日経ビジネスオンラインスペシャル

LEADERS INTERVIEW2019.11.22

リーダーが語る「経営と相棒時計」

ビジネスでの装いとは、相手へのリスペクトを表す

東京スター銀行 代表執行役頭取 CEO佐藤誠治 氏

佐藤誠治氏

東京スター銀行の代表執行役頭取CEOの佐藤誠治氏の左腕に、ロレックスの「エクスプローラー」が静かに佇む。手にしたのは、2006年。当時所属していた証券会社で、執行役員に昇格した際だった。飽きのこない美しさに心を惹かれ、この時計と、同じくロレックスの「オイスター パーペチュアル デイトジャスト」で迷い、「いい機会だから」と2本を同時に購入した。「 当初はオイスター パーペチュアル デイトジャストを平日に、エクスプローラーを週末に着けようと考えていましたが、海外出張が増えると、前者は日付合わせに手間取ってしまうんです。結局、現在は平日でもエクスプローラーで過ごしています」

組織の中で大きな役割を与えられたタイミングで高級時計を購入したのには、若き日に出会った、ある漫画の中の印象的なシーンも、少なからず影響を与えている。それは弘兼憲史氏の『課長 島耕作』で、島の尊敬する上司が社長になる場面だった。「 彼は安手のデジタル時計をしていたのですが、前社長から『使ってくれ』と高級時計を手渡されるんです。断ろうとするのですが、『社長とは、会社そのものだ。握手する時の手元も見られる。大会社の社長が安物の時計をしていると甘く見られるし、会った人を戸惑わせてしまう』というようなことを言われ、諭された。それを読んで、『そういうものなのか』と。ビジネスシーンでの装いとは、相手へのリスペクトを表すものでもある。金融機関の人間にとっては特にそうあるべきだと思います」

ロレックス「エクスプローラー」
ロレックス「エクスプローラー」。シーンを選ばず着けられるオールマイティな雰囲気も、活用の幅を広げる。趣味のゴルフを楽しんだ後に開かれる、会食時などにも重宝するそう。

2年半前に頭取に就任して以来、未来に対する不安解決のサポートをテーマに、ユニークな施策で他行と差別化を図ってきた。特に法人に対しては、株主である台湾のCTBC Bankのグローバルネットワークを生かし、海外進出を多方面で支援。「たとえば日本企業が中国への進出を考える場合、単身で乗り込むよりも、同じ中国語圏という文化を持つ台湾企業と組んで行くほうが、現地でスムーズに事業展開できる可能性が高い。そうした台湾での優良なパートナーをご紹介できるのも、我々の強みです」。

重要なキーワードは「役に立つこと」。合理的リスク判断の下、自分たちにしかできないことを極める。未知への挑戦を腕で「探検家」が誇らしげに見守っている。

文=安藤夏樹、いなもあきこ 写真=吉澤健太、田川友彦、阿部 了

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