農作業でストレス軽減 アグリヒーリングが新ビジネスを創出

体験農園を福利厚生などに活用する動きも

 作業後、もう一度唾液を採取して作業後のストレス状況をチェック。さらに、データを補完するためのアンケートを行って、実験は終了した。

 
作業の前後に唾液を採集してストレス状況の変化を確認する(写真:順天堂大学)
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データはスマホに転送、グラフ化される(写真:順天堂大学)
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「蓄積してきた唾液の分析からわかるストレス値とhitoeで計測したデータの相関関係を明らかにし、アルゴリズムを作っていく作業を、今集中的に行っています。すでに計算式はできており、数百ある事例をひとつひとつつぶしながら、精度を高めている最中です」(千葉氏)

 アルゴリズムが確立すれば、実際には唾液を調べることなく、ウェアラブルな計測器で簡単にストレスが測れるようになる。 そんな画期的なサービスのスタートが視野に入ってきた。

農業以外の分野への期待も

(写真:大高和康)
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 このサービスは、当然ながら農業以外でも使うことができる。赤堀氏は「病気になって治療に入る以前の未病の部分、それから、リハビリテーションといったところで貢献できるのではないかと考えています。また、企業の福利厚生のメニューのひとつとしてアグリヒーリングツアーのようなものを設けるといった展開も可能でしょう」と説明する。

 現在、NTTcomには、このウェアラブル生体センサーによるストレス計測技術への問い合わせが相次いでいるそうだ。アルゴリズムが確立されれば、専用アプリを使って、誰もが自分のストレスを簡単に知ることができるようになる可能性も高い。

 一方、千葉氏が考えているのは、アグリセラピーの効果や農業によるリハビリテーションの効果を、医療分野に持ち込むことだ。「緩和医療やターミナルケア、それから障がいを持った方たちへの労務適性診断・就労支援や労働の安全確保等へのアプローチ方法として、ストレスの可視化は極めて有効です。hitoeでストレスが簡単に測れるようになれば、爆発的に応用分野は広がっていくのではないでしょうか」