
いよいよ来年に迫った「2025年の崖」。SAPシステムのEOSは2027年に延長されたものの、事の本質がそこにないことは既に多くの経営者が理解していることだろう。デジタル技術の価値を人手不足の解消や経営戦略の高度化につなぎ、持続的成長を実現する――。ビジネスそのものを変革するための取り組みが日本企業に求められている。
必要な施策は多岐にわたるが、残された時間を考えると、自社にとってなるべく大きな効果をもたらす選択をしたい。そう考える企業経営者に向けて、日経BPは本セミナーを開催した。ITベンダーや有識者、「DX銘柄」選出企業の事例講演などを基に、変革推進のヒントを見つけてもらえれば幸いだ。
キーノートセッション

経済産業省では、「DX推進」と「デジタル人材の育成」の2つの政策を両輪で進めている。
まずDX推進の領域では、デジタルを活用した企業経営の要諦をまとめた「デジタルガバナンス・コード2.0」を公開。同時に、これからDXに取り組む企業向けに「DX推進指標」、DXに組織として取り組んでいることを証明する「DX認定」、先駆的なDX推進企業を選出する「DX銘柄」も行っている。
「DX推進指標は取り組みの現状を測るヘルスメーターのようなものです。DX認定は政府とIPA(情報処理推進機構)が企業からの申請を受けてチェックし、それがガバナンスコードに合致していれば認定を行います」と経済産業省の内田 了司氏は説明する。DX認定を取得すると、ロゴマークの使用許可や税制での優遇、金融支援特例、社内人材育成の支援措置を受けることが可能になる。デジタル化という目的を社内で共有することで、取り組みへのモチベーションアップにつなげることもできるだろう。
また、特にDXの遅れが目立つ中小企業向けには「DX支援ガイダンス」を公開している。これは中小企業自体に加え、地域でその活動を支援する金融機関やIT企業、コンサルタントなどに対しても取り組みの方向性などをガイドするものだ。これにより、人的リソースがボトルネックになりがちな中小企業のDXをスムーズに加速させようとしている。
もう1つがデジタル人材の育成である。「1995年から生産年齢人口は減少しており、自然体では人材の『量』的増加は困難です。日本でDXを推進するには人材の『質』の向上が不可欠です」と内田氏は述べる。
しかし、日本はGDP比での人材投資額が欧米諸国と比べて圧倒的に少ない※。そこで日本政府は、デジタル田園都市国家構想のもと、2026年度までに230万人のデジタル推進人材を育成する目標を設定し、関係省庁が連携しながら取り組みを進めている。
具体的には、内閣官房が中心となり、文部科学省は大学教育の強化、厚生労働省は教育訓練の個人向け給付と企業向け助成、経済産業省は企業のDXを進める人材の育成を行っているという。
経済産業省が行っている取り組みの1つが「デジタルスキル標準」の公開だ。IPAとの連携のもと、DX時代に求められる人材スキルを整理。全員が身に付けるべきDXリテラシー標準と、DX人材に求められるDX推進スキル標準の2つの側面から必要なスキルの具体例を提示している。
「学習の場として、デジタル人材育成プラットフォーム『マナビDX』も整備しています」と内田氏。経済産業省とIPAが立ち上げたポータルサイトで、200企業が650講座(2024年6月現在)を提供。ほかにも全国の地域企業と連携した実践教育の推進や、各地域でイノベーション人材を発掘し育成する「AKATSUKIプロジェクト」などを展開している。
さらに、これから重要度を増すのが生成AIの活用を踏まえた人材の育成だ。技術の進化や変化をいとわず、継続的に学び続ける姿勢が強く求められる。生成AIの効果を引き出すための言語化能力や、批判的考察力などのケイパビリティーもこれまで以上に求められるようになるだろう。
「ビジネスモデルが大きく変化する時代、人に求められることも変わります。最適な人材の育成を含めたDX支援策を、これからも提示していきます」と内田氏は最後に語った。
※厚生労働省「平成30 年度 労働経済の分析」を基に経済産業省が算出
スペシャルセッション

