富士通製オフコンのモダナイゼーションが喫緊の課題に
企業がDXに取り組む上で、避けて通れないのがレガシーシステムの刷新だ。特に中小企業における喫緊の課題になっているのが、長年にわたり業務を支えてきたオフコンのモダナイゼーションである。
「メーカー独自のハードウエアやOS、業務アプリケーションで構成されるオフコンには、安定性の高さやウイルス感染リスクの低さなど多くのメリットがあります。ただ一方で、一度導入してしまうとほかのソリューションへの乗り換えが簡単ではないため、多くの企業がレガシーシステムを使い続ける形になっています」とシーイーシーの高橋 奈央氏は話す。
株式会社シーイーシー
営業本部
エンタープライズ営業部
主査
高橋 奈央氏
そんな中、富士通グループのエフサステクノロジーズは、「Cloud Service for オフコン」のサービスを2030年度末に終了することを発表。すでにハードウエアの販売は終了しているため、約700社といわれる富士通製オフコンのユーザーは、システム刷新に向けた早急な検討を迫られている。
「その際、いくつかの課題があります。まずシステム面では、外部システムとの連携やデータ活用の難しさ、度重なる改修による肥大化・複雑化・ブラックボックス化などが課題になっています。また、体制面でも、COBOL技術者の確保が困難で、モダナイゼーション対応に割けるリソースが限られるといった問題があります」と高橋氏は話す。
実際、同社にも、顧客企業から「何から手を付ければよいか分からない」「導入当時のドキュメントが残っていない」といった悩みの声が寄せられているという。
既存の業務ロジックを継承しつつ、リスクも抑える
シーイーシーは、このような課題に直面する企業に対して解決策を提示している。
まず、モダナイゼーションの取り組みにあたっては、どの手法を選択するかを考える必要がある。具体的には、選択肢は「パッケージ導入」「ローコード開発」「マイグレーション」「スクラッチ開発」の4つだ。
「現在、オフコンで稼働している主な業務には、販売管理や在庫管理などの『基幹系業務』と『人事・給与系業務』、それに『財務・会計系業務』の大きく3種類があります。各業務の特性を踏まえた上で、それぞれに最適な手法を選ぶことが大切です」と同社の角 茂昭氏は言う。
株式会社シーイーシー
インテグレーションセグメント
モダナイゼーションサービス事業部
マイグレーションサービス部
グループマネジャー
角 茂昭氏
それぞれの手法のメリット・デメリットと適した業務の種類をまとめたものが図1だ。例えばパッケージ導入は、検証済みの機能が利用でき、導入も容易である一方で、業務をシステムに合わせる必要性が生じる。ローコード開発は、開発スピードが速く内製化もしやすいが、適用できる業務が限られる可能性がある。このように、それぞれの特性を正しく理解して選択することが肝心だという。
図1 モダナイズ手法の例と適した業務
「パッケージ導入」「ローコード開発」「マイグレーション」「スクラッチ開発」の大きく4つの選択肢がある。それぞれメリット・デメリットがあるため、業務特性やコスト、開発期間などと併せて検討することが必要だ
「これらを踏まえて、当社が推奨しているのがマイグレーション方式です。オフコンで長年運用されてきた業務はカスタマイズされていることが多いため、既存の業務ロジックを引き継げることは大きな利点です。また、サービス終了という期限がある中では、作業時のリスクを低く抑えられることもおすすめの理由です」と角氏は説明する。
先んじて現行資産を可視化し、不要なものは削減する
シーイーシーのマイグレーションサービスは、「事前調査」「調査分析」「変換」の3段階で進められる。中でもポイントとなるのが、「調査分析」工程の最初のステップである「資産棚卸」だ。資産の分類と規模調査を行うと同時に、CL、COBOL、コピー句の関連整理と過不足調査などを実施する。
「お客様システムの中には、現在は使われなくなったプログラムや、用途が不明で削除できないプログラムが存在します。これらをそのままマイグレーションしてもメリットはありません。棚卸しによって現行環境を可視化し、プログラム間の呼び出し関係などを整理することで、不要なプログラムを対象から外してマイグレーションやテストにかかるコストを下げられます」(角氏)。また、紛失したプログラムも発見できるため、後工程でのリスクも軽減できるという。
その効果は大きい。例えば、ある企業ではCOBOL資産を26%、CL資産を22%削減することに成功した。30年来使われてきたシステムであったため、ツールによる棚卸しを10回程度繰り返す必要があったが、その甲斐あって資産の全容把握と不要資産の廃止につなげることができたという。
「ほかのお客様も、おおむね20%から25%のスリム化を実現されています。中には90%以上を削減されたケースもありました。そのお客様は、もともと不要資産が多いことは認識されていましたが、自社で削除する方法が分からず当社にご相談いただきました。そのようなケースにも対応可能です」と角氏は語る。
モダナイゼーションの第一歩は現行資産の可視化である。どこから手を付ければよいか悩んでいる企業にとって、同社のサービスは有用な選択肢となりそうだ。
なおシーイーシーは、一連のマイグレーションサービスを「Re@nove(リノーブ)」ブランドで展開している。
「コンサルティングから設計・開発、導入、テスト、運用・保守に至るまで、すべてのプロセスをワンストップでご支援できます。独自のノウハウや専門エンジニア、変換ツールによってミスや手戻りを抑制し、マイグレーションのリスクを抑えられるほか、当社は独立系SIerなので、特定の言語・製品に縛られる心配もありません」と高橋氏はサービスの強みを紹介する(図2)。
富士通製オフコン以外にも、多彩なマイグレーションに対応可能。また、アプリケーションだけでなく、インフラのマイグレーションにも対応しているという。これについては、シーイーシーが運営する全国6カ所のデータセンターを新たな環境の基盤に選ぶことも可能だ。
さらに、現行システムの無料診断サービスも提供している。マイグレーションを予定している企業は、一度問い合わせてみることをお勧めする。
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