荏原製作所

情報で総合力に磨きをかけ新たな価値創造で成長へ
技術×DXで総合力を発揮
顧客起点で課題解決に貢献

製品群の広さで総合力を武器にしてきた荏原製作所。創業112年を迎える2023年に大きな変革に乗り出している。新たな中期経営計画で顧客起点での価値創造を掲げ、マーケットインの思想で取り組む。卓越した製品群に、情報の武器を備えることで新しい価値を創造しようとしている。

1912年の創業以来、創業の精神である「熱と誠」*1で技術力と信頼性を強みに社会課題の解決に貢献してきた荏原製作所。創業112年目を迎える2023年、大きな変革に動き出している。

従来「風水力事業」「環境プラント事業」「精密・電子事業」の3事業だったセグメントを「建築・産業事業」「インフラ事業」をはじめ5つの事業セグメントに細分化した。1月からビジョンに沿って市場に向き合い顧客起点で価値創造を実現するために、製品軸から対面市場軸へ事業セグメントを変えた。

2030年度に向けた長期ビジョン「E-Vision2030」でマーケットインの視点で社会課題を的確に捉え、課題解決に貢献することで成長していくことを基本方針の一つとして掲げているためだ。

荏原製作所
執行役 建築・産業カンパニープレジデント
永田 修 氏

そして2月に発表した新しい中期経営計画のテーマが、顧客起点での価値創造だ。建築・産業カンパニーを率いる執行役の永田修プレジデントは「顧客視点で新たなソリューションを提供し事業の成長を目指したい」と意気込む。

建築・産業カンパニーはポンプ、送風機、冷凍機、冷却塔を扱い、ビルや競技場をはじめとした生活インフラや産業施設などに納入している。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の考え方に基づき、お客様からの脱炭素に向けた需要に応えるため、省エネや低環境負荷製品を切り口に高品質な空気や水を提供することに磨きをかける。

次なる挑戦は設備の保守や管理のDX(デジタル・トランスフォーメーション)だ。労働力人口減少のほか、運用コストも含めた総費用の低減が求められており、DXを推進することで応えようとする。「幅広い製品群を持つ我々の独自ポジションを生かし、モノづくりからコトづくりへ大きな一歩を踏み出したい」(永田氏)。導入から維持管理まで含めたストーリーをつむぎ、新たなビジネスモデルの創出を目指している。

1 自ら創意工夫する熱意で取り組み、誠心誠意やり遂げる心をもって仕事をすること。そして、何事も熱意と誠意をもって人に接すれば相手に通じないことはないという創業者・畠山一清の言葉。荏原グループに受け継がれるDNAの一部であり、この精神が社会に貢献する技術・製品・サービスを生み出す源泉である

2023年より5つの事業領域で、荏原は、技術で、熱く、世界を支えていきます

高まる省エネニーズに対応
インバータなど技術で解決

もちろんストーリーの完成度を高められるよう「技術で、熱く、世界を支える」というスローガンのもと、個別製品の技術力も磨いている。「ポンプ、冷凍機、送風機といった3つの製品群を幅広くそろえているのが我々の強み。総合力を磨いていきたい」(永田氏)。マーケットインの考えに基づき、お客様が求める要望に耳を傾け製品を進化させてきた。各製品群の特徴を省エネやカーボンニュートラルへの貢献の視点で見てみよう。

まず、ポンプは創業から110年以上研さんしてきたコア技術が武器だが、省エネへのニーズが高まり、それに応える技術を磨いてきた。具体的にはポンプ内の羽根車の形状を工夫し効率を向上させたり、高効率なモータの採用やインバータを活用して、使用状況に合わせ回転数を制御するといったことだ。「計画時の流量や配管抵抗の計算には不可避な余裕があることが多く、この部分を活用し省エネにつなげたい」(担当者)。提案活動を専門に担う「サービスソリューション営業課」を立ち上げ、お客様の要望を吸い上げることに力を入れている。

■ノンフロン高効率ターボ冷凍機
低GWP新冷媒R1224yd(Z)採用。不燃性、低毒性を両立し、環境性に優れる

ターボ冷凍機は耐用年数が長いため、お客様が安心して使えることに注力する。地球温暖化係数の小さい低GWP*2冷媒を用いた製品を提案するだけでなく、稼働中の製品に対しても新冷媒へ転換する「レトロフィット」を展開している。フロン排出抑制法の適用外となり管理者の手間が省けると同時に、地球温暖化係数が1000分の1以下に減らせる。大型設備のため、30年以上同じ機器を使う顧客も多くある。定期的なメンテナンスやオーバーホールで機器の状態を維持した上で、時代に合った冷媒に転換することで長寿命化と同時に地球環境への貢献を実現している。

送風機はビル内の空気をきれいに保つために欠かせない。各部屋の天井裏などにファンを設置し個別換気する方式に需要が高まっている。インバータモータを搭載するなど、さらなる省エネに向けて開発が進んでいる。

2 GWP(Global Warming Potential):地球温暖化への影響を示す係数。二酸化炭素を1として、他の温暖化ガスがどれだけ温暖化する能力があるか表した数字のこと。新冷媒R1224yd(Z)のGWPは従来の冷媒R245faの1/1000以下

総合力に磨きをかける
EBARAメンテナンスクラウド

個々の製品の技術力を磨くとともに、総合力を高める一翼を担うのがEBARAメンテナンスクラウドだ。ワイヤレスセンサーとクラウドを活用し、工場や施設内の機器・設備をリアルタイムで状態を監視する。これまでは故障してから作業員が現場へ向かい、部品を手配して再び現場へ出向かなければならなかった。EBARAメンテナンスクラウドを活用することで、省人化を実現しながらも点検時間の最適化を図るとともに、突発的な故障の未然防止を図ることで機会損失を最小限に抑えるといった新しい価値をお客様に提供できる。

具体的な動きはこうだ。振動センサーユニット「QiDe(キーディ)」から収集した振動や温度のセンシングデータをEBARAメンテナンスクラウドへ送信し、データを蓄積する。スマートフォンアプリ「QiDe-LINK」からお客様でも簡単な操作で設備状態を可視化でき、機器の異常検知のためのしきい値を設定できる。EBARAメンテナンスクラウドが目指す姿は機器単品の監視だけではなく、ビルを構成する様々な機器を大きなシステムとしてつなげることだ。

技術だけでなく、情報が総合力に加わることで新たな価値を生み出そうとする。対面市場軸へかじを切ったことで、より深くお客様の声に耳を傾けられるようになる。「2030年のビジョン実現に向け、マーケットインの発想でお客様の声に耳を傾けるとともに技術力を高めていきたい」(永田氏)。省エネやカーボンニュートラルといった喫緊の課題にも貢献していく。

■「EBARAメンテナンスクラウド」ソリューション全体図
荏原グループの持つ豊富な製品・技術力をベースに、クラウドを通して故障の予兆診断、故障箇所特定、早い見積もり・発注などお客様が安心して受けられるアフターサービスを提供する

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お問い合わせ

株式会社荏原製作所

URL:https://www.ebara.co.jp

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