




今回、私は、アフリカの道路事情の悪さが、いかに社会と経済を停滞させているのか、文字通り身を以て経験しました。
モザンビークを取材したときのことです。モザンビーク島に宿泊した私たちは、翌日朝7時30分に宿を出発し、約150km離れた内陸部の農業地域を訪れることにしました。

道路事情が悪く、オフロード走行も日常茶飯事のアフリカでは、耐久性に優れ、性能もいい日本製の4WD車が絶大なる人気を誇ります。取材陣はトヨタ・ランドクルーザーやいすゞビッグホーンといった大型4WD車に分乗し、現地へと向かいました。
JICAスタッフの話では、所用時間は4時間前後、お昼前にはなんとか着くだろう、とのことでした。舗装された高速道路でしたら、2時間足らずで着いてしまう距離です。行程の大半は未舗装の国道と地域道を走ることになるので、4時間くらいはしょうがないだろう、と思っていました。
その読みは大きく崩れました。途中の未舗装路が、2カ所にわたって、前週に降った大雨のせいで通行不能になっていたのです。
私たちは迂回路を通ることを強いられ、小さな村を結ぶ車1台がぎりぎり通れる、けもの道のような(でも、れっきとした公道です!)でこぼこ道路を延々走り続けました。

ところが、あと一歩というところで、ぬかるんだ道路にはまって動かなくなったランドクルーザーに出くわし、私たちのビッグホーンも動きがとれなくなってしまったのです。
地元の人たちの力を借りてようやく引き上げて、ことなきを得ましたが、目的地についたのは午後3時近く。150キロを移動するのに7時間以上もかかってしまったのです。
7時間あれば、東京から神戸まで自動車で移動できますし、新幹線だったら東京から博多まで移動して2時間おつりがきますし、飛行機だったらタイやマレーシアまで行けてしまいます。
それでも私たちの場合、高性能の四輪駆動車があったおかげで移動できた、それだけでもまし、と思わなければなりません。
多くのアフリカの人々は自分の車を持っていません。未舗装路では自転車も走れません。未舗装路地域に住む人たちは、子供たちを学校にやることも、地域の医者にかかることも、ほんの数キロ離れた街に買い物に出かけるのも、せっかく畑でとれた作物を市場に持っていくことも、ままならないのです。
道路=物流網の整備が、あらゆるインフラに先立たなければ、アフリカの成長はおぼつかない、といった意味がこれでおわかりになるでしょう。
道路はわかりました。では、なぜ港が、道路同様、重要なのでしょうか?