日経ビジネスオンラインスペシャル

LEADERS INTERVIEW2020.12.9

リーダーが語る「経営と相棒時計」

ビジネスで重要なのは「五感」 機械式時計がそれを刺激する

リアルディア 代表取締役社長 前刀 禎明 氏

前刀 禎明氏

「機械式腕時計が持つアナログ感が好きなんです」。そう語るのは、かつてスティーブ・ジョブズ氏のもと、アップル米国本社のマーケティング担当副社長としてiPod mini を世界的にヒットさせた立役者であり、日本法人代表としてブランドの再構築に尽力した前刀禎明氏。2007年に自ら起業したリアルディアでは、多様なジャンルのコンサルティングを行う一方、スマートフォン用アプリも開発。「DEARWONDER」は、社会人や学生、親子、誰でも簡単に使える先進的なアプリで、ラーニングインテリジェンス=学び続ける力を高めるプロジェクトだ。「 アプリを使ったワークショップでは『創造的知性』を磨き、自己革新を促すための企画を用意しています。観察力、質問力、実験力、相談力を育み、そのすべてを関連づけることで『気づく力』を養う。これからの社会、特にビジネスではこうした力を持つことが必要です」

パネライの「ラジオミール」
「安定の選択」を嫌う前刀氏が選んだ相棒はパネライの「ラジオミール」。1998年の日本デビューの際には、まだ知る人ぞ知るブランドだったが、前刀氏はその年にも別のパネライを購入している。

IT 業界で長く勤務してきた前刀氏は約20本の機械式時計を所有するというが、意外なことにスマートウォッチは1本もない。思い入れが強いのは2000年、アップル入社に先がけ、初の起業をした際に購入した、パネライの「ラジオミール」だ。「機械式時計の針は、動く音を刻むなど情感がある。実際に触れることで『五感』が刺激されます。存在感のある40㎜のケース、そして当時はあまり知られていないブランドだった点を気に入り、人生の節目にこの時計を購入しました。成功も苦境も共有してきた時計です」

コレクションは全て、日常的に使う相棒。オーバーホールも定期的に行い、ちょっとした違和感を感知するよう心掛ける。このように、日常の中で五感を働かせることは、ビジネスにとって極めて重要だと前刀氏は考えている。「多くの日本のビジネスパーソンは頭が固い。それは自分なりの価値観を持つことに慣れていないから。企業のトップに立つ人こそ、自らの五感を駆使して判断することが大切だと思います。スティーブ・ジョブズから学んだ、『自分の心と直感に従って生きること』にも通じますが、観察して違和感を持つことが企業と自己改革の第一歩になり、未来創造に繋がると信じています」  

文=いなもあきこ 写真=森 康志

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