講演

Hacobu

「物流2024年問題」の本丸は、企業間物流物流DXの遅れは経営リスク
事例から学ぶ、今取り組むべき戦略

企業間物流は、非効率なプロセスが多く、課題が山積みだ。ドライバー不足という大問題もあり、政府も荷主企業に対し、物流の効率向上に積極的に取り組むことを義務づけた。先進事例を中心に、経営リスクに直結する物流DXの課題解決法を探る。

出荷不能、コスト増回避に
企業間物流の変革が急務

Hacobu
取締役 執行役員COO
坂田 優 氏

2024年4月からトラックドライバーに時間外労働の上限規制が適応され、労働時間が短くなることで輸送能力が不足するなど様々な問題が懸念される、いわゆる「物流2024年問題」は大きく報道された。しかし、その多くが「宅配便が届かない」といった文脈で語られた。そのため企業では、直接的なビジネス課題と捉えられているとは言い難い。しかし宅配便市場が約3兆円なのに対し、企業間物流は約30兆円という統計もあり、その影響ははるかに企業間物流の方が大きい。

Hacobuの坂田氏は「企業間物流はメーカー、倉庫、流通業、小売業、運送業など関係者が多く、電話やFAXでの連絡が多いため、非効率でプロセスごとに情報が断絶しています。データが共有できないので全体最適ができず、部分最適に陥っています」と指摘する。

この課題に対応するため政府も物流革新に取り組んでいる。2024年5月に改正した「物流効率化法」では、全ての荷主、物流事業者に対し、「荷待ち・荷役時間の削減」「積載効率の向上」をはじめとした物流効率化に取り組むことを努力義務として課し、一定規模以上の事業者には、物流効率化に向けた中長期計画の作成と定期報告を義務づけた。坂田氏は「これらに取り組まなければ、今後メーカーなどの発荷主は製品を的確なタイミングで運べなくなり、さらには原材料を買いたい値段で買えないといったことが起きる可能性があり、経営リスクとして対処する必要があります」と語る。

経営改革の一環として
取り組む物流DX事例

企業間物流の課題解決に取り組むのが、物流現場の非効率を解消する物流DXツール「MOVO(ムーボ)」により、物流データの可視化や共有を実現する「物流情報プラットフォーム」を提供するHacobuである。

データに基づく物流の世界を「データドリブン・ロジスティクス®」と呼び、その実現にまい進しているHacobu。データドリブン・ロジスティクス®を「現場でデジタル化推進」「全社レベルでデータ活用」「他社とのデータ共有、共同配送」と大きく3段階に分け、各段階での事例を紹介した。

最初に紹介したのは、花王による現場での改善事例だ。経営改革の一環として、製造と物流の一体化を目指し、製品出荷の完全自動化を実現した。トラックが工場に入るとナンバーを読み取り、トラックやバース(積み下ろし場所)の予約などを行う「MOVO Berth(ムーボ・バース)」を活用して、予約状況やバースの空き状況から荷物が用意された積み込みバースを自動で案内。これによりトラックの工場内滞在時間を、従来の1~2時間から30分程度に短縮できた。

センターごとにトラックの台数と滞在時間を可視化できるMOVO Berthのダッシュボード機能を活用し、全社的な改善に取り組むのが日立建機と三菱電機ロジスティクスである。

さらにMOVOに蓄積された物流ビッグデータを、事業者や業界の枠を超えて活用する取り組みを進めている。検証の結果、ある物流団地に同じエリアから複数の小型車両が納品している実態を確認できた。これらを大型車で共同配送すれば台数削減が可能になる。

以上を踏まえ、坂田氏はデータドリブン・ロジスティクス®の段階を進めていくのは、物流統括管理者の責務であり、Hacobuはその過程を物流DXパートナーとして支援したいと語り、講演を終えた。

企業間物流の課題が解決できないと、求められるタイミングでの配送が難しくなるばかりか、調達コスト増を受け入れざるを得なくなる

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URL:https://hacobu.jp/

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