既存のツールやデータを生かしつつ、
AIで自動化を図る

OpenTextグループ
ソリューションコンサルティング統括本部
リードソリューションコンサルタント
井上 直樹氏
IT運用管理の分野においては、ユーザーからの問い合わせや各種の運用管理タスクをサポートチケットで記録・管理するのが一般的だ。運用管理の効率化に向けては、このサポートチケットの発行、つまり問題の発生を未然に防ぐことが重要になる。
「私たちは、AIや自動化技術の活用によってこの状態を実現する組織を『チケットレスエンタープライズ』と呼び、これから企業が目指すべき姿と位置付けています」とOpenTextグループの井上 直樹氏は語る。その実現に向けては、オブザーバビリティ(可観測性)の向上によるプロアクティブな問題解決と、サービスマネジメントによるセルフサービス機能の充実がカギを握るという。
「チケットレスエンタープライズの実現に向けて、既存の運用管理ツールやデータを置き換える必要はありません」と井上氏は続ける。現在の企業では、「ディスカバリー/構成管理」「オブザーバビリティ」「AIOps」「自動化」「サービスマネジメント」といったIT運用管理を担う製品群が多く活用されている。それらとOpenTextの運用プラットフォームが連携することで、顧客にとって最適な運用の仕組みを具現化するという。
具体的には、IT運用管理を「総資産の可視化」「インシデント削減」「セルフサービス体験」という3つのフェーズで捉え直す。これにより、ユーザーが自ら問題を解決できるプラットフォームを実現するのである(図1)。
図1 チケットレスエンタープライズの基盤を構築
IT運用の様々な要素を「総資産の可視化」「インシデント削減」「セルフサービス体験」の3つのフェーズで捉え直し、チケットレスエンタープライズの基盤を実現する
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ここで重要な役目を果たすのが「エージェント型AI」だ。チケットレスエンタープライズの各フェーズで、それぞれ次のような効果を発揮する。
■総資産の可視化×エージェント型AI
AIが様々な情報を収集して社内インフラのサービスマップを作成する。これにより、資産の健全性や活用状況などを速やかに把握できるようにする。
■インシデント削減×エージェント型AI
インフラ内の障害や異常をAIが自律的に検知する。原因究明や対応の優先順位付けなどを速やかに行い、修正方法の提案や自動修復を実現する。
■セルフサービス体験×エージェント型AI
FAQ、チャットボット、ヘルプセンター、サービスポータルなどのチャネルを通じて、問題解決に必要な情報を24時間365日、ユーザーが自ら得られる環境を構築する。
「なお、人の業務を自律的に代替するエージェント型AIは、いきなり使い始めて効果が得られるものではありません。一般的な対話型AI、支援型AIの順でAI活用を進めながらデータを蓄積し、その後にエージェント型AIへ移行する段階的なアプローチをお勧めしています」と井上氏は付け加える。



