DXアクセラレート2024、デジタル活用の勘所 DXアクセラレート2024、デジタル活用の勘所

「DX Insight」DX

DXに必要なケイパビリティを獲得する
新たなITソーシング戦略の要諦

市場環境の変化を素早く捉え、顧客が求めるサービスをタイムリーに展開する。その際にカギを握るのがシステム開発の「内製化」である。一方、アウトソーシングを軸としたIT利活用が一般的である日本企業において、内製化はなかなかハードルが高いものだ。そこでFPTコンサルティングジャパンは、時流に即した新しいITソーシング戦略への転換を提案している。DXを加速するオフショア/自社リソースの活用方法とは。

人材不足とコスト増が
日本企業のDXを阻害している

小杉 英司氏
FPTコンサルティングジャパン株式会社
コンサルティングサービスグループ
ディレクター
小杉 英司氏

 一般的にDXは、クラウドやAIなどの新しいテクノロジーを導入・活用することが本題と思われがちだ。ただ実際は、テクノロジーのイネーブラーとなる「ヒト」、そして「ビジネス」の変革を含めた三位一体で進めることが肝心であり、どれか1つに偏っても成功できない。「十分な投資を行い、組織全体を変革することが必要です」とFPTコンサルティングジャパンの小杉 英司氏は語る。

 では具体的に、取り組みはどのような方向性で進めるべきなのか。重要なポイントとなるのがデジタル活用のアジリティ(俊敏性)向上である。

 ビジネス環境や市場ニーズの変化を捉え、迅速にデジタルサービスを開発・提供する。それには、システム/アプリケーションをビジネスにより近いところで開発する「内製化」がカギを握る。そのための体制を整えることが、競争優位性の獲得に向けて不可欠だ。

 「しかし、多くの日本企業はここで2つの問題に直面します。1つは、内製化を担う人材をどう獲得・育成するかという問題。もう1つは、すべてを内製化すればコスト増にもつながりかねないので、内製化を前提にしながらも、いかにアウトソーサーを活用してコスト削減を行い、DX投資の原資へ増強していくか」(小杉氏)。この2点を解決していかなければ、“DX実行力”が低下し思うような成果につなげられていないのだという。

“DX実行力”の獲得に向けた
3つの要諦とは

 FPTソフトウェアは、これらの課題の解決に向けた企業の取り組みをITソーシング戦略の観点から支援している。ベトナム最大規模のIT企業としてオフショア開発~運用・保守を請け負うFPTソフトウェアを筆頭に、グローバルに事業を展開。FPTソフトウェアの日本市場向けコンサルティングの特化部隊であるFPTコンサルティングジャパンは、2019年に事業をスタート後、直近2年間で社員数200人まで拡大し、幅広い領域の顧客に対して質の高いDXサービスを提供している。

 同社が、“DX実行力”の獲得に向けた要諦として提案するのが、「①ソーシングモデルの転換」「②スキルアップ」「③デジタル投資の原資拡充」の3つだ。

 ①ソーシングモデルの転換では、時流に即したアウトソーシングモデルへの転換を図る。従来は、企画・構想、要件定義といった上流工程を自社で担い、開発や運用保守などの下流工程をアウトソースするのが一般的だった。一方、今後は内製化を前提にしつつ、アウトソーサーと柔軟な分業体制を築くことが重要になるという。「完全分業型」から、アウトソーサーとの「伴走型」へシフトするイメージだ(図1)。

図1:これから求められるITソーシング戦略
図1 これから求められるITソーシング戦略アウトソーサーとの関係性を、「完全分業型」から「伴走型」へ転換する。アウトソーサーから知見やノウハウを継承してもらいつつ、内製化を進めていく

 「当社ではこの伴走型の支援が行えます。下流工程の業務の請負はもちろん、内製化に向けた技術・ノウハウの継承なども実施可能です」と小杉氏は紹介する。

 内製化を支援するサービスとしては「ラボモデル(スクラムラボ)」と「BOT(Build-Operate-Transfer)」の2つのスキームで提供可能。ラボモデルは、顧客とFPTソフトウェアがスクラム体制を構築し、開発を進める過程でアジャイル開発などのコーチングとスキルトランスファーを行うもの。BTOはラボモデルの内容に加え、あるタイミングでFPTソフトウェアのメンバーを顧客企業に転籍させるものだ。これにより顧客は、内製化に必要なデジタル人材そのものを獲得できる。

 「そもそもベトナムは、IT人材の豊富さ、人件費の低廉さ、日本との時差の少なさや日本語コミュニケーションへの対応、さらに政情の安定性など、オフショア活用の要件を網羅的に満たしています。このような人材基盤をベースに、お客様のソーシングモデル転換をご支援します」と小杉氏は言う。

業務の請負だけではなく
ムダな業務の削減も支援

 ②スキルアップでは、オンラインのコーチングプラットフォーム「Funix」を用意。多彩な学習コンテンツを提供するとともに、DX支援の領域で平均13年の経験を持つメンター人材を配備し、双方向のコミュニケーションが行えるようにしている。「受講者のモチベーションを維持し、効果的にトレーニングを進められるようにしています」と小杉氏は紹介する。

 またFPTグループは、ベトナム国内で大学などの教育機関を運営している。そこで輩出した優秀なデジタル人材を獲得することで、継続的なサービス強化につなげているという。この点も同社グループならではの強みだ。

 最後の③デジタル投資の原資拡充は、文字通りDXに必要な資金を継続的に確保することである。これについて同社は「FPTソフトウェアマネージドサービス」を用意。ITシステムの運用保守、ITコスト管理やBPOサービスなどを幅広く提供することで、顧客企業のデジタル投資最適化をサポートしている(図2)。

図2:FPTマネージドサービス
図2 FPTソフトウェアマネージドサービスシステムの運用保守から、ITコスト全般の管理と最適化、会計や人事、営業、マーケティングなどの業務の代行まで、多彩なサービスをワンストップで提供

 「運用保守費は『人件費×業務量』で決まります。そのため当社では、業務請負によるお客様組織の人件費削減と並行して、ムダな業務の洗い出し・削減に向けた支援も行います。両軸の取り組みにより、現行比で最大60%ほど運用保守費を削減できます」(小杉氏)。その分の予算を内製化やDXに振り向けられるようになるはずだ。

 同社との取り組みによってDXを加速させる日本企業は多い。例えば、ある大手製造業では、自社の人材や資金を収益性の高いデジタル領域へとシフトするため、FPTソフトウェアのオフショアリソースを活用。同時に、人員の多能工化や業務プロセスの見直し・自動化も実施している。現在も取り組みは進行中だが、「3年で運用保守費のベースラインを5割削減」という目標に向かって順調に推移しているという。

 今、日本企業に求められているのは、「内製」か「アウトソース」かの二者択一ではない。内製化を念頭に置きつつ、必要なケイパビリティの獲得を伴走型で支援してくれるアウトソーサーと組むことだ。FPTソフトウェアは、その観点で、まさに頼れるパートナーといえるだろう。

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