



今のアフリカを語るとき、避けて通れないのが中国の存在です。21世紀に入って、中国は非常に熱心にアフリカ各地への進出を試みています。
いま日本人がアフリカを歩いていると、ほぼ100%「ニイハオ」と声をかけられますね。10年前までは、ほぼ100%「コンチハ」だったのですが。
ケニアでもモザンビークでも同じ経験をしました(笑)。ただ、こちらが日本人だとわかると、さらに親しく話しかけられる傾向がありますね。ああ、日本人、好かれているんだなあ、と感じることが多々ありました。
日本はアフリカに対して地道に国際協力を行い、現地で国際交流を行ってきました。長い間、人と人との交流を通じた活動をしてきたことへの信頼の表われだと思います。ただ、それとは別に、21世紀に入ってからの中国の積極的なアフリカ進出の後塵を拝している側面があるのも事実です。
中国の積極的な姿勢をどうご覧になっていますか。
中国のアフリカ進出に関してはいろいろな意見がありますが、中国が直近10年のアフリカの経済成長に大きな貢献をしているのは確かです。
世界中の景気が悪化した2008年のリーマンショック以降、実はアフリカの経済はさほど悪化しませんでした。それは、世界の金融市場とさほどリンクしていなかった中国の経済と、さらにいうとインドの経済がリーマンショックの影響を受けなかったことが根っこにあります。
アフリカの資源を大量に買い付け、あるいはアフリカに積極的にモノを売り、現地進出をくりひろげているのが、中国であり、インドだからです。
なぜ中国、そしてインドはそこまでアフリカに入れ込んでいるのでしょうか。
それははっきりしています。アフリカの一次産品そして資源の確保が、急成長し続ける中国とインドにとっては重要課題だからです。石炭や石油、天然ガスといったエネルギー源の宝庫ですし、鉄鉱石にも恵まれています。また、中国への木材輸出も増えています。
中国やインドの国家戦略としては、当然と言えるわけですね。中国では、国家主席に就任したばかりの習近平氏がさっそくアフリカ諸国を訪問しました。ロシアの次にアフリカ諸国を訪れたわけですから、どれだけ重視しているかがよくわかります。
日本でもぜひ、首脳レベルの外交をしていただきたいですね。残念なことに、日本ではアフリカを訪問する前に首相が交替し続けてしまったために、アフリカへトップが訪問する機会がここ数年ありませんでした。今後は長期安定政権となって、ぜひアフリカにお出かけいただきたいと、実務担当者としては願っています。
中国の積極的な姿勢がどうしても目立つのですが、それと比較して日本はいかがでしょう。
私自身は、これまで日本がとってきたアプローチは正しいと思っています。日本は、アフリカがこれほどまでに注目をされるはるか以前、欧米各国からはアフリカへの「援助疲れ」という言葉が聞こえ始めた1993年に、第1回目のアフリカ開発会議(TICAD)を開催し、以来5年に一度開催して、アフリカ各国との結束を高め、具体的な国際協力プロジェクトをいくつも立ち上げてきました。
こうした地道な付き合いの上に、今のアフリカにおける親日感情が築かれています。日本がこれまで取ってきた方向性は間違っていませんでした。