講演

SCREENアドバンストシステムソリューションズ

生成AI活用における情報セキュリティーへの対応はどうすべき?製造業でのRAG活用に2つの課題
的確な回答を安全に得られるか

SCREENアドバンストシステムソリューションズは、半導体製造装置事業を主とするSCREENホールディングスの中でICTソリューション事業を担う。培ってきたAI技術の知見を基に、グループ内のフィールドエンジニアリング業務の効率化に向けて生成AIシステムを導入した。

自社内ノウハウを活用する
RAGの注意点とは?

SCREENアドバンストシステムソリューションズ
マーケティング課
リーダー
櫻井 友馬 氏

SCREENアドバンストシステムソリューションズは、既に製造業におけるものづくりプロセスにおいて、「マーケティング・研究」「開発・製造」「アフターサービス」など様々な分野でAI技術を活用している。その中でも同社の櫻井氏は、フィールドエンジニアリング業務においてRAG(Retrieval Augmented Generation)を活用する事例にフォーカスした。RAGは独自の情報源を付与したチャットAIとして、自社内ノウハウの活用や業務効率化の面で注目されているが、「実際に運用する際には、大きな課題が2つあります」と櫻井氏は言う。

1つ目は回答精度が高くないという課題だ。オペレーターからの質問に対するRAGの回答に「自社データとひも付いていない回答や、事実にそぐわない回答が含まれていることがあります」(櫻井氏)。2つ目は使用者の担当外や権限外の情報(機微情報)も、そのまま回答されることがあるという課題である。情報漏洩にもつながる可能性があるため、対策を打つことが必須だ。したがって「実際に企業でRAGを運用するにあたっては、的確な回答を引き出す仕組みと機微情報の漏洩を防ぐ仕組みが必要です」(櫻井氏)。

情報漏洩対策を施した
セキュアなRAGを提供

これらの仕組みを、どのように構築すればいいのか。櫻井氏はまず、「回答の精度を上げるには、RAGに付与する自社データの社内文書の情報を構造化することが必要です」と説明。オペレーションごとに必要な情報を構造化してRAGに取り込むことで、精度よく類似性のある知見を検索し「回答率の精度が90%以上を達成しました」(櫻井氏)。

また「顧客情報」や「秘密情報」「技術情報」など、適切な社内管理が必要な機微情報に関して、社内ユーザーの権限レベルや担当レベルに合わせて表現の概念を、適切にひも付けた。そして、具体的な社名が回答に含まれる場合には「某社」と表現するなど、権限や担当ごとに機微情報をマスキングして認知できなくした。これによって情報セキュリティーが担保でき、社内で安心してナレッジの共有、RAGの活用が可能になる。

こうしたノウハウが詰まったRAGシステムを、同じ悩みを抱えている他の企業でも活用してもらいたいと、SCREENアドバンストシステムソリューションズはセキュアRAGエンジン「りある守護トーク」の提供を開始した。

櫻井氏はこの「りある守護トーク」について、「社内のフィールドエンジニアリング業務だけで使うのではなく、社外ユーザーからの製品の問い合わせに答えるチャットボットとしても、汎用性の高いRAGとして活用できます」と述べ、講演を終えた。

製造業シーンを想定した運用のための安全なRAGシステムとして、機微情報を自動的にマスキングして利用できる

SCREENアドバンストシステムソリューションズ

URL:https://www.screen.co.jp/as/

Navigation

記事一覧