グリーンツーリズムが日本の観光を変える

大田原ツーリズム・藤井大介社長に聞く

農村観光から個人旅行を滞在型に変える

今後は個人のグリーンツーリズムにも力を入れるそうですね

藤井:ホテル事業の第一弾として、7月20日に大田原市に隣接する那珂川町に古民家ホテル『飯塚邸』をオープンしました。ここはもともと、国登録有形文化財に指定されている築200年の住宅でした。そのオーナー様から譲り受け、ホテル機能を持たせるよう改修しました。

 当社はこれまで学校や企業を対象に農家民泊を含む2泊3日程度の教育旅行・研修旅行を主体に事業を進めてきましたが、今後は新しい形の個人旅行も開拓していこうとで、このホテルをつくりました。

外観は古民家そのものですが、客室は和と洋を融合した造りになっていますね

藤井:もともとの構造や欄間、ふすま、畳の間などはそのまま活かしつつも、キッチンやシャワールームなどはホテルと同様の施設を整えていますし、家具もイタリアから取り寄せるなど、現代的なものを取り入れています。全体として古民家の趣きを感じつつも、現代人が過ごしやすい空間に作り直しています。

7月20日にオープンした飯塚邸。ホテル事業の第一弾だ http://www.iizukatei.ohtawaragt.co.jp/ (写真:山下裕之)
7月20日にオープンした飯塚邸。ホテル事業の第一弾だ http://www.iizukatei.ohtawaragt.co.jp/ (写真:山下裕之)
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 日本には他に古民家ホテルを展開している会社がいくつかあります。ある会社はなるべく古民家そのものをできるだけ残すことを重視しています。一方、大幅に改修してデザイン性を高める会社もあります。改修方法で言えば当社はその中間ですが、仕組みは日本のかなり先駆けの自信があります。

 ここを拠点に、ヨーロッパの人たちがバカンスを農村で過ごすような、長期滞在型の旅行を日本で実現したいと考えています。

ヨーロッパのアグリツーリズムを参考にしたと聞いています

藤井:イタリアの「アグリツーリズモ」と「アルベルゴ・ティファーゾ」(分散型ホテル)という農村観光のスタイルを参考しました。アルベルゴ・ティファーゾは集落の中心に受付を担う管理棟を置き、点在する空き家をホテルに改修したものです。施設内でサービスを完結させる一般のホテルと異なり、住民が普段通うレストランやバー、商店などを体験してもらうことで、地域一帯で観光客をもてなします。

 いわゆる「まちやど」というスタイルで、町が一体となって宿泊客をもてなすという発想です。もともと日本では商店街の結束力が強い。それも日本人には同じ地域の人たちが地域の発展に一致団結して協力し合う気質があるからです。個人主義の傾向が強いイタリアよりもきっとうまくいくはずです。