高校生レストランがまちを元気にする!

北海道三笠高校のキセキ

基幹産業が消失し、少子高齢化が進み、学校が消える。日本中の過疎地で見られる光景だ。学校は地域をつなぐよりどころ。なんとしても残したい。その思いから、定員割れが続き廃校が決まった道立高校を引き継ぎ、道内初の食物調理科の単科高校として再出発させ、道内全域から生徒を集めることに成功した北海道三笠市。生徒を増やし、地域に賑わいをもたらすカギとなったのが、食物調理科の生徒たちが運営する高校生レストランだった。
高校生レストラン「まごころきっちん」、高校生カフェ「Cherie(シェリー)」、物販スペース「エソールストア」で活躍する三笠高校の調理部、製菓部、地域連携部の部員たち
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 「いらっしゃいませ」。元気なあいさつがレストランのホールに響く。開店を待ちかねていたお客たちが次々と店内に吸い込まれていく。

 2018年、北海道三笠市にオープンした、「まごころきっちん」。三笠市立の北海道三笠高等学校の調理部の生徒たちが、接客や調理から、メニューの考案、コスト管理、仕入れまで担って運営する“高校生レストラン”だ。

 営業日は授業がない土日や夏休みなど。地元の食材を使い、生徒たちが日ごろの学びの成果を発揮する「部活動」の一環として、この店は運営されている。

 駐車場には車で1時間ほど離れた札幌のナンバープレートを付けた車も目立つ。コロナ禍前はここでの食事を目当てに遠方から乗り付ける観光バスも多かったという。

 昨年1年間の食事提供数は約1万5000食、収益は1,893万円。道内はじめ全国からの観光客のほか、自治体の視察も数多く、今や三笠市のシンボルとなっている三笠高校。だがわずか10年前、同校は存続の瀬戸際に立たされていた。

「まごころきっちん」の開店を待つ人々。地元客のほか、車で1時間ほど離れた札幌などからやってくるリピーターも多い
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入店前には検温を実施し、消毒を促す。こうした対応も実にスムーズ
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