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した「世界デジタル競争力ランキング2023」において、日本は64カ国中32位となった。滋賀大学の学長を務める竹村 彰通氏は、こうした現状を「デジタル敗戦」だと表現する。
もっとも、日本政府も手をこまねいていたわけではない。2019年には「AI戦略2019」を公表。この中で、デジタル社会の「読み・書き・そろばん」である「数理・データサイエンス・AI」の教育に力を入れる方針を打ち出している。これに基づいて、様々な大学が新しい学部を創設したが、こうした動きの先駆けとなったのが、2017年にデータサイエンス学部を設置した滋賀大学だ。
大学でのデータサイエンス教育は整備されつつあるが、竹村氏は「経営者にこそリスキリングが必要です。今こそKKD(勘・経験・度胸)から脱却し、データを示して議論しなければいけません」と強調する。
現在、日本の大学の大半は教育体制が文系と理系の縦割りになっている。受験に備えて、1年生の段階で文系と理系に分かれている高校も多い。竹村氏は、この体制を日本の弱点の1つだと考えているという。というのも「データ活用やDXを進めるには文理融合の人材が必要」だからだ。
データサイエンスを学ぶ際に重要な要素として、竹村氏は「情報学」「統計学」「価値創造」の3つを掲げる。「情報学」でデータを収集・加工・処理する技術(データエンジニアリング)を、「統計学」でデータを分析・解析する手法(データアナリシス)を学ぶ。そしてデータアナリシスの結果を実務に役立てるのが「価値創造」だ。「大学のデータサイエンス教育では、データ分析の技術を学ぶだけではなく、これをいかに応用するかを学ぶことが重要です。そこで滋賀大学のデータサイエンス学部でも、こうした考えに基づいてカリキュラムが組まれています」と竹村氏は語る。
ただし、大学で学んだデータサイエンスの知識やスキルを実社会で生かすためには、企業との連携がカギとなる。ビジネスの現場と協働して課題を発見し、データサイエンスやAIによって解決可能かを判断した上で、その効果を予測しなければならないからだ。さらに、その解決策を実行に移すには、企業組織で管理層の理解を得なければならないし、現場からの抵抗や企業文化との衝突などのハードルも乗り越える必要がある。
こうした課題に対処するために滋賀大学は2024年4月、大学院経済学研究科に経営分析学専攻(MBAN)を開設した。ただし、竹村氏は文系の大学院に対して懸念事項もあるという。日本では文系の修士号の価値が認められていないことだ。修士に進学しても就職が有利にならないため、学生が進学しない。
「日本企業では『大学で勉強してこなくてもいい』という考え方が根付いていますが、それは今でも正しいのでしょうか。欧米の企業ではMBA(経営学修士)を取得している経営層が多いし、欧米の大学に社員を派遣してMBAを取らせる日本企業も少なくありません。日本は望ましくない均衡点に陥っていて、抜け出せない状況にあります」と竹村氏は指摘する。
竹村氏は、この4月に開設した経営分析学専攻(MBAN)を「文系大学院改革のモデルにしたい。企業からの関心も高く、ゆくゆくは『経営者塾』などに発展させたいと考えています」と抱負を語った。
特別講演

大手空調メーカーのダイキン工業(以下、ダイキン)は、戦略経営計画「FUSION25」のもと、経営基盤のさらなる強化と成長分野の事業拡大に取り組んでいる。重点施策は、ビジネスイノベーションとプロセスイノベーションの両輪によるデジタル化だ。「デジタル投資を大きく拡大し、新たな商品・サービス、ビジネスモデルを創出するほか、業務プロセスも抜本的に革新します」と同社の廣瀬 忠史氏は語る。
ビジネスイノベーションの領域では空調機製品の価値向上に加え、付帯サービスによる新たな価値提供に力を入れる。「データを活用したエネルギーマネジメントで、建物や地域のエネルギー削減に貢献します。気候や住宅様式、省エネ規制の異なる国や地域の特性に応じた空調機、空調ソリューションの開発も進めています」と廣瀬氏は紹介する。
