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dSPACE Japan User Conference 2024特別インタビュー

いすゞ自動車が挑むADAS開発
トラックならではの課題、
独自のHILS活用法とは

ソフトウエア開発の早期段階からHILSを活用

実際にいつ頃から、ADAS開発のどのようなプロセスでHILSを活用しているのでしょうか。

嶋崎エンジンや変速機の開発では、既にdSPACEのHILSを導入していましたが、ADASの開発でHILSを活用し始めたのは比較的最近で、2023年初めのことです。

 いわゆるV字プロセスの右側、車載ソフトウエア開発における実装後ECUの結合テストにも使用していますが、V字プロセス左側の開発早期段階、ソフトウエア設計においても、RCP(ラピッド・コントロール・プロトタイピング)と組み合わせた活用をしています。

HILSといえば、V字プロセスの右側で、出来上がったECUの検証やキャリブレーション向けのツールという印象があります。V字の左側でも活用しているというのは意外でした。

嶋崎ソフトウエア開発段階でも、MILS(Model in the Loop Simulation)などを活用した評価は実施していますが、先ほど説明したように、1つのECUだけでADASが作動するわけではありません。ブレーキなどと協調制御する必要があるのですが、その入出力が狙い通りになっているかはMILSだけでは詳細な再現が難しいと考えています。

 現在、これまではRCPを試作車に積んで評価していたのを、HILSに置き換えているところです。具体的には、開発中のソフトウエアをRCPに実装して、センサーやブレーキなどの実機がつながったHILSと組み合わせることで、試作車両を使わず、画面を見ながら設計者と一緒に検証できるので、コミュニケーションツールとしても有効です。手戻りの削減やソフトウエア検証リソースの削減、試作車の台数削減といった効果が得られています。

実験部門の仕事も様変わりしているという印象です。

嶋崎これまで実験といえば、テストドライバーがいて、メカニックがいて、クルマを走らせてデータを解析したり、実験の計画を組んだりというのが主な業務でしたが、現在では求められる資質が大きく変化しています。xILSによるシミュレーション技術やソフトウエアテストへの知見を深め、現状ではまだ実機テストの代替が難しい領域でも、何ができればどこまでシミュレーションへの置き換えが可能かを見極める目を養うことが必要と考えます。

 また、先行・量産開発や、設計・実験間のシミュレーション環境におけるシームレスな連携、再利用を可能にするツールチェーンおよび、情報管理体制の構築を実現する上では、これまでの設計/実験などの業務分担の枠にとらわれず、部門をまたいでソフトウエア開発環境を作っていく姿勢が一層必要になってくると感じています。

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いすゞ自動車のHILS環境

今後もHILSの適用範囲は拡大していきそうですね。

嶋崎前述の通り、実車主体からシミュレーションに主軸を置いた開発へシフトし、ソフトウエアを早いサイクルで開発・検証するプロセス確立が不可欠です。また、より高度なADAS・自動運転の開発には、多様な環境センシング、アクチュエーター協調制御に対応した検証環境が必要であり、HILSを適用すべき範囲は広がると考えています。

2024年9月25日(水)~26日(木)にdSPACE Japan User Conference(JUC)が開催されます。企業の枠を超えた情報共有の場として、例年延べ1000人以上のエンジニアが集うこのイベントの中で講演をされますが、どのような内容になるのでしょうか。

嶋崎ここまでお話ししてきたような課題や、ADAS開発に活用するHILS環境を構築する上で重視したポイント、具体的な構成内容をご紹介します。活用効果や実感、HILSの活用拡大に向けて今後導入予定のアイテムなども紹介する予定です。

2024年9月25日(水)

  • 基調講演

    SDV時代におけるTier1のチャレンジ、AD/ADASの視点から

    日立Astemo株式会社
    電動ビジネス事業部 Mobility Solutionビジネスユニット 商品企画本部
    本部長/ジェネラルマネージャ
    谷道 太雪

  • 事例紹介

    商用車ADAS開発へのシステムHILS適用の取り組みと展望

    いすゞ自動車株式会社
    車両審査実験第一部
    先進安全システム実験課
    嶋崎 翔

  • dSPACE

    ADAS/AD機能の検証手法とソリューション

    dSPACE Japan株式会社
    技術営業部 East Sales Engineerグループ
    セールスエンジニア
    安原 修司

  • 事例紹介

    自動化・電動化対応ブレーキ開発におけるHILS活用

    株式会社アドヴィックス
    車両適合技術部 第6室
    グループリーダー
    田中 学

  • dSPACE

    (仮)dSPACEのE-Mobilityソリューションのご紹介

    dSPACE Japan株式会社
    技術営業部 West Sales Engineerグループ
    セールスエンジニア
    寺井 輝晃

  • パートナー講演

    AIを用いたdSPACEシミュレーションログ分析の自動化

    BTC Japan株式会社
    営業技術部
    Sale Engineer
    張 揚

  • 事例紹介

    (仮)

    トヨタ自動車株式会社
    車両デジタル開発部 XILS開発推進室 MBD制御1Gr
    主査
    熊谷 直記

  • dSPACE

    SDV時代におけるCI/CDソリューションの紹介

    dSPACE Japan株式会社
    CX技術部 Business Prototypingグループ
    シニアフィールドアプリケーションエンジニア
    金子 泰山

2024年9月26日(木)

  • 基調講演

    (仮称)カスタマーサクセスとは

    サクセスラボ株式会社
    代表取締役
    弘子 ラザヴィ

  • 事例紹介

    ADAS含む車両性能評価に向けたVILS環境構築における実交通流シナリオ生成

    トヨタ自動車株式会社
    車両技術開発部 第1動的性能開発室 MBD・XILS Gr
    主任職
    宮田 大毅

  • dSPACE

    (仮)dSPACEのデータドリブン開発

    dSPACE Japan株式会社
    CX技術部 Business Prototypingグループ
    グループリーダー
    鈴木 祐次

  • 事例紹介

    フリーピストンリニア発電機の研究におけるASMの活用

    国立大学法人信州大学
    学術研究院工学系(工学部 電子情報システム工学科)
    准教授
    佐藤 光秀

  • dSPACE

    (仮)dSPACE ASMのご紹介

    dSPACE Japan株式会社
    技術営業部 West Sales Engineerグループ
    セールスエンジニア
    石淵 雅顕

  • 事例紹介

    燃料電池システム開発におけるMILS/HILS/ベンチ自動テストプラットホーム

    株式会社本田技術研究所
    先進パワーユニット・エネルギー研究所 水素パワーユニット開発室 第1ブロック
    スタッフエンジニア
    小島 修一郎

  • dSPACE

    (仮)dSPACEのHIL、SIL連携による開発効率化

    dSPACE Japan株式会社
    CX技術部 Business Prototypingグループ
    シニアフィールドアプリケーションエンジニア、チームリーダー
    城 良友

  • 事例紹介

    JAXAにおける軌道上サービス実証プラットフォームの研究開発

    国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
    研究開発部⾨ 第3研究ユニット 研究開発部門 第1研究ユニット(本務)/研究開発部門 商業デブリ除去実証フェーズIIプリプロジェクトチーム(併任)
    研究員/研究開発員
    ⽔野 光
    池田 勇輝

  • dSPACE

    (仮)dSPACE 航空機電動化の紹介

    dSPACE Japan株式会社
    技術営業部 Business Developmentグループ
    シニアテクニカルエキスパート/シニアプロダクトコーディネーター
    都築 勝也
    花岡 弘樹