されている。この転職潜在層をターゲットとした「キャリアSNS」を立ち上げるべく、2017年に創業し、「日本型キャリアのゲームチェンジャー」として旋風を巻き起こしているのがYOUTRUSTだ。同社設立の背景と事業概要について、代表取締役CEOの岩崎 由夏氏が語った。

大きなポテンシャルを秘めた
転職潜在層にフォーカス

株式会社YOUTRUST 代表取締役CEO 岩崎 由夏氏
株式会社YOUTRUST
代表取締役CEO
岩崎 由夏
 デジタル技術がもたらした産業構造の変化により、人材流動化が加速しつつある。

 「OECD全体では『勤続10年以上の従業員の割合が10%低いと、潜在成長率は1.4ポイント高い』(2016年10月17日『日本経済新聞電子版』)というデータがあり、『人材の流動性が高い国は潜在成長率が高い』ことを示しています。アメリカ人の平均転職回数は11.3回に上り、71%が働きながら常に転職先をリサーチしている状況です」と、YOUTRUSTの岩崎 由夏氏は語る。

 一方、日本の現状はどうか。平均転職回数は2.8回とアメリカに遠く及ばないが、終身雇用制の崩壊や副業解禁、労働力人口の大幅減少により、日本国内でも人材流動化が始まっている。転職市場は「超売り手」となっており、キャリアの主導権は「企業」ではなく「個人」の手に握られつつある。

 こうした中、「今すぐ転職したいわけではないが、自分にどんな選択肢があるかを知りたい」と考える“転職潜在層”が急増。その割合は労働力人口全体の約6割に上り、「よい話があれば話を聞いてみたい」と考える人が増えているのが実情だ。

 「従来の転職サイトや転職サービスでは、『転職する』と決めて登録しないかぎり、求人内容を知ることはできません。このため、今の仕事に全力投球しつつ、未来の自分にどんな選択肢があるかも知っておきたい、というニーズが叶えられる状況になかったのです」と岩崎氏は言う。

 日本には、従来の転職サービスではリーチできない巨大な“転職潜在層”が存在している。この層の人々が動き出せるかどうかが、日本経済の運命を分けるのではないか。そう考えた岩崎氏は2017年にYOUTRUSTを創業。転職潜在層にフォーカスしたキャリアSNS「YOUTRUST」を立ち上げた。

SNSのプラットフォーム上に
デジタル人材プールを構築

 同社のビジネスモデルは、BtoCの無償サービス「キャリアSNS」と、BtoBの「キャリア事業」「広告事業」の3本立て(図1)。その中核をなすのが、キャリアSNS、YOUTRUSTの運営だ。  ビジネス向けSNSとしてはLinkedInが広く知られているが、YOUTRUSTはいわばその日本版。ユーザーは自分のプロフィールを登録し、“ビジネス版Facebook”のような感覚で友人・知人やリクルーターとつながっていく。SNSを通じて人脈を広げ、そのネットワークを通じてキャリアの可能性を広げていく仕組みだ。ユーザーはプロフィール上で転職意欲や副業意欲を4段階で設定でき、それを随時更新していくだけで、キャリア機会を手軽に手繰り寄せることができる。

 「YOUTRUSTはSNSなので、コミュニケーションはカジュアルです。スカウトメールもLINEのようなチャット形式ですし、『今すぐ転職したいわけではないが、未来の選択肢としてその会社のことは知っておきたい』という場合に、該当企業からリアルな話が聞ける『カジュアル面談』も提供しています」と岩崎氏。プライベートな趣味嗜好の同じ人たちで集まるコミュニティ機能もあり、そこでの出会いが副業につながることもあるという。

 「チャットやコミュニティ、イベントなどを通じて、複合的なキャリアのネットワークを紡ぐ場所です。様々な人とつながって“ネットワークの貯金”をし、自分の転職・副業への意欲がポジティブになった段階で、新たな仕事のご縁が紡がれる。それがYOUTRUSTの世界観です」(岩崎氏)

 キャリアSNS上では人材のタレントプールが形成されるので、登録企業は人と人のつながりを通じて優秀な人材を採用することができる。こうした独自のプラットフォームを構築することで、求人効果と個人のキャリア機会を最大化しているのが、YOUTRUSTの最大の強みといえる。

デジタル人材不足を
解決するための最適解

 同社の事業のもう1つの柱となるのが、企業の採用活動を支援する「キャリア事業」だ。

 日本の転職市場が「超売り手」となっていることは前述したが、とりわけ深刻化しているのがデジタル人材の不足だ。DXの担い手となる優秀なデジタル人材を採用するのは至難の業で、業界を問わず、激しい争奪戦が繰り広げられているのが実情である。

 では、なぜデジタル人材の採用は難しいのか。その背景として、岩崎氏は4点を挙げる。

 1つ目は、優秀なデジタル人材がIT企業に偏在していること。2つ目は、人材紹介におけるエンジニア採用の費用が高騰していること。3つ目が、書類選考やスカウトに工数がかかること。4つ目は、せっかく入社しても早期退職する人が多いことだ。

 「YOUTRUSTは、国内でも多くのデジタル人材が利用しているSNSです。母集団の形成、採用コストの削減、採用効率の向上、定着率の改善に向けたソリューションとサポートを提供しています」と岩崎氏は語る(図2)。  登録ユーザーの中には転職潜在層も多いため、他サイトにはいない人材に出会えるのも、キャリアSNSの魅力だ。転職意欲の更新は随時行われるので、リクルーターは狙った人材の転職意欲が高まったタイミングで効果的にアプローチすることができる。

 現在の登録ユーザー数は25万人超。大手企業やメガベンチャー、外資系コンサルなどに勤める20 ~ 30代が中心で、CxOやマネジャークラスのデジタル人材も多い。また、求人企業としては、スタートアップやメガベンチャー、大手企業など1200社が登録している。

 「日本の転職市場は、人材紹介会社によるエージェント型からネットを活用するダイレクト型へと移行しつつあります。今後、人材流動化がさらに進めば、人と人のつながりから仕事が生まれるネットワーク型リクルーティングの世界に進むでしょう」と岩崎氏。

 同社はキャリアSNSという手法を駆使することで、転職潜在層という巨大な人材プールにアプローチする道を切り開いた。労働力減少への抜本的な対応が急がれる中、YOUTRUSTはデジタル人材不足の解決に向けた最適解の1つとなりそうだ。
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