プロセスイノベーションについては、全体最適による業務の標準化を推進。グループの業績や知財情報管理などのグローバルマネジメントも高度化していくという。
当然、基盤やシステムのデジタル化は前提となるが、それらを構築・運用するのはヒトである。「キャリア採用を進めているが、それだけでは十分な人材を確保できません」と廣瀬氏。そこで同社は2017年12月に「ダイキン情報技術大学」を設立し、人材育成の内製化を図っている。大阪大学と包括提携を結び、新入社員から幹部層、役員までに向けたカリキュラムを提供するものだ。
特に力を入れているのが新入社員教育である。2年間の研修プログラムを整備し、1年目は空調技術や業務の基礎、IoT/AI技術の基礎や専門知識を学ぶ。2年目は現場に仮配属して改善やイノベーションを体験し、3年目に所属部門に正式配属する仕組みだ。
初年度となる2018年度には、技術系大卒新入社員の中から100人を選抜。次年度以降も継続的に実施し、現在までに数百人の卒業生が現場に配属されている。「最初の1年間で横のつながりが生まれます。2年の間にキャリアプランも検討できるため、仕事に前向きに取り組むムードが生まれています」と廣瀬氏は言う。
卒業生による変革の取り組みも多数生まれている。「空調機故障診断支援ツール」はその1つだ。運転データを基に異常の予兆を可視化し、サービス品質の高度化・均質化と保守業務の効率化を実現する。
「Kireiウォッチ」は室内機の結露水が室内に流れないように防ぐ内部部品を自動で撮影し、クラウドで汚れの変化を確認できるようにする遠隔監視サービス。非対面・非接触での点検を実現している。
生成AIの活用にも積極的に取り組んでいる。2023年4月には生成AI社内環境「D-wind」をリリース、アジャイル開発で機能強化を継続し、現在では社内情報の検索や自動回答に活用している。2024年4月末時点で累計4700ユーザー、37万8000アクセスの利用実績があるという。
「D-windの開発・機能強化にも情報技術大学の卒業生が参加し、精度向上や活用領域の拡大に取り組んでいます。また、より効率的な使い方やセキュリティー・著作権保護などのリテラシー向上もサポートしています」(廣瀬氏)
DXの推進に向けては、取り組みのテーマを立案・実行する人材が欠かせない。人材育成を内製化するダイキンの取り組みは多方面から注目を集めている。
特別講演

建設業界の人手不足や熟練技能者の高齢化が進む中、建設機械メーカー国内トップの小松製作所(以下、コマツ)は、2015年から「スマートコンストラクション®」に取り組んできた。危険度の高い労働環境を改善し、年齢や性別に関わらず働ける環境と、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場を目指すことがそのコンセプトだ。
開始から約10年を迎え、導入現場は日本国内で累計3万現場を突破。ICT機能を装備した油圧ショベルの稼働台数も約18%まで高まったという。
だが「それだけでは不十分だった」と振り返るのは、この取り組みをけん引してきた同社の四家 千佳史氏だ。「少し立ち止まって全体を俯瞰してみると、それは部分最適であってお客様の施工プロセス全体の変革までには至っていない。そこで先に“ありたい姿”を定め、そこから逆算して現状とのギャップを埋めながら全体最適を図る、次なるステップに取り組むことにしたのです」
施工プロセス全体を変革する新たなスマートコンストラクション®では、建設現場と同じ世界をデジタル上に再現する「デジタルツイン」を活用。施工前から施工後まで、すべての工程を可視化して最適に制御できる仕組みを構築し、現場の安全性や生産性、環境性の向上を図るのだという。
「地形、建機、車両、作業員、材料など、施工現場に必要なものすべてをデジタル空間に再現し、遠隔からリアルタイムにモニターできるようにします。刻一刻と変化する状況を把握することで、建設現場に出向くことなく課題を発見し、施工手順の見直しを図っていく。これをPDCAで回すことで施工計画が最適化され、安全で生産性の高い現場が実現していくのです」(四家氏)
