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池上

いまビジネスの進捗状況はどんな具合でしょうか?

更家

実際にアルコール手指消毒剤の製造が可能かどうかフィージビリティスタディを行っている真っ最中です。一刻も早く現地のウガンダ人を採用して日本で研修を受けてもらうまでの段階に進みたいと考えております。

池上

何が課題ですか?

更家

原料のエタノールは調達できるれど、製造設備がない、ということですね。現地でゼロから工場を作ることは不可能なので、まず日本で機械を組み立て、それをいったん分解して、船で運び、ウガンダの現地で組み立て直して工場を設立する、という手間が必要です。

池上

かなりの手間がかかりそうですね。

更家

ゼロベースでのスタートですからしょうがないですね。それから工場を作ったら、今度は生産設備のメンテナンス態勢も整えておかなくてはなりません。さらに、実際に作った製品を販売して代金を回収するところまで仕組みを整える必要があります。

また、つくったアルコール手指消毒剤が優先順位の高い医療機関に受容されるかどうかを、JICAのBOPビジネス民間連携プログラムの助成事業に採択いただきました。このご支援は中小企業にとっては大変ありがたいものです。

池上

途上国の場合、利用可能な既存のビジネスの仕組みそのものが存在しなかったりするわけですね。かくして、どこの国の企業も、最初に根付かせるのにとても苦労する。

更家

原料調達→製造→卸→小売りまでのビジネスサイクルを作る必要があります。まずは、現地の方々と信頼できる人間関係を構築することが不可欠ですね。すでに、CSR活動でハンド・ウォッシング・アンバサダーの方々と、現地の学校や村などで「手洗い普及」運動を実施しています。この活動をベースに現地でサラヤに対するイメージを構築して、その先にビジネスにつながるネットワークができないだろうか、と考えています。

池上

まずはCSRでちゃんと信頼されること。ビジネスはその先にある、というわけですね。

更家

はい。お金儲けを先に求めてもダメです。まずは現地で信頼されること。それが第一です。また、ユニセフやJICAと共に活動できる、というのは心理的にも安心できます。なにせアフリカで活動するというのは、私たちも初めての経験です。法制度も、経済の仕組みも、現地の慣習もゼロから学ばなければならない。現地の事情に精通しているプロフェッショナルの方々のアドバイスを受けられるのは、ですから、とっても心強いです。

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池上

サラヤの場合、ウガンダでのアルコール手指消毒剤の普及ビジネスではJICAとタッグを組んでいます。そのご経験を踏まえてお聞きしたいのですが、今後日本企業がアフリカで活動するにあたって、日本政府やJICAのような専門機関に対して、どんなリクエストがありますか?

更家

今年日本では、横浜で政府外務省主催の第5回アフリカ開発会議(TICAD Ⅴ)が開催されます。TICADが最初に開催されたのは1993年で、東西冷戦の終わりに伴い、欧米のアフリカに対する興味が相対的に薄れてきたときに、日本主導でアフリカの未来を考えるために始まったものです。以来5年に1度、開かれてきました。今年もアフリカ各国の首脳陣が集まります。

一方で日本企業は近年のアフリカにおけるインフラ開発や資源開発、それにBOPビジネスの台頭に照準を合わせてアフリカ進出へのスピードを早めています。また、未だに社会インフラが備わっていない側面が目立つ国が多いため、こうした分野での成長を促すために各種NGOもアフリカで活躍しています。

問題は、国、企業、NGOの活動がばらばらで、いい意味での連係がとれていないな、という感があります。アフリカでの活動に際して、もっと国と企業とNGOが連動してもいいのではないでしょうか?

池上

企業に対しては、いかがでしょう?

更家

もっともっと多くの企業がウガンダ、そしてアフリカの各地で活動してほしいと思います。すでにお話ししましたように、サラヤはすでにウガンダでCSR活動をスタートし、また現地法人も立ち上げていますが、ウガンダには、まだ日本企業の姿は目立ちません。主立った企業が10社を超えてくるとウガンダの大地に日の丸がすっと立ってくると思います。

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SUPPORTED by JICA
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