KDDI
ビジネス事業本部 ソリューション推進本部
ソリューション企画部 企画グループ
中村 麻奈美 氏
オフィス改革は、ウェルビーイング経営を実現するための重要な手段である。職場環境が整えられることで社員のウェルビーイングが向上すれば、企業は生産性の向上、イノベーションの促進といった効果を期待できる。「オフィス改革は単なる物理的な変更だけでなく、企業文化や働き方の変革を伴うものであり、社員の幸福度と企業の競争力を同時に向上させるカギとなります」(中村氏)。
KDDI
ビジネス事業本部 ソリューション推進本部
ソリューション企画部 企画グループ
中村 麻奈美 氏
KDDIは2020年に移転した虎ノ門オフィスで、ABWを取り入れたオフィスづくりを実施。フリーアドレスを採用しフリースペースを拡大するとともに、すべての会議室に会議デバイスを設置し、LTE対応PCを導入するなど新しい働き方を実践。イノベーティブな働き方モデルの実現に向けオフィスをデザインした。「作業効率やコミュニケーション関連のオフィス満足度を調査したところ、いずれの項目でも従来オフィスより虎ノ門オフィスが高い評価を得ました」(中村氏)。
一方で新たな課題も浮かび上がった。会議室の空予約の頻発、利用率の低いスペースの存在、誰がどこにいるか不明、オフィスのルールやスペースや設備の使い方が分からず使いこなせないなどだ。
上記の課題を解決するため同社は、ABWの効果を最大化するため「内装とICTの融合」により、働き方をアップデートできるオフィスへと脱皮を図ろうとしている。
KDDIが考えるABWを実現するオフィス像
高輪新本社は「つなぐチカラを進化させ、ワクワクする未来を発信し続けるConnectable City」をコンセプトに、日々多くの人が集まり、誰もが協力し合って新たなアイデアを出しながら試行錯誤し、お客さまやパートナーとともにワクワクする未来を発信し続ける場所にしたいと考えている。
例えば執務エリアでは通信を無線化した上で、内装とICTをセットでモジュール化し、組織の使い方に合わせてレイアウトを自由に変更できるようにする。来訪者とのコラボレーションエリアでは、目的に応じた多様なエリアを設計し、それらを一本の動線で結ぶことで目的外の共創の機会も広げることを意図している。滞在時間や人流分析などによって、レイアウト改善も行う。
食堂・カフェエリアは、多様な人々との交流を深めつながる場となるよう、セミナーやパブリックビューイングなどさまざまな目的に利用できる可動式家具を採用。社内外にリアルタイム配信できる可動式のスタジオ設備などを備える。いずれのエリアでも鍵となるのは、内装とICTを組み合わせた多様な使い方ができる場の創出だ。
これらの実践を踏まえてKDDIは、さまざまなファシリティイノベーションを提供する。同社は電気工事や内装も手がけており、企画・設計から構築、運用、サポートまで一気通貫で提供する。
ソリューションの一例として、等身大の高画質映像と臨場感のある音声でリアルな会議体験を提供し、離れた拠点間でのコミュニケーション格差を埋める会議システムや、レイアウト変更が容易な無線LANを活用したフリーアドレスによる執務エリアの構築、集中して作業を行うためのワーク用ブースの導入やブースの使用状況や混雑状況を可視化するソリューションなどがある。さらに社外でもオフィス内と同等のパフォーマンスを発揮するため、ゼロトラストモデルのLTE対応PCやクラウドサービス、BCP対策向けのバックアップ回線として、Starlink Businessの提供などが可能だ。
これらのソリューションの一部は虎ノ門オフィスで検証を行いながら、働き方のアップデートを実践中だ。この取り組みを実際に体験できる虎ノ門オフィスツアーも開催している。