「おにぎり」が日本のコメを救う!?

~「ミシュラン」におにぎり専門店も登場、世界から熱い視線

日本人の主食であり、食文化の基礎でもあるコメ。しかし、1人当たりの年間消費量は、昭和37年度をピークに一貫して減少傾向にある。昭和37年度には118㎏の米を消費していたのが、平成28年度には半分以下の54㎏にまで減少している。しかし、日本人のコメ離れを食い止める、国内外に新たな需要を開拓する可能性があると熱い視線を集めているのが「おにぎり」。2018年にはグルメガイド「ミシュラン」に浅草のおにぎり専門店『おにぎり 浅草 宿六』が掲載され、世界の注目を集めた。おにぎりは日本のコメを救えるか? その可能性を探る。
ミシュランにも掲載された「おにぎり 浅草 宿六」のおにぎり。海苔のパリパリ食感も楽しめるように、背面の海苔はそのまま(写真:鈴木愛子)

開店1時間で120個が売り切れるおにぎり

 昼12時台というのに、入り口には「sold out!sorry」の張り紙。『おにぎり 浅草 宿六』だ。世界で初めてミシュランガイドに掲載されたおにぎり専門店、今年で2年連続のビブグルマン(6000円以下で食事ができるお薦めのレストラン)として掲載された。「掲載直後は、開店と同時に予定数に達してしまうこともありました」と三代目主人の三浦洋介さん。昼夜ともに4升の米を炊き、120個のおにぎりを提供している。

 店は1954年の創業以来変わらないカウンタースタイルで、20種類近い具から好きなものを選んでもらい、注文が入ってから握る。「具は、年間を通じて良い品質のものが安定して手に入ることが前提に選んでいるので、塩鮭や梅、昆布などほとんどがおにぎりの定番品です」と言う。ただし、どこの産地のものを使うかを吟味。

宿六のおにぎりはやや小ぶり。「おにぎりは片手で食べるもの」と三浦さんは考えている(写真:鈴木愛子)
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おにぎりは固くなりすぎないようにする。炊きたてのご飯を木枠に入れて形を作り、軽く3回握る(写真:鈴木愛子)
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 おにぎりの命ともいうべき米は、毎年変わる。新米が出る季節に取り寄せ20種類ほどを検品して絞り込み、炊き比べ、さらに握って食べ比べて決めると言う。全国各地の米が出揃う11月中旬くらいまでかけて選び、決まったら次の新米が出るまで1年間同じ米を使い続ける。

 特に大切なのが、海苔との相性だ。海苔は東京湾産。品質が安定し、三浦さん自身が子どものころから食べて慣れ親しんだ味だ。「海苔の風味が勝ちすぎても、海苔が厚すぎてもだめです。やっぱりおにぎりは、ご飯をおいしく感じることが一番ですよ」。