




いえいえ、近年目立つのは中国の進出ぶりです。中国はたとえば、2011年、西アフリカ地域で、エコワス(ECOWAS)という西アフリカの共同体と新たに経済協力の枠組み文書に署名をしています。
これまで中国は、国ごとに支援を行い、2国間ベースでの支援を行っていたのですが、国を越えた地域のインフラ整備の支援にも乗り出してきています
日本が提案してきた「回廊」構想ともダブりますね。
その通りです。中国は最近、対外進出企業に関してガイドラインを設置しました。これは、1970年代に、日本が東南アジアへ進出していった際に経済5団体がまとめた投資行動の指針と同じ性質を持つものです。つまり、現地のコミュニティから反発を受けないように事業展開をすべきという考えに基づくものです。やや乱暴な開発を行うイメージのある中国ですが、変わりつつあるのだということが、ここからも読み取れます。
アフリカの開発、といえば、もはや中国の存在を抜きには語れない、というわけですか。
アフリカと中国の関係は、すでにアフリカと日本との関係よりもはるかに強くなっています。中国にアフリカが進出したのは、実はけっこう古いんですね。1950年代の台湾問題に端を発します。当時、できたばかりの中華人民共和国と台湾との間で、どちらが国連に認められる正当な国家なのかが、争われていました。
このとき、当時の周恩来首相がアフリカを訪問し、自国への支援を徹底的に呼びかけるロビー活動を繰り広げたんですね。中華人民共和国は自分たちもまだ途上国だったにもかかわらず、アフリカへの援助を約束しました。そのかいもあって、国連の中国代表権は中華人民共和国が逆転で獲得したという経緯があるのです。
今、アフリカ大陸にある中国の大使館の数は、日本の大使館の数を上回っています。
2009年に南スーダンを訪れたとき、まだ戦火の爪痕が残る南部の首都ジュバにすでに中国の領事館やホテル2つが進出し、石油パイプラインの工事をやっていました。スーダン人は、日本人を見ると「ニーハオ」と呼びかける。これは、ケニアでもモザンビークでも同様でしたね。
南スーダンやアンゴラなど複数のアフリカ諸国で、中国は積極的に資源開発を行っています。アフリカ以上に人件費の安い自国労働者を大量に連れてきて、短期間で開発する。現地の雇用に役立っていないという非難の声もありますが、道路整備などに関しては、まさにインフラ整備が急務のアフリカにおいては「待ってました!」と歓迎されています。また、商業資本の進出も積極的に行っています。
スーダンをはじめ、アフリカ諸国の中には、東西冷戦が終わった90年代に自国に圧政を敷いた独裁国家があり、こうした国々を欧米が経済制裁した経緯があります。中国はこの空白の90年代に、一気にアフリカへの援助と直接投資を増やしました。
日本が1993年から始めた5年に一度のアフリカ開発会議(TICAD)を真似て、中国・アフリカ首脳会議を開くようになりました。2006年にはアフリカの首脳48人を招いて、北京宣言を出し、アフリカへの投資や援助を積極的に打ち出すなど、アフリカにおいて中国の存在は圧倒的です。
単なる中国脅威論で済ませる段階ではないのですね。
コスト競争力の面では中国にはかないません。ですから、中国が構築したインフラも利用しつつ、日本は高付加価値のさまざまな技術の伝承や、高性能な製品の導入、さらには継続的な経営ノウハウの植え付けなど、得意分野を活かした、国際協力と投資とが官民ともに必要でしょう。
日本の得意分野というのは何でしょうか?