【ストラテジック部門 最優秀賞|リンナイ】日経BP Marketing Awards 2018

受賞者インタビューストラテジック部門 最優秀賞

リンナイ ターゲットの消費性向を分析し
連動性のある数々の施策で認知度を向上

写真:中尾 公厚氏

中尾 公厚
リンナイ株式会社
営業本部 営業企画部
部長

 ガスと電気のハイブリッド給湯・暖房システム「ECO ONE」の広告プロジェクトが受賞されました。この企画をスタートさせた経緯をお聞かせください。

中尾 2010年に「ECO ONE」を発売して以来、マーケットニーズを組み入れてモデルチェンジを繰り返し、商品の革新とプロモーションの刷新を図ってきました。マーケティングの方針は基本的には認知拡大を目的とし、それなりの効果はあったものの我々が目指すところに到達してはいませんでした。そもそも給湯器は一般ユーザーにとって関心の薄い機器。「ECO ONE」が改良を重ね、エネルギー効率や経済性、快適性が非常に向上していることを訴求してもなかなか届きにくい。テレビCMで興味を喚起し、Webサイトに誘導して認知を広げる戦略でしたが、テレビCMとWebサイトの連動も難しく、手詰まりの状態でした。

福本 それを打開すべく、さまざまなご提案をいただいたのですが、中でも新しさが際立っていたのが、シナジーマーケティングの価値観分析「ソシエタス」と日経BP社が保有する読者IDを用いてターゲットを分析し、それを軸として全施策を落とし込んでいくという今回のご提案でした。この企画であればと、2017年4月から新プロジェクトとして取り組みを始めました。

広範囲なプロモーションから
ターゲットを考慮した施策展開へ

写真:福本 啓史氏

福本 啓史
リンナイ株式会社
営業本部 営業企画部
PR室
室長

 テレビCMからWebサイトへの誘導といった広範囲なプロモーションから、今回はターゲットを考慮して訴求する戦略へと舵を切ったわけですね。

中尾 はい。もともと主たるターゲットは新築住宅を建てる人としていましたが、どうしても欲張りになり、給湯器の買い替え派や建築会社なども含めた方がいいのではと考えが錯綜していました。しかし議論の末、そこは明確に「新築を建てるエンドユーザー」に絞りました。さらに、価値観分析の結果、ターゲットの消費性向として浮かび上がったのが、「トレンドに敏感であり、購買決定においては高い情報収集力を生かして自ら判断を下す」ということ。この結果をもとに、ターゲットに響く一貫したメッセージを発信すべく、まずは「ECO ONE」のコンセプトの旗印となる「GXE」というロゴマークを制作しました。これは、Gasの「G」とElectricの「E」でハイブリッドシステムの性能を表し、「X」はExperience、「体感する」という意味を示しています。つまり、「ガスと電気のある暮らしを体感してほしい」というメッセージをシンボライズし、アイキャッチとなるようにデザインも含めて構築していきました。

福本 新たなクリエーティブの制作とともにターゲットに刺さるような施策として「日経トレンディ」を中心とした企画を進めました。さらには、実際にユーザーにどう評価されるのか、「TREND EXPO TOKYO 2017」で検証するという連動性のあるプロジェクトとなり、弊社にとって新たなチャレンジの1年となりました。

 「TREND EXPO」に出展した手応えはいかがでしたか。

中尾 従来の展示会では、自宅の給湯器が壊れていない限り関心を示す人は皆無でした。それが「TREND EXPO」では、皆さんまず「GXE」のロゴと「ECO ONE」の筐体を見て「なんですか、これは?」と。こちらが驚くほど細かく質問されました(笑)。「リンナイはイメージが変わって格好よくなった」という感想もいただき、嬉しかったですね。

福本 「ECO ONE」は外出先からスマホでお風呂の湯張りができたりとIoT技術を導入していますが、「先進的すぎる」などの敬遠を危惧していました。ところがどの年代の方にも好評で、具体的な購入方法を聞かれることも多かったですね。普段はあまり聞く機会がない、一般ユーザーの率直な声を聞くことができ、非常に参考になりました。

 「日経トレンディ」での連載企画はどのような反響がありましたか。

中尾 社外はもちろん、トップを含め社内的にも、雑誌のセンターに両観音開きという大胆さに「こんなことができるのか」と盛り上がりました。タイアップ広告からのWebサイトへの誘導もうまくいったようで、2017年9月の連載開始以降、アクセス数が2倍以上になるという成果も得ました。

商品群を横串で訴求する施策で
リンナイならではの生活スタイルを提案

写真:麓 幸子

麓 幸子
日経BP社
日経BP総研
フェロー

 「ECO ONE」プロジェクトの次の段階として、「Rinnai Relax」というコンセプトで商品群を横串訴求する新たな施策にも挑戦されました。

福本 全国20カ所にある「Hot.Lab(ほっとラボ)」という体験型ショールームでは、「ECO ONE」やガスコンロ「デリシア」、食洗機、ガス衣類乾燥機「乾太くん」といった弊社の商品を試すことができ、これらを使えば家事がラクに楽しくなる「リンナイのラク家事」としてご提案していました。しかし、この商品群の有機的なつながりをうまく伝えられていない状況があり、それを日経BP社に相談したところ、「リンナイのラク家事」を「Rinnai Relax」というコンセプトで統一し、商品群にストーリーを持たせましょうとご提案をいただきました。であればそれを営業ツールとして形にしたいという弊社のニーズを加え、せっかく制作するのならメディアで発信できる内容にし、「日経トレンディ」の臨時増刊号に掲載、と発展していきました。こうした施策の展開は、マーケティングの引き出しが広い外部のパートナーの存在があってこそのものと思います。

 2020年に100周年を迎える御社の今後の展望をお聞かせください。

中尾 これからは「ECO ONE」を含め、もう少し大きな枠組みで「Rinnai Relax」を訴求していきたいと考えています。具体的には新築住宅の建築が期待される共働きの「DUAL世代」とシニア層の「アクティブシニア」の二大ターゲットに向けて大きく発信していきます。また、100周年に向けて企業価値を高めていくために、より精度の高いマーケティングが求められますので、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

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