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Vol.1SAP

2025年問題を解決!
FPTのSAPバージョンアップ
「定額」支援サービスとは

FPTジャパンホールディングスは、いわゆる「SAP製品の2025年問題」に対応したサービスを2021年4月から始めた。SAP ERP Central Component(SAP ECC) 6.0からSAP S/4HANAへの入れ替え支援サービスを定額で提供する内容だ。サービスの内容や狙いなどについて、FPTコンサルティングジャパンの遠藤章浩氏に、日経BP総研 イノベーションICTラボ 上席研究員の大和田尚孝が聞いた。

迫る
「SAPの2025年問題」

遠藤 章浩氏
FPTコンサルティングジャパン株式会社
コンサルティング・サービス・グループ
マネージング ディレクター
SAP Certified Consultant
遠藤 章浩氏

――遠藤さんの現在の役割について教えて下さい。

 役割は二つありまして、一つがFPTコンサルティングジャパンにおけるSAPコンサルビジネスの立ち上げと事業の拡大です。もう一つが、FPTグループのSAPビジネスをグローバルで推進することです。

 FPTコンサルティングジャパンの親会社であるFPTジャパンホールディングスは、ベトナムのFPTソフトウェアの日本法人です。FPTグループのSAPビジネス拠点は他にもタイ、スロバキア、ドイツ、アメリカに拠点があります。

図:グローバルエリア~開発センター・拠点

――ここ数年「SAP製品の2025年問題」という言葉が注目されています。何が問題なのか、改めて教えていただけますか。

 多くの企業が導入しているSAP ECC 6.0は、2025年にパッチの提供や障害対応などのサポートが終わる予定でした。このため、SAP ECC 6.0の利用企業は2025年までに次期バージョンへの乗り換えを済ます必要があり、そこにはいろいろな困難が伴うため、2025年問題と呼ばれるようになりました。ただ、SAPは2020年2月にサポートの期限を2027年まで延ばすことを発表しています。

――実際には「2027年問題」に変わったのですね。2年延びたことで問題は解消されたのでしょうか。

 いえ、そうではありません。SAP ECC 6.0の利用企業は日本で約2000社あります。対してSAPのコンサルタントやエンジニアの数は潤沢ではないので、需給のバランスが崩れています。人材の育成は急速に行われていますが、年単位の時間がかかります。ですのでサポート期限が2年延びたとしても、全ての企業の依頼に応えるのは厳しい状況です。

企業の負担は
非常に大きい

――バージョンアップは「ベンダー側の都合」とも取れると思うのですが、利用企業からはどのような声が出ていますか。

 たしかに、単純に製品を入れ替えるだけで1億以上、時には数億円ほどかかります。そのほかにも利用企業の関係者の作業などの負荷がかかります。ですので、新版のS/4HANAに入れ替えた場合の「メリット」を我々からしっかりご説明し、そのメリットを享受していただけるようにサポートすることが必要だと考えています。

――バージョンアップによって、掛かるコスト以上のビジネス価値を得る、という考え方ですね。

 そうです。今までのバージョンも完成度が高かったのですが、新版はさらにその上をいく部分があります。最大の違いはデータレスポンスの良さです。これまで経営層にデータを見せるのにバッチ処理で三日、一週間とかかっていたようなものが、リアルタイムで見られるようになります。

8900万円で定額提供

――データ処理のスピードが速まると、仮説と検証、そして改善を高速で繰り返しやすくなりますね。いわゆるデータドリブン経営に取り組みやすくなります。

 その通りです。

――新版への具体的な移行方法について教えてください。

 新バージョンへの移行には、業務要件を改めて考える、新規導入に近いアプローチと、要件据え置きの、いわゆるバージョンアップに近いアプローチの二つがあります。我々は後者の手法に基づくサービスを提供します。

 後者のアプローチを採る場合でもさらに二つ考え方があります。前バージョンを入れるときに十分に検討出来なかった機能や、新バージョンならではの機能を入れ替え時に追加するというものと、とにかく現行に近い内容を新バージョンへサポート切れになる前に入れ替えを終えようというものです。我々はこの後者に対して、価値あるサービスを提供したいと考えています。

――企業にとってより現実的な、着実な解の提供を支援するわけですね。サービスの価格はどの程度ですか。

 業種や企業規模を問わず、半年間で8900万円です。この金額で、アセスメントから導入作業、稼働後のサポートまで、まとめて提供します。ワンプライス制です。前提条件はいくつかありますが、例えば、アドオンの数が1000本未満、Unicode対応済みなどといったことはありますが、それでも他社のサービスと比べて、かなりの価格競争力があるのではないかと自負しています。

――ワンプライスというのは、エンタープライズITのサービス領域では珍しいですね。

 フィックスプライスで期間とコストを明確にでき、さらに半年間で完結するため一つの決算期で支払いまで収まるのは、企業様にもメリットが大きいのではないでしょうか。今のような時代、表面的に見えているお金もさることながら、関わる人の時間と労力についても限りなく省力化することは、最も重要なことであると考えています。

図:コロナ禍でもやるべきこと

将来的には
DXもサポートしたい

――コスト競争力の源泉はどこにあるのでしょうか。

 ベトナムのオフショア拠点を効率的に活用できることです。お話をいただければ、1カ月以内にベトナムのリソースを整えることができます。もちろん全てをベトナムでこなすわけではなく、日本でのお客様対応については、日本人を含め日本にいるスタッフが日本語で行います。体制としては日本にコンサルタントが約10人、エンジニアが約30人おりまして、ベトナムには約700人のコンサルタントとエンジニアがいます。

――受注目標を教えてください。

 初年度で5社へのサービス提供を考えています。まずはSAPの2025年問題を速やかに解消しましょう、というのが我々のスタンスです。サービスをご利用いただいた企業様に満足いただき、その後のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進などについてもご一緒できれば、と考えています。

図:Digital Kaizen TM|デジタルトランスフォーメーションフレームワーク
遠藤 章浩氏

DXアクセラレート2021、
デジタル活用の勘所

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