【ストラテジック部門 最優秀賞|日本航空】日経BP Marketing Awards 2019

受賞者インタビューストラテジック部門 最優秀賞

日本航空 「BP DMP」を活かした施策により
ターゲットへの効率的なアプローチを実現

写真:川村 怜 氏

川村 怜
日本航空株式会社
宣伝部
企画媒体グループ
アシスタントマネージャー

杉山 今回「SKY NEXT」の国内線機内Wi-Fiプロモーションが高く評価されました。
マーケティングにおいてどのような課題があり、この企画をスタートすることになったのかお聞かせください。

川村 くつろぎや利便性をご提供することを目的に全席本革、座席スペース拡大、機内Wi-Fiを採用した「SKY NEXT」は、日本航空の国内線機材に適用している仕様です。なかでも機内Wi-Fiは、「飛行機の中でWi-Fiがつながればいい」というお客様の声が多かったという背景があります。そうしたバックボーンはあるものの、実際に日本航空を選んでいただくには単にスペックを並べるのではなく、「Wi-Fiを使って何ができるのか」という、もっと踏み込んだところをしっかり伝えていく必要があると考えていました。具体的にはWi-Fiを切り口とした場合、ポイントとなるのは2つ。

一つは、「飛行機内のWi-Fiは、あまり使えないのでは」というイメージを払拭し、「できること」をきちんと伝えていくこと。もう一つは、薄く広く情報をばらまくのではなく、今のところ機内ではWi-Fiを使用していないが興味を持ちそうな人を探り、きちんとセグメントして発信するということです。メールやSNS投稿、エンターテインメントなどWi-Fiを使ってできることはいろいろありますが、ビジネスシーンでの需要はとても多いであろうと考え、日経BPにお願いしました。

ビジネスカテゴリーでの
濃度の濃い調査に期待

写真:杉山 俊幸

杉山 俊幸
日経BP
トレンドメディア局長
日経クロストレンド発行人

杉山 ビジネスパーソンに的確にリーチするという目的で、日経BPのデータプラットフォーム「BP DMP」の活用をお考えいただいたわけですね。

川村 はい。データとして非常にリッチであることはわかっていましたし、航空ユーザーと親和性が高く、我々がコアターゲットとしているビジネスというカテゴリーで濃度が濃い調査ができるということで選択しました。

杉山 具体的に、どのように施策を展開していったのでしょうか。

川村 まず、日経ID保有者に対して「ビジネストリップに関する意識調査」を実施し、約3000人の回答者から特定のターゲットを抽出しました。次に行ったのが、そのメインターゲットのWeb閲覧行動を分析し、「BP DMP」を活用したオーディエンス拡張です。ターゲティングバナーやターゲティングメールを使って効率的に訴求するとともに、日経ビジネスオンラインや日経トレンディネットでWi-Fiの利用シーンを紹介し、利便性を伝えるタイアップコンテンツも展開しました。ターゲットではない人に配信するのは無意味ですので、プロモーションでは一貫して、Wi-Fiに関心を持ってくれるビジネスパーソンに対してアプローチすることを意識しました。

杉山 施策のクリエーティブに関して、何か工夫された点はありますか。

川村 クリエーティブにおいての正解というのは明確ではありませんでしたが、飛行機のイラストを用いて「答えが見えないクイズ」と題し、クイズ形式に仕立てたビルボード動画は、再生回数も動画を見た後のWebサイト訪問者数も多く、誘引率が非常に高かった。コアターゲットはビジネスパーソンですが、Wi-Fi を仕事に使うだけでなく、窓の外の富士山を撮影してSNS に投稿したり、ゲームをしたりと息抜きに使う方も意外に多いことが実感としてあったので、クリエーティブにもクリックしたくなるような遊びの要素を取り入れたことがプラスに働いたのだろうと思います。

様々な領域での多面的な
コミュニケーションが重要

杉山 今回の施策を通して、どのような発見がありましたか。また、それを今後のマーケティングにどう役立てますか。

川村 これまで宣伝部では、新聞やテレビ、ラジオ、雑誌、交通広告などリアルな領域でのコミュニケーション活動が多かったのですが、デジタル領域との広告連動性も重要だと思っていました。今回、デジタル領域での施策を行ったことで、デジタルは誰に何を刺したいのかというところを明確にでき、メッセージをしっかり伝えられる手段であることが認識できました。今やテレビの視聴時間が減り、インターネットの利用時間が増えている中、今後もデジタルのタッチポイントは増えていくでしょう。とはいえ、お客様の購買行動はひとつの領域から呼び起こされるわけではなく、テレビやデジタル、友人の口コミなど複合的な要素から誘発されるもの。ですから、客観性だけでなく“手ざわり感”のあるデータを用いながら、様々な領域での多面的なコミュニケーションを継続することが重要だろうと思います。つまり、デジタルもリアルも含めた情報設計を行い、いかにデジタル軸とリアル軸の両ストーリーを同じ枠の中で語れるか。今回の施策で扉を開けるところまできましたし、こうした施策は今後も継続すべきと強く思っています。これからも日経BPとともに追求していきたいと考えています。

杉山 「BP DMP」の活用には今後も注力していきますので、さらに踏み込んだご提案ができると思います。最後に次の展開についてお聞かせください。

川村 2019年に新しく導入する国内線の飛行機、「エアバスA350」のPRを展開していきます。海外の航空会社ではすでに所有しているところも多いのですが、日本の航空会社の中では初の購入となる最新鋭の大型旅客機です。機内が広々としていて音が静かといった数々の長所がありますが、コミュニケーションでは機能をアピールすることに加えて、A350でできること、さらにはこの飛行機を通じて「日本航空は、これからもますます国内線を変えていく」というブランドメッセージを伝えていきたいと考えています。

※所属・肩書はインタビュー時点

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