デジタルツインを構成するデータは建機やドローン、IoTデバイスなどで収集され、クラウドで一元管理される。例えば、現場の地形はコマツ建機やドローンに搭載されたステレオカメラやレーザースキャナがGPSと連携し、瞬時に3次元モデル化する。それを見ながら、どこをどれだけ削ったり盛ったりすればいいかを検討し、建機の動かし方をシミュレーションしていく。他社製建機やダンプトラックにもICT機能を後付けできるので、どのような現場でもデジタルツインの障壁にはならない。建機の投入量や運搬ルートの立案に加え、一般道を走る土砂運搬車両をリアルタイムに可視化し、近隣住民の安全性を確保する運行管理も可能だ。
さらに同社では「次世代デジタルツイン」の開発にも取りかかっている。それは施工現場を再現したリアルなメタバース空間で、様々な制約条件を検討しながら、最も生産性が高く、ステークホルダーの合意も得られる工程を創出していくソリューションだ。
「例えば、現場近くの仮設道路を大型ダンプトラックが曲がれるかどうかをメタバースで試してみると曲がれないことが分かる。『では道幅を大きくしよう』と設計変更ができます。また、実際に行われた溜め池工事では発注者や地権者の方々に平面図では想像できない完成後の階段の位置、バルブ開閉の作業性などをメタバースでお見せしながら検討を行い、十分ご納得いただいた上で短期間の工事が実現しました。このように誰にでも分かりやすく簡単に使えるようにしていく技術開発が我々の新たなチャレンジとなります」
コマツの絶え間ない進化への挑戦は、建設業界はもちろん、ほかの企業にとっても参考となる取り組みだといえよう。
パネルディスカッション
DXを実現できない場合、2025年以降に最大12兆円の経済損失が生じる可能性があると指摘した「2025年の崖」。残り時間が限られる中、どうやってDXを推進するのかという“How”ばかりを追いかけても変革は進まない。なぜ変革が求められるのかという“Why”に目を向け、抜本的な取り組みを進める方法について、官民のキーパーソンが語り合った。

―― 2018年の「DXレポート」発行から現在までの、経済産業省の取り組みを改めて教えてください。
河﨑 様々な施策を実施してきました。例えば、DXに向けて経営者が理解すべきことをまとめたのが「デジタルガバナンス・コード」です。また、自社の立ち位置を理解する手助けになるツールとして「DX推進指標」も公開。取り組みを進める企業への補助金・助成金制度なども拡充しています。さらに「DX銘柄」「DX認定」といった制度も立ち上げ、各企業のモチベーション向上を促しています。
―― そうした中、日本企業の「2025年の崖」への対応状況をどう見ていますか。

亦賀 残念ながら「言葉は浸透したが取り組みは進んでいない」というのが率直な印象です。理由の1つが、当初はSAPシステムのEOSの話に注目が集まったため、「ITシステムの話だ」と誤解されたことではないでしょうか。結果、経営者がDXの本質を理解せず、IT部門に取り組みを丸投げするような状況が起こっています。
DXはITの話ではなく、ビジネス全体を変革することです。当然、経営者が深く関わるべきことですが、そこまでできている日本企業は少ないと感じます。
―― 一方、FCCテクノはDX認定を取得するなど、先駆的な取り組みで知られています。取り組みの概要を教えてください。

西村 当社は、過去の大きな危機を乗り越えて現在の姿にたどり着いた会社です。そもそもは1962年に福岡県で創業した独立系IT企業ですが、2000年ごろから世の中の主流となったオープンシステムの波を捉えられず、徐々に売り上げが減少していきました。その危機感がピークに達した2021年、事業承継という形で私が経営者になりました。
今後50年を生きるためには、抜本的なビジネス変革が必要でした。そこで、事業内容そのものの見直しを含めた改革を断行することにしたのです。
まず着手したのは経営陣の若返りです。平均年齢70歳以上に達していた旧経営陣にはご勇退いただき、外部から積極的に人材を招聘することで平均年齢を35歳まで引き下げました。
