• なぜ、物流インフラがアフリカの 発展にとって最大の必要条件なのか?
  • アフリカの物流インフラづくりに 日本が協力できること
  • モザンビーク・ナカラ回廊をつくる!
  • ケニアのモンバサ港が東アフリカの 「シンガポール」になるとき
  • 日本の知恵と技術と金が、 アフリカの物流を変える!
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池上

どんな問題が残されているのですか?

倉科

たとえば、通関の問題があるのです。沿岸国から荷揚げした荷物を内陸国に渡す際には、当然通関手続きが必要となります。

この通関の手続きが煩雑で、非常に時間がかかっています。国境を荷物が越えるため、平均48時間手続きが終わるのに待たされたりするのです。

池上

平均で2日間。長いですよね。なぜこんなにかかるんですか?

倉科

詳しく見ていくと、いくつか大きな理由があることがわかります。

ひとつは、電算システムの未整備。実は、税関そのものは、電算化されているところも多いのですが、関係省庁にまでは及んでいません。

もうひとつは人材不足。税関のスタッフには優秀でコンピュータに慣れている人も比較的多いのですが、省庁はどうかというと、事情が違うようです。

さらにもうひとつは権限の問題。現場のスタッフには、仕事を進める上での権限が委譲されていないことが多く、何かにつけて、上の人の判断を仰ぐ必要があります。その待ち時間が長いのです。

池上

通関の問題はどうやって解決するのですか?

倉科

JICAが取り組んでいるのが、ワン・ストップ・ボーダー・ポストの設置です。通関に関わる手続きを短時間に一か所で済ませるための施設を作るわけです。これを設置し、通関の手続きを簡素化するのと同時に、適切な通関業務ができるような人材も育成しようとしています。日本の通関士のような制度を導入することも、視野に入っています。

こういった対策を経て、目標とする平均通関通過時間は4時間です。48時間が4時間になれば、物流効率は飛躍的に上がります。

池上

アフリカの物流整備には日本が大活躍ですね。

倉科

すでにモザンビークには、隣国の南アフリカと日本の三菱商事とでタッグを組み、国境を超えたビジネスの「回廊」をつくりあげた、すばらしい先行事例があるんです。

池上

わかりました! モザンビークでアルミニウム地金を精錬する「モザール社」のケースですね。2009年に取材いたしました。

モザール社は、南アフリカの企業BHPビリトン、三菱商事、南アフリカ産業開発公社、モザンビーク政府の共同出資で1998年に創設し、2000年に操業開始、ということでしたね。

倉科

1992年に内戦が終わったばかりのモザンビークにとって、まさに救いの神のようなプロジェクトでした。しかも、ユニークなのは、途上国であるモザンビークが高度な加工生産でビジネスを展開している点です。

池上

たしかアルミニウムの原料はモザンビークで産出されているわけではなく、オーストラリアから輸入しているんですよね。

倉科

さらに電力は南アフリカから買っています。なぜ南アフリカ国内ではなくモザンビークのマプトでアルミ精製を行っているかというと、南アの首都ヨハネスブルグに最も近い貿易港は、自国のケープタウンやダーバンではなく、マプトなんですね。

そこで両国が連係し、マプト近郊でアルミニウムを精製する工場をつくり、マプトを一大貿易港として発展させることにした。そしてマプトとヨハネスブルグを道路でつなぎ「マプト回廊」を構築し、物流インフラを整えることで、経済発展を共にしよう、というかたちができあがったわけです。

池上

その結果、モザールの売り上げがモザンビークの国内総生産の大半を占め、21世紀の急成長の要となりました。多国間を結ぶ物流インフラ=回廊を構築し、貿易港を充実させる、というのは、マプトとヨハネスブルグの回廊という、すでに先進事例があったわけですね。

国際協力の面でも、企業の直接投資の面でも、日本の存在感は、アフリカでますます増している、といえそうですか?

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