【グランプリ|兵神装備】日経BP Marketing Awards 2019

受賞者インタビューグランプリ

兵神装備株式会社 読者層に馴染みのある漫画広告により
製品への興味喚起に成功

写真:渡邉 誠 氏

渡邉 誠
兵神装備株式会社
企画・管理部
SP 企画グループ
グループ長

望月 本賞の前身である日経BP広告賞を含め、10年間で5回の広告賞受賞歴をお持ちです。今回、兵神装備のモーノポンプを取り上げた全6話シリーズの漫画広告でグランプリを獲得されたことで、6回目の受賞となりました。本作品は日経ものづくりの読者にも大好評で、連載の途中で1回休止したときは「今月号に載っていない! どうしたんだ」と問い合わせがあったほど。これは、まれなケースだと思います。

渡邉 ありがたいですね。広告掲載後の評価レポートで読者アンケートも見せていただくんですが、日経ものづくりの読者の皆さんはいつも鋭くて厳しい。そんな方々に評価していただけたわけですから。

漫画広告でハードルを下げ
製品をわかりやすく解説

写真:望月 洋介

望月 洋介
日経BP
上席執行役員
日経BP総研 所長

望月 今回の広告企画の目的をお聞かせください。

渡邉 2010年に「日経BP広告大賞」をいただいた広告では、知名度の向上とモーノポンプの訴求を目標として、ビジュアルをメインとするイメージ広告的な作品を制作しました。数年間はその路線で展開していましたが、次のアプローチとして、もう少し製品の特長をわかりやすく伝えられないかと考えました。兵神装備のモーノポンプは、粘度の高い液体や固形物を含んだ液体の移送が可能で、食品や自動車など様々な製品づくりから水処理などの環境分野まで幅広く活用していただける産業用ポンプです。「無脈動」「定量移送が可能」「吐出量を自在に制御できる」などの特長がありますが、こうした専門用語は理解しやすいとは言い難く、自分でもピンとこないところがありました。そこで、言葉のハードルをぐんと下げ、機能を理解していただくにはどうしたらいいかを考えたのです。

望月 言葉のハードルを下げるのは、とても重いですよね。

渡邉 はい。既存のキャラクターに製品説明をしてもらったらどうかなどいろいろ思案しました。試行錯誤するなか、一旦焦点を絞り、「これまで、自分にとって物事がピンときたのはどんな場面だったろう」と考えました。その結果、思い当たったのが1990年代にフジテレビで放映されていた「カノッサの屈辱」です。クリエイター集団「ホイチョイ・プロダクションズ」の企画による番組で、ホテルや健康ドリンクといった身近な題材を歴史教養番組風に掘り下げるという斬新な内容でした。「解説する」ことにおいて秀逸な番組でしたから、「ホイチョイさんなら、モーノポンプをどう料理してくれるのだろう」と思ったのが始まりです。さっそく広告制作を打診したところ、同社代表の馬場康夫さんにお願いできることになりました。

望月 漫画広告では奇想天外なストーリーを通して、製品の特性や活用事例などがわかりやすく解説されています。「ホイチョイ・プロダクションズ」とコラボレーションし、どのように広告をつくり上げていったのでしょうか。

渡邉 馬場さんには展示会や工場に来ていただいて弊社や製品についてご紹介しましたが、「モーノポンプの機能がすんなり頭に入るように、できるだけわかりやすく表現するという点だけ押さえていただければ、構成はお任せします」とお伝えしました。そして、「こんなストーリーはどうでしょうか?」と上がってきたのが「進め! 兵神装備」の原稿です。1回目は「兵神装備」という社名が「巨大兵士型ロボット」を作っている会社だと思われたという誤解をフックに、社名の由来を紹介するところから製品のモーノポンプへと話が移行していくのですが、創意工夫がなされていてすごく面白い。ホイチョイの馬場さんは、モーノポンプをこんなふうに料理してくれるのかと驚くばかりでした。ですから、クリエイティブやストーリーはそのままに、 こちらでは事実確認のみ弊社で行い、形にしていきました。弊社のスタッフも毎号の原稿チェックを楽しみにしていたほどでしたね。

AIやロボットの台頭を見据え
新たな広告イメージを描く

望月 広告接触率順位は連載の各号ともトップ。広告への読者コメントも驚異的な件数に上り、「つい見てしまう」「次の展開が楽しみ」「ストーリーを通じて製品の特長がよく理解できた」といったコメントが数多く寄せられました。

渡邉 製品理解へのハードルを下げるという当初の目的は達成できたと思います。40〜50代技術者という日経ものづくりの中心読者層にとって「ホイチョイ・プロダクションズ」が馴染みのある存在だったことも興味喚起につながり、奏功したのでしょう。お客様にも人気が高いので、本シリーズを小冊子にして展示会で配布したり、自社サイトに動画を掲載するなど製品PRに活用しています。

望月 10年に渡って日経ものづくりに広告を掲載していただいていますが、今後の広告に対する考え方や方針などについてお聞かせください。

渡邉 おかげさまで、売上高は2008年の98億円から2018年には130億円に、従業員数は2009年1月1日時点の283人から2018年には415人といずれも大幅に増えてきました。長年の広告効果が寄与するところもあるかとは思いますが、広告のアプローチ法としては読者の理解を得るためにハードルを下げて製品認知に注力する重要性を実感しました。今後は、ユーザー目線を意識するという方針はそのままに、一方で「非人間目線」といったところで何かできないかとも考えています。つまり、産業界においてAIやロボットは、もはや無視できない存在となっています。それらが本格的に台頭してきたときに、どのような仕様のモーノポンプが求められるのか考えていく必要がある。そうした観点で開発を進めるとともに、広告ではものづくりの感度が高い方々に向け、モーノポンプの将来的な可能性をお伝えしながら、「一緒にやりましょう」と協業を呼びかけるような内容を展開できたらと考えています。

※所属・肩書はインタビュー時点

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