わずか数カ月後に迫った
Windows 10のサポート終了
Windows 10のサポート終了日である2025年10月14日まで、残り半年を切った。PCメーカーのレノボが調査会社と行った調査※によれば、2024年3月末時点で、従業員1000人以上の企業におけるWindows 11への移行率は約70%。100人〜999人規模の企業では約55%となっていた。
同社は同様の調査を継続的に実施している。その推移からの予測では、1000人以上の企業で約17%、100人〜999人規模の企業で約27%のPCが、サポート終了時点でもWindows 10のまま残る計算になるという。
「サポート終了後は重要なセキュリティーパッチなども提供されなくなるため、Windows 10のPCは大きなセキュリティーリスクを抱えることになります。Windows 11の検討・移行にかかる期間は平均156日といわれており、もはや一刻の猶予もない時期に突入しています」とレノボ・ジャパンの元嶋 亮太氏は警鐘を鳴らす。
3つのステップで移行プロジェクトを
進めることが重要
それでは、限られた期間で失敗せずにWindows 11ヘの移行を進めるためにはどのようなアプローチが必要なのか。これについてレノボは図1の3つのステップを推奨している。
まずステップ1では、企業・組織内の端末を“漏れなく”可視化する。重要なのは、IT部門が把握している業務用PCだけでなく、管理対象外のPCがないかや、組み込み端末の数などもしっかりチェックすることだ。「例えば、倉庫にはバーコードスキャナーを使うためにオフラインで稼働しているPCがあるかもしれません。工場の片隅に、IT部門が把握していないPCが50台、100台あるケースも考えられます」と元嶋氏は述べる。
また、工場などの組み込み端末で、OSがWindows 10 LTSCの場合はライフサイクルが異なるため、最大2032年までサポートが提供される可能性がある。このように、組織内の端末を網羅的に可視化することで、対応範囲を正確に特定できるようになるだろう。
「端末の一覧表を作成する際は、動作しているアプリケーションとそのバージョン、CPUやメモリなどのスペックの情報も記入しましょう。これらが次のステップでの判断材料になるからです」と元嶋氏は追加する。
次のステップ2では、Windows 11移行に向けた選択肢を精査する。既存端末をアップグレードするか、端末を新規購入して置き換えるか、延長サポート(Extended Security Update:ESU)を契約して“延命”するか。利用状況などを基に端末ごとに選択することが肝心だ。
「ただし、ESUはあくまでセキュリティー更新プログラムのみを引き続き提供するもののため、最後の手段と考えるべきです。アップグレードまたは新規購入のいずれかを優先的に検討していただきたいと思います」と元嶋氏は話す。
アップグレードする場合、OSの最低要求水準を満たしているか、PCメーカーがWindows 11対応のドライバーを提供しているかなどのスペック面の確認が必要だ。例えば、5年前と現在では業務用PCに要求されるスペックが大きく変化している。市場に出回る製品も、一般的なメモリ容量は8GBから16GB、32GBへ変わりつつあるほか、カメラやWi-Fi規格も大幅に進化。生成AIなどのワークロードを考えると、最低動作要件を満たすからといって快適に動くとは限らない。PCの用途と併せて多面的に調べておくことが大切だ。
「また、新規購入の場合は、従業員への展開の効率化を図る上で管理方法に注目したいところです。現在の端末管理基盤はクラウド型が一般的です。Windows Autopilotを活用し、IT部門の負担を減らしながらユーザー体験を向上するモダンデプロイメントを検討するのがよいでしょう」と元嶋氏は説明する。
そしてステップ3で、ここまで選定したアクションを実行に移す。まずアップグレードを選択した端末では、既存のWindows 10フィーチャーアップデートの仕組みを活用するのが効率的だ。「多くの場合、Windows 11へのアップグレードはWindows 10のフィーチャーアップデートと同じスキームで行えます。現行の方法で対応できれば、コストも最小限に抑えられるでしょう」(元嶋氏)。
新規購入した端末では、先に紹介したクラウドベースの管理・展開(モダンデプロイメント)を活用して、効率的かつ速やかに従業員に展開することが重要だ。
評価項目や展開計画の策定を
支援するサービスも用意
またレノボでは、PCメーカーとしての専門知識を生かし、Windows 10からWindows 11への移行を計画する企業に向けた支援サービスを提供している。一例が「Windows 11アセスメントサービス」だ(図2)。
Windows 11自体の理解を深めるテクニカル・ワークショップから、評価・検討時の項目策定、技術的なフォロー、従業員への展開計画策定までを一貫してサポートする。「Windows 10からWindows 11への移行では、技術的な側面はもちろんのこと、ビジネス継続性やユーザー体験の観点でも考慮すべき点が多くあります。レノボはこれまでの経験を基に、お客様に最適な移行戦略をご提案することが可能です」と元嶋氏は紹介する。
さらに同社はモダンデプロイメントを支援するサービスも用意している。IT部門の人員が限られている企業にとって、Windows 11への移行は負担が大きいものだ。このようなサービスを利用することで、IT部門の負担を低減しつつ、スムーズに移行プロジェクトを進めることができるだろう。
「今、このタイミングこそがWindows 11への移行を安全に進めるための最後のチャンスです。紹介した3つのステップに沿って、ぜひすぐに行動に移していただければと思います」と元嶋氏は強調する。様々な情報にアクセスするエンドポイント端末は、多くのサイバー攻撃のターゲットになる。ビジネスの足元をすくわれないためにも、レノボの提案を検討してみることをおすすめする。
※「法人向け国内パソコン稼働台数の推移と予測に関する調査(2024年3月末)」レノボ、MM総研調べ