事業のポジショニングも見直しました。承継前の低付加価値・薄利多売路線を脱し、高付加価値・高単価・高難度路線へ転換を図ったのです。コンサルティング機能を重視し、戦略から実装まで手がけるとともに、開発はモダンなWeb開発へシフト。お客様の課題解決に貢献できる少数精鋭組織を目指しました。
西村 加えて、一連の変革の推進に向けて不可欠だったのが組織風土の刷新です。歴史ある企業にありがちな、意思決定に時間がかかる文化や、失敗を恐れて先送りが横行する文化、上司の“お気持ち”を優先する忖度の文化が、DXの推進とそれに向けた人材登用の障壁になっていました。

―― 60年の歴史を持つ企業の組織風土改革は簡単ではなかったと思います。どのように実現したのですか。
西村 風土刷新を最重要の取り組みと位置付け、経営資源を集中投下しました。その上で、“空気”を読まなくて済むローコンテクストなコミュニケーションを徹底。使うツールもメールや口頭、紙を撤廃してMicrosoft Teamsに集約しました。
また、「Shrink to Grow(緊縮後に成長する)」のスローガンのもと、事業・組織にもメスを入れました。「あったほうがよい」は廃止し「絶対やるべき」のみを残す。その結果、事業承継前後で残ったのは社名だけとなりました。
このような取り組みにより、経営は徐々に上向いていきました。一時は15億円台まで減少していた売上高は23億円まで回復し、営業利益率も10%を超える見込みです。新入社員を含めた正社員の待遇改善も進め、年平均20%弱の給与アップを実現しています。
―― FCCテクノの取り組みをどのように評価されますか。
亦賀 非常に素晴らしいですね。とかくDXはHow(どうやるか)に目が向けられがちで、Why(なぜやるか)が置き去りになる傾向があります。その点FCCテクノでは、「やらなければ経営が立ち行かなくなる」というWhyが明確です。この危機感を組織全員で共有できれば、変化に反対する抵抗勢力も生まれにくくなるでしょう。組織が一丸となってDXを加速できた好事例だと思います。
―― 要所でのテクノロジー活用もポイントですね。
河﨑 そう思います。このような例からは、デジタル技術を活用することが成長に向けて必須であることが分かります。
むしろ、デジタル技術を活用できない企業は今後淘汰されていくと私は考えています。特に日本では、高齢化が進んで人口が減少していきます。限られた人員で複雑化する事業課題を解決するには、デジタル技術が不可欠です。経営者の皆さんには、このことをぜひ認識していただきたいと思います。
―― 先ほど「DXには経営者が深く関わるべき」との話が出ましたが、FCCテクノの話を聞いても、やはり経営者が重要であることが分かりました。
亦賀 これからの時代、デジタル技術やITのリテラシーは経営者の必須条件です。そのため、経営陣になってからデジタル技術を学ぶのではなく、もともとデジタル技術の素養のある人材が経営者になるのが本筋だと私は考えています。
経営体制を再編成し、デジタル技術に明るい経営陣に刷新したFCCテクノの事業承継は、まさしくこれを実践したものといえます。経営陣の世代交代は非常に大きなチャレンジですが、成し遂げなければなりません。
西村 ありがとうございます。私は、経営者は経営のプロでなくてはならないと思っています。デジタル技術のことを「分かりません」と言ってしまえる感覚を、恥ずかしいと思うべき。これからの時代の経営者にはそのくらいの覚悟が求められるのではないでしょうか。
亦賀 もちろん経営者だけが変わればよいわけではなく、あらゆる人材が変わることが重要です。スキルや知識のほか、マインドセットやスタイルも変える。そのために企業は、積極的に物事を学び、知識を吸収するCQ(Curiosity Quotient:好奇心指数)の高い人を見つけ出して優先的に投資することをお勧めします。そのような人材は、必ず今の組織にもいるはずです。
河﨑 私も、現在の技術の進歩を日々ワクワクしながら見ています。皆が好奇心を持って取り組めば、日本企業の変革は必ず加速できると信